171 【開拓VRβ版実況40】 ラストバトル・潜入
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。
第一定都の港湾に再び巨大な魔物が現れ、通りかかる船を襲いはじめたため、現在討伐作戦の真っ最中だ。因縁のせいか、エンジが目の敵にされて追い回されている。
「僕/1 ステルスアクション/3 苦手なんですよね/2 」
― エンジは/1 アクション全部/3 苦手だろ/2
― キューイが/1 優秀だから/3 /04 がんばってくれ/3
視聴者につっこまれる。
実のところキューイは非常に優秀なナビゲーターだった。
大きくなったキューイは、魔物の瘴気から生まれたトカゲが街中を這い回り、エンジに向かって突進してくるたびに蹄で踏みつけてサクサク倒していく。
「きゅーい」
キューイは今も小さな体に戻ると地面の近くにある壁の割れ目から家の中に入れる場所を見つけた。
エンジが潜り込んでいると、パークサズラムの一斉通信が聞こえてきた。
「水路が一部/1 崩落している。/2 /7 放水と魔物の魔法で/4 街に/5 水が/1 流れ込むことが/2 /03 想定される。/2
放水が開始されたら/5 二階以上の高さのある/9 頑丈な建物に/5 避難してくれ/2 」
結界の維持の都合で動ける範囲が制限される中、エンジは崩落して見通しの良くなった路上を避けて、崩れた壁から川沿いのテラスハウスに侵入、三階を通って魔物ギリギリに近づくことができた。
廊下の端の窓から相手の姿を確認する。
エンジが魔物の周囲の瘴気を取り除くと狩猟者、開拓者が攻撃に移る。
あまりにも大きな魔物だが、色付きのダメージエフェクトが飛んでいる所を見るとどうやら効いているらしい。
爆発も起こっているので魔法や無反動砲みたいなのも投入されているのかもしれない。
艦砲射撃の方は魔物が動き回るので命中率が低下し、想定以上の弾薬を消耗している。
最終的には狩猟者頼りになる可能性が高いので、できるだけ狩猟者達の消耗を抑えるべく瘴気を無効化していきたいところだ。
― 相手の瘴気を/3 利用して/2 /04 ボーンと/6 燃やせないの/2 ?/6
「相手の近くに/5 漂っている/2 魔力は/01 相手のものなので/3 /04 ちょっと/6 複雑な事をしようとすると/2 /05 相手に/4 主導権を/3 奪い返される感じです/2 」
― 干渉して/2 引っ張りはがすのが/2 /01 限界なのか/3
― 魔素支配能力は/1 距離に反比例する?/3
「キューイ/1 瘴気/3 いりませんか/2 ?/6 」
「きゅう」
その時、エンジがそばに浮かべていた瘴気の塊がフッと掻き消えた。
「え?/6 」
― ん?/6
― まだ/6 キューイ/1 食べて無くない/2 ?/6
背後にぞわぞわした気配を感じて振り返る。
キューイが廊下に面した一室に耳をそばだて、大きな体に変化した。
「キューイ?/1 」
キューイはそのまま一室に向かって低く唸り続けている。
カチャリと軽い音がして扉が開く。そこから姿を現したのは予想外のNPCだった。
「!!!? あなたは/1 お化けの……!/3 」
エンジは後ずさろうとするものの、背後の壁に強く背中を押し付けただけだった。
「きちんと/6 ご挨拶するのは/2 /01 初めてでしたか/3 エンジさん/1 /7 不死者にして/3 ネクロマンサー/3 ゼファージースと/3 申します/2 /7 以後お見知りおきを/6 」
ボロボロのローブと淡い色素の体に左腕だけ褐色。
― 何で/6 居んの!?/2
― エンジ/1 あんまり見るなよ/2
「そうでした!/3 」
慌てて目をそらすエンジ。
「おや/6 嫌われてしまいましたか?/2 」
いけしゃあしゃあと軽口を叩くゼファージースだが、以前この能力でエンジを誘拐している。
長く目を合わせると気を失う、そのまま倒されると不死者になる。
一対一での初見殺し能力、それが不死者の魔眼だった。
「パークサズラムさぁん……/1 お化けのボスが/1 来てます……/2 」
「聞こえてる/2 /7 今/5 戦力を/3 送るから/2 /7 時間を/3 稼いでくれ……/2 」
エンジが小声の通信でSOSを発すると、パークサズラムが緊張した声で返してきた。救助が来るのは遅くなりそうだ。
相手は構わず一歩一歩近づいてくる。
「ぐるるぁ!」
キューイが突進した。
しかし、相手も魔物。噛みついたと思った体は変形し、逆に左腕に現れた巨大な白い鉤爪の手がキューイを鷲掴みにする。
「がるるるる!」
暴れるキューイをものともせず抑え込んだゼファージースはエンジに向き直る、と、その隙をついてキューイが小さい姿になり、鉤爪をすり抜けた。
鉤爪を蹴って素早く脱出するキューイ。
― よし!/6
― 縄抜け/6
「きゅーー!!」
しかし、相手の動きは想像以上に素早く、あっさりと空中で捕まってしまう。
今度は完全に巨大な手の平にすっぽり包まれていて、力を加えられたら握りつぶされてしまいそうだ。
きゅーきゅーくぐもった声が聞こえる。
「キューイ!/1 」
焦るエンジに、ゼファージースが改めて向き直った。
「さて/6 エンジさん/1 不死者になる気は/3 ありませんか/2 ?/6 」