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172 【開拓VRβ版実況40】 ラストバトル・不死者

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


 開拓VRゲーム。Walkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)。略称WotF。

 舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。

 開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。


 現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。


 第一定都の港湾に再び巨大な魔物が現れ、通りかかる船を襲いはじめたため、現在討伐作戦の真っ最中だ。

 しかし、そんな時に以前撃退したネクロマンサーまで現れたのだった。


「不死者……?/6 」


― どういうつもりだ?/6

― このNPCの動機は/3 ?/6

― 案外/6 会話するだけでも/2 /05 解決の糸口が/3 見えるかもしれんよ/2 /7 がんばって/6 引き延ばせ/2

― ワニと一緒に/5 暴れられたら/2 /05 大惨事だぞ/3

― あれ?/6 これ説得失敗したら/5 詰むんじゃね?/2

― 身の上話/3 聞いてみたいんだけど/2


 視聴者の分析。楽しんでいるんだか事態の打開を図っているんだか分からない。


「あなたは/1 何者なんですか……/3 ?/6 」

「……記憶がないので/4 お答えできかねます/2 」

 微笑を浮かべた無表情、口だけ動かして答えたような印象だ。感情が読み取れない。


― 記憶喪失/3

― ちゃんと設定/3 作ってもらえよ/2

― 記憶喪失が/1 設定でしょ/3


― 腕の事といい/6 断片的な記憶は/1 残ってるんじゃないの?/2

― 設定は/1 ありそう/2

― 友好的な関係は/1 無理なのか?/3 /6 /7 前に/5 エプヴィルさんとの会話では/5 力づくで奪うみたいな事/3 言ってたみたいだけど/2



「記憶を取り戻すためにも/4 街の人と/3 仲良くして/2 /7 たまに/5 街に/5 来るんじゃ/2 /01 だめなんですか?/3 」

 ゼファージースはニコニコ笑ったまま答えた。

「人の間で/5 暮らすのは/2 /05 虫唾が走りますね/2 」

「きゅいー!」

 押さえられたキューイが鉤爪の手の中で痛そうな悲鳴を上げる。

「キューイ!/1 」

 きゅうきゅうとキューイのくぐもった声が聞こえるのでまだ大丈夫そうだが、掴まって抜け出せない以上うかつなことはできない。


 エンジも慎重に探りを入れる。

「……何で/6 僕なんですか……/1 ?/6 」

「この腕に/3 合いそうな/2 体だったので/04 」

 巨大な鉤爪に変形している左腕の傍らに力なく下がっている、肩に縫い付けられた褐色の肌の人間の腕を指す。


― 体目当てだったのね!/6

 視聴者のきわどい冗談コメントに不意打ちを食らいかけたエンジだが噴き出している場合ではない。


― それだと/7 さりげなく/6 四肢/3 ぶった切る宣言されてるけど/2 /7 大丈夫なのか?/3 年齢制限的に/5

― 直接的な表現じゃないから/4 セーフ?/3

― 運営/1 表現可能範囲の/3 チキンレースしてない/2 ?/6

― 最終調整/3 追い込みなんだろうなと/2

― こいつ/1 製品版で/5 出てこれなくなるんじゃなかろうか/2

― 気になっちゃうから/4 設定消化してから/5 退場して/2


 ゼファージースは無表情な笑顔のまま少しうつむいて続ける。

「……最初は/5 気にもならない/2 ただの人間だと思っていました。/03 が/7 あなたを見ていると/5 何か/3 思い出せそうなのですよ。/2

 できれば/6 操り人形ではなく/3 意識を持ったまま/5 不死者に/3 したい/2 」


― そんなん/3 できるのは/2 /01 やっぱネクロマンサーだから/3 ?/6

― 観察対象として/4 生かしておく/2 選択肢はないのか?/3


― これ/1 腕/3 移植する/2 相手を/03 見繕ってるてこと/2 ?/6

― 断られるに決まってんだろ/2 そんな申し出/3


― 記憶喪失で/4 大切な人/3 捜してる/2 パターンじゃん/03

― 人間の時に/5 何か辛い事/1 あって/2 /04 人間/3 嫌ってる/2 やつだろ/03


― この腕/1 思わせぶりで/4 気になってる/2

― 女性のっぽいんだよなー……/3


― えー/6 何て/64 説得する?/2

― 下手な事言うと/5 キューイ/1 握りつぶされそうだし/2


― 一緒に居てあげるって/3 口説くどけば/2 /05 案外/6 納得するんじゃないの/2

― いや/6 絶対に/6 説得は/1 高難度だ/3 /7 情報が/1 足りなすぎるし/3

― 腕/3 くっつけるの/2 込みで/05 一緒に/6 居てほしいんだと思うよ/2


「え……と……/6 今は……/5 都合が/1 悪いんですけど……/3 」

「私は/1 この機会を/3 逃す気は/2 /01 ありません/2 」

 時間稼ぎや別の機会という言い訳は通じそうにない。


― てゆーか/6 あと数十分で/5 強制ログアウトなんだけど/2 /7 これ/3 承諾したら/2 /05 どうなるの?/6

― 意識を持ったままでって/3 言ってるよ?/2 /7 初期状態不死者の/9 レアキャラになるんじゃない?/3

― 悪くて/5 ロスト/2 /7 よくて/5 製品版で/5 不死者として/5 復活ではなかろうか?/2

