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170 【開拓VRβ版実況40】 ラストバトル・避難

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


 開拓VRゲーム。Walkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)。略称WotF。

 舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。

 開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。


 現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。


 第一定都の港湾に再び巨大な魔物が現れ、通りかかる船を襲いはじめたため、現在討伐作戦の真っ最中だ。



 魔物に迫りゆく無数の砲弾、そして空を飛ぶ燃え盛る船。


― そうは/1 ならんやろ/2 /06

― 当たりゃ/5 いいんだよ/3


 視聴者のツッコミももっともだ。



 数十秒前の事。

 火の点いた船は洋上を加速し、魔法によって大きくうねった波の坂を駆けのぼる、折よく船底の爆発によって飛び上がった。

 船体と火薬は惜しげもなく魔物に向かって吹き飛ぶ。



 現在、船体自体が強力な質量兵器となり、最大出力を出していた蒸気機関は水に接触して水蒸気爆発を起こし、積まれていた火薬は一緒に打ち込まれた砲弾とともに巨大な火柱の一部となっている。


― どっかで/5 見た/2



「よぉおし!/6 当たった!/2 」

 そう、火災で継戦不能になったこの船。

 乗組員を退避させた後、サリーリルカの海流の操作によって誘導され加速、水面に起こした波と爆発によって吹き飛ばし、浅瀬に追い込んだ標的に激突させようという突発的な作戦に組み込まれた。


「まさか/6 うまくいくとは/3 思わなかった/2 」

 パークサズラムもそんなことを言っている。


 船に乗っていた怪我人たちは既に脱出し、無事にウォンバーネフの組織した医療部隊によって治療を受けているようだ。



「狩猟者達によると/4 HPは/1 半分まで/5 減ったようだ。/2 これなら……/5 」

 そこまで言った所でエプヴィルは目を疑った。

 炎の中からゆらり立ち上がった影がある。


― 二足歩行に/3 なった/2

― こいつ/3 作った/2 人/01 絶対/6 怪獣映画/3 好きだろ/2

「これ/1 街に/5 来ますよね!/2 」


「狩猟者!/1 足止めを/3 頼む!/2

 エンジ!/1 魔物が/1 街に/5 入ったら/2 /05 壁を/3 作ってくれ!/2 逃がすな!/2 」

「学者!/1 砲撃の再計算/3 頼む/2 」


 楽隊は狩猟者達用の突撃のテーマを奏で始める。


 エンジ達の動きを知ってか知らずか、魔物は川を上ってきた。砲撃から逃げようとしているようだ。



「魔物が/1 街に/5 入り込みました!/2

 逃走防止用の防壁を/3 展開しますわ!/2 皆さま!/1 」

「エンジ!/1 魔物の瘴気を/3 奪ってくれ!/2 /7 狩猟者が/1 近づけない!/2 」

「うわぁ/6 急に忙しくなってきた/2 」

「きゅーい」

「いや/6 壁を/3 作るのが/2 /01 先だ/3 /7 準備ができた!/2 砲撃する!/2 」

「分かりました/2 」

 演奏が砲撃のテーマに変わる。ミルフマも大変だ。


― がんばれー/6


 魔物の逃亡を防止するため、街の中にもう一つ結界が展開される。


 一方の魔物は周りの変化に頓着せず、川底をさらした河口の中を進む、橋に差し掛かると力づくで通ろうと腕や脚や口で力をかけ始めた、徐々に橋が変形していく。


 まだ遠いもののはっきり見える魔物の姿に、エンジも思わず窓から少し引っ込んだ。



― 堤防作っても/5 壊されてたな/2


 橋で動きが止まっていた魔物に砲撃が降り注ぐ。

 若干前後左右にばらけている。数軒向こうの家に落ちた砲弾の土埃がエンジのところにまで届いた。


「うわぁ……/6 」

「エンジ/1 そこから/5 離れてくれ。/2

 命中精度が/1 悪い/3 /7 誤爆もあり得る/2 」

「分かりました/2 でも/7 瘴気を/3 回収しないと……/2 」

 狩猟者が瘴気に阻まれて攻撃に参加できないと時間当たりのダメージ量が激減する。


 エンジが瘴気を回収しようと魔力に干渉した時、いつものぞくっと背筋を走る狙われている気配を感じる。

 巨大な魔物がはっきりこっちを見ていた。


「きゅい!」

 エンジより早く動いたのはキューイだった。

 大きな姿に変化すると、エンジの首の後ろの襟を咥えて開いた窓から飛び出し、ヤギかと思うような身軽さでわずかな壁の出っ張りを踏み台に屋根に駆けあがり、魔物と反対方向の建物に飛び移っていく。その間にエンジを背中に放り乗せた。


