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173 【開拓VRβ版実況40】 ラストバトル・洪水

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


 開拓VRゲーム。Walkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)。略称WotF。

 舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。

 開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。


 現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。


 第一定都の港湾に再び巨大な魔物が現れ、通りかかる船を襲いはじめたため、現在討伐作戦の真っ最中だ。

 しかし、そんな時に以前襲撃してきたネクロマンサーまで現れ、危機一髪、エンジとキューイは霧の森の魔王様に救われた。


「魔王様/1 ありがとうございます!/6 」

「きゅーーい!!」

「無事でよかったよ/3 さて/7 あっちのほうも/3 どうにかしないとね/2 」


 魔王様の視線の先は壊れた壁の向こう、相も変わらず暴れまわっている巨大な魔物がいた。


 三階から飛び出して空中を蹴って走った魔王様は一閃、おそらくは魔力でできた、剣のような光を出して魔物を切りつける。

 巨大な赤いエフェクトが光った。


― もう/6 あいつ/9 ひとりで/4 いいんじゃないかな/3


 視聴者が呟いた。


 魔王様の連続攻撃により、巨大な魔物が明らかにダメージを負っていく。


― 何で/6 最初から/5 来てくれんかった/2 ?/6

― 戦場が/1 どうなるか/3 /01 分からなかったからじゃない/2 ?/6

― 結界の都合だって/4


― もーちょっと早く/6 来て/2

― エプヴィルさんの時は/5 歩いてくるだけで/4 死屍累々になったからな/2 /7 下手に/6 来られたら/2 /05 不利になってたかもよ/2

― ネクロマンサーが本気出した時は/5 こっちの魔石が/1 ガンガンに/6 溶けてったし/2


 魔王様も不死者特性により場の魔力を吸い取る。その危険性は以前の戦闘から実感済みだ。

 下手に戦場に来て本気を出されるとアイテムや戦闘員が壊滅しかねない諸刃の剣だったが、今のところエナジードレインの能力が魔物から溢れる瘴気を相殺するのにちょうどよくなっている。