― そうなるぐらいなら/5 今は/5 自滅して/2 /04 拠点のイオナさんの農園に/5 逃げちゃうのも手じゃね?/2 /6

 このまま殺されると/5 ロストして/2 /7 製品版では/5 不死者化したエンジの体に/5 ドッペルゲームの偽エンジが/1 入ってるかもしれねーよ/2 ?/6

― うわ/6 ソレコワイ/6

― うわ/6 ドッペルゲームの偽エンジ/1 ありそう……/2


 エンジは自分の横の窓をちらっと見た。

 ここは三階、貴族が飛び降りれば間違いなく帰還魔法が発動する。


 ゼファージースの鉤爪の左手の中からキューイがひょっこり顔だけ出した。ゼファージースの口が動く。

「あなたは/1 帰還魔法で/4 離脱できますが/2 /7 この子は/1 どうでしょうね?/6 」

「きゅっ?」


― ……やっぱ/6 NPCの演算人格が/1 高度過ぎない?/3

― 視線だけで/4 エンジの意図/3 読んだ/2 ?/6

― 中に/5 人が/1 入ってる?/2

― 俺らのコメント/3 見えてね/2 ?/6

― プレイヤーの視線への反応は/1 意図を読むNPCには/5 必須だぞ/2 /7 こいつはエネミー系だから/4 攻撃対象とかを/3 読むために/2 /04 載ってるはず/2


― 帰還魔法を/5 逃走経路と/3 認識してれば/2 /05 まぁ/6 そういう反応するかなぁ……?/2

 ちょっと/6 びびったけど/2

― キューイが/1 交渉の手札になるって/03 認識してるのは/2 /01 どういう処理なんだ?/3

― プレイヤーの持ち物から/5 優先順位に順位をつけて/4 秤にかけてくのは/2 /01 アイテム取引交渉の処理と/3 近そう?/6

― 単純に/6 好感度があって/5 一番近くに/5 居た/2 NPCを/03 人質にするのかも/2



 その時、かなり大きな揺れとともに壁の一部が崩れ、壁のすぐ向こうを巨大な影が歩く。

 巨大な魔物は近くに来たものの、幸いエンジ達にはまだ気づいていないようだ。

 パークサズラムの通信が入る。

「すまん/6 魔物が/1 うろついてて/2 /04 狩猟者達が/1 中に入れない。/2

 もし/6 建物の中まで/5 追ってこられたら/2 /05 建物ごと/5 破壊されるだろう/2 」

 そうなったら上階に居るエンジは間違いなく瓦礫に巻き込まれて帰還魔法が発動する。そうなったらキューイは……


 追い打ちをかけるようにゼファージースが一歩進んでくる。

「さて/7 この子を/3 見捨てて/2 逃げないのであれば/2 /05 私の目を/3 見て/2 お答えいただけますか?/2

 今/5 了承してくだされば/2 /05 この子は/3 見逃してあげますよ/2 」


― 不死者の魔眼って/1 吸血鬼っぽい能力だけど/3 /7 日中に/5 効くの/2 ?/6

― 多分/6 効く/2 /7 魔王様は/1 日中も/5 目/3 逸らしてたし/2

― 次の朝日まで/5 ダウンという/2 厄介な状態異常/03 

― 数秒/5 目を合わせただけで/2 /05 最大八十分/5 行動不能って/2 /01 しんどくないか?/2

― そもそも/6 不死者が/1 珍しいからな/3

― まぁ/6 遠いとこで/5 死んだら/2 /05 復帰まで/5 平気で/6 数時間/3 かかるからな/2 このゲーム/1



 断続的な揺れが続く、このままだとまかり間違って崩れた建物の下敷きになるか巨大な魔物の攻撃に巻き込まれてキューイを見殺しにする可能性が高い。


 エンジはキューイをじっと見る。

「キューイ……/1 」

「きゅ!?きゅるー!きゅーい!」

 エンジの決意を見て取ったのか、キューイが懇願のような鳴き声をあげる。


 エンジはゼファージースの目を見る。

「キューイを/3 見殺しにはできません/2 」


 ゼファージースが思惑通りの展開に口の端をゆがめた途端、すぐにエンジから目をそらした、というより左肩を見た。


 なぜなら左肩に大ダメージを受けたからだ。

 強力なダメージエフェクトが閃き、消えた。

「ぐ……/6 」

 ゼファージースが小さく呻いて切り落とされた左腕から一歩後ずさると、その背後に立っていた人物の影が見える。


「やめておきなさい/2 /7 仲間を/3 増やそうなんて/2 魔物は/01 ろくなものじゃないよ/3 」

 ゼファージースの後ろから声が聞こえた。


「魔王様!/1 」

「きゅーーい!!」

 頭に動物の骨を被っている、霧の森の魔王様だった。切り離されてなお掴みかかろうとしている左腕からキューイを救出している。



「エンジ/1 キューイ/1 久しぶりだね/6 /7 そなたらも/1 元気で何より/3 /7 えーと/6 そなたは/1 会ったっけ/2 ?/6 」


「その腕……/1 大事なものなので/3 /04 返していただけます/2 ?/6 」

「え?/6 そうなの?/6 ごめんね/6 キューイを/3 抑えてる/2 腕と/01 一緒に/6 あったから/2 」


― 四肢欠損表現って/5 年齢制限/1 なかったっけ/2 ?/6

― 人じゃなければ/5 セーフ/3

― 魔物で/5 血が/1 出てなければ/2 /05 セーフ/3

― 十二歳以上推奨ぐらいだったかな?/3

― 意味が分からんな/3



 左腕を返されたゼファージースは、エンジとキューイを庇うように立つ魔王様をしばらく睨みつけたが。


「……腕の報復は/1 別の機会にしましょう/3 /7 あなたは/1 手強そうだ/3 」

 と、捨て台詞を遺しておそらく魔物特有の変身能力を応用したのだろう、溶けるようにかき消えた。


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