 エンジがキューイの背中から振り返ると、魔物は大きく跳躍してこちらに飛び込もうとしている所だった。



 一方、魔物の近くではダグザドルとザスフームが魔物の予備動作に気付いた。

 とっさに変形魔法で橋の一部をワイヤーロープに変えて魔物に引っ掛ける。

「皆!/1 」

 狩猟者達も心得たもので、橋やワイヤーを掴んだ。普通だったら怪獣にくっついたワイヤーを集団で掴んだところで引っ張られて宙を舞うだけだが、彼らは普通ではない。


「どぶ川に/5 落とされた/2 借り!/03 返すぞ/2 おらぁ!!!/6 」

 以前網を引き負けて河に引きずり落とされたイグドナが腹の底から声をあげた。


 その甲斐あってか、渾身の力で跳躍しようとした魔物はワイヤーロープに引っ掛けられて派手に地面に叩き付けられた。

 しかし、その時の衝撃で飛んだ小石が、キューイに運ばれた先のエンジにも降ってきたのだから、あのままで居て突っ込まれていたらどうなっていたのか分からない。


― エンジ/1 魔物に/4 好かれるねぇ/2

― やっぱり/6 食いでのあるスライム扱いなのか/3 ?/6

― 恨み晴らさでおくべきか/2 って感じなんじゃない?/6


 あの魔物が第一定都の河と西の大河に現れた魔物と同じだった場合、エンジの手によって散々な目に遭っている。

 向こうが襲ってきたのだから自業自得ではあるのだが。


「とにかく/6 距離を/3 とって/2 /7 安全なところに/5 身を隠してくれ。/2 結界の維持範囲から/5 出ないように頼む/2 /7 かけ直しはできないそうだ/2 」

 パークサズラムに促され、慌てて地図を確認するエンジだった。




 一方その頃のイオナは第一定都から西に少し離れた地点に居た。

 ダムの様子を見守っていた開拓者や学者から絶え間なく連絡が入る。

「姐さん!/1 ダムの貯水率/1 80%!/3 」

「計算していたのより早いわ/3 パークサズラム/1 /7 雪解け水で/4 増水しているのかも/2 」

「ギリギリまで/5 持ちこたえてくれ/2 /7 水路が/1 壊れているし/2 /7 魔物も/1 既に街中に居る。/5 放水にしても/5 決壊にしても/5 どの道/6 第一定都に/5 被害が出る/2 」

 そう、この作戦のために上流に急ピッチでダムを建造し、水をせき止めたのだ。


「じゃあ/6 今更/5 新兵器/3 投入しても/2 /05 文句/3 言われないねー/2 」

「途中で/5 水路に/3 ぶつけそうだから/2 /04 悩んでたんだよね/2 」

 いそいそとフーガスとパムーリンズが準備を始める。


「あなたたち/1 本当に/6 やる気?/2 /7 途中で沈没した時のために/5 伝言があるなら/5 今/5 教えてちょうだい/2 」

「大丈夫だよ!/3 ベータ版終わっても/5 会えるって!/2 」

「お嬢の分まで/5 でっかいやつの横っ面/3 叩いてくるよ!/2 」



「待つしかないというのも/2 /01 歯がゆいものだね!/2 」

 フーガスとパムーリンズの準備を見守るイオナにウォンバーネフが声をかける。



 ウォンバーネフとイオナ、二人の役目は汽車の管理と後方支援。

 第一定都が負けた場合は脱出のため、勝った場合は救援のためだ。


「ウォンバーネフも/1 横っ面叩いてきたかったかしら?/2 」

「私が/1 狩猟者なら/3 /05 そうするべきだね!/2

 しかし/7 やるべきことが/1 人によって/4 違うのが/3 /01 このゲームだよ!/3 」


 現地で治療しきれなかった怪我人が到着し、ウォンバーネフは治療に向かった。


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