 しばらく三階から様子を見ていたエンジだったが、ふと楽隊の演奏が今までにないものに変わっているのに気づいた。このメロディは。

「魔王様!/1 放水が/1 開始されます!/2 /7 上流のダムが/1 容量を/3 越えました!/2 」


「じゃあ/6 大急ぎで/6 倒さないとね/2 」


 魔王様が魔物を水路に吹き飛ばし、畳みかけるように魔物に突進した瞬間、足を踏み外したように自由落下を始める。

「!? 何!?/6 」

 更に地上から一撃、魔王様に命中し赤いダメージエフェクトが光った。

 隙だらけの魔王様に巨大な魔物の鉤爪が炸裂し、吹き飛ばす。

 飛ばされた先はエンジ達の居る川沿いのテラスハウスの三階の部屋。壁が吹き飛ぶ。


「きゅい!」

 飛ばされてきた魔王様からエンジを庇ってキューイが倒れた。

「魔王様!/1 キューイ!/1 」

 埃がもうもうと舞う建物内でエンジが二人を探すと、二人とも小さい姿で床に倒れていた。


 魔王様に追撃を加えようと、一直線にこっちに迫ってくる巨大な影を確認する暇もなく、二人を抱えたエンジは階段に向かって全速力で走っていた。




 白兵戦組は混乱していた。

「魔物を/3 止めろ!/2 」

「いや/6 高台に/5 逃げた方が/2 よさげ!/6 砲撃の/3 準備してるみたいだし!/2 」

 楽隊の洪水時の緊急脱出のテーマに装填準備のメロディが重なったことに気付いたロアセフィが叫ぶ。


「イドレード!/1 あの人は/1 味方だよぉ!/3 」

 イグドナは偶然、目の前の男が魔王様を撃ったのを見ていた。


「イドレード?/1 武装船に/5 乗ってるはずだぞ/2 」

 言いながら振り返ったエフジドルダが目を見開いた。


 背中に冷たいものの走ったパークサズラムが連絡を取る。

「イドレード/1 今どこに/5 居る/2 ?/6 」

「僕は/1 北から二つ目の船の/5 前から五番目の砲台前です/5 」


「「そいつの目を/3 見るな!/2 」」

「へぶぅ!/6 」

 パークサズラムと声を合わせ、エフジドルダはイグドナを引っぱたいた。


「緊急時とはいえ/5 ひどいよ!/3 でも/7 じゃあ/6 こいつは……/1 」

 イグドナはじわじわと目の前に居る男の正体が分かってきて冷や汗が出る。


 プレイヤーがプレイヤーに接触できるのは数秒内にダメージが確定している時だけだ。



 事態を把握したケビンがイドレードの姿の男の背後から距離を縮める。

「借りは/3 返しました。/2

 それでは、/6 左腕を/3 厳重に/6 手入れしなければいけませんので、/2 /04 ごきげんよう/6 」

 目の前の男はイドレードの黒髪の姿からみるみる色素の薄いゼファージースの姿になり、親しい相手に別れを告げるかのように右手を振ったかと思うと同時にかき消える。ケビンの斧は横薙ぎに虚空を切った。


 魔物の能力である変化。

 そして魔素支配能力。

 魔王様相手であっても、一瞬でも魔力コントロールを奪えば大きな隙を作れる一例だった。



「高台に/5 逃げろ!/2 急げ!/6 」

 パークサズラムの声で我に返った白兵戦組は慌てて駆けだした。

 背後に轟音が聞こえてくる。




 エンジが魔王様とキューイを抱えて階段を駆け下りている最中、二階まで来たときにすぐ真後ろの天井が落ちた。

 魔王様を追いかけてきた魔物が力任せに建物を押しつぶしたのだ、エンジ達にダメージがなかったのはただただ運だろう。


 無我夢中で潰れかけた窓から外に出る。周囲はがれきの山で、ただ移動するのも難しい。


 急がなければ放水された水が鉄砲水になって押し寄せてくる。


 一方で魔王様墜落の原因を探していた視聴者が一部始終を見て話し始めた。

― あのネクロマンサー、/1 この行動パターンから見て/4 純愛じゃなくて/3 ストーカーじゃね?/3 とか疑ってみるテスト/6

― え?/6 ストーカーじゃないの?/3

― 消えたと思ったら/5 即再登場ってのは/2 /01 ホラーの文脈な気がする/3

― あいつだけ/1 サイコホラー/3


― びっくりしたけど/2 /7 確かに/6 竜になれるなら/5 別人にも/3 なれるかもしんねぇ/2

「え!?/6 まだこの辺に/5 居るんですか!?/2 」

 視聴者の文脈からネクロマンサー再登場の気配を察して、エンジが思わず周囲を見回す。

 非常事態なのでさすがに「エンジーうしろーうしろー」とふざける視聴者もいない。


― 大丈夫/6 たった今/5 帰った/2 多分/6

― ああいう登場の仕方されると/5 ほんとに帰ったか/3 断言できなくて/2 いやらしいんだよな……/6


― 不死者化した時の/5 後遺症で/04 人格歪んだ可能性もあるし……/2

― なんでか/6 記憶も/1 飛んでるっぽいしな/2

― 純愛か/1 ストーカーか/1 五分五分/3

― 個人的な見立てでは/5 九割九分/6 ストーカー/3

― 純愛であってほしいんだけど/3 /7 死後も/5 ストーカーに/4 くっつかれてるとか/2 腕の人が/1 かわいそうすぐる/3


 視聴者の会話を横目に、上れる場所を探すエンジ。


「坊ちゃん!/1 」

 少し向こうの建物の上階から声をかけられてエンジは一瞬すくむ。開拓者のバサップだった。


「階段を/3 作る!/2 この辺り一帯に/5 魔力浸透しろ!/2 」

「でも/7 魔物が/1 気付きます!/2 /7 バサップさんも/5 危ない!/3 」


 まだ姿は見えないが、背後の家を潰した巨大な魔物、魔法を感知したらエンジ達を追ってくるに決まっていた。


「おめーらが/1 目の前で/5 水に呑まれた方が/2 /05 気分悪いわ!/3 さっさとしやがれ!/2 」


― 本物だよな/3 ?/6

― 疑いすぎ/2

― バサップさんは/1 船の解体やってて/4 ダム建設現場とかには/5 いなかったし/2 /04 長い事/5 会ってないから/2 /04 化けようとしても/5 エンジの呼び方/3 わからないんじゃない/2 ?/6

― 信じていいよな/2 !?/6


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