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17 【開拓VRβ版実況5】 大学に行く

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


 開拓VRゲーム。Walkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)。略称WotF。

 現在、不具合や説明不足をチェックするためにベータテスターに実況を推奨している。


 前回のエンジの実況では、開拓者ギルドと自分の会社の取引も一段落したので町の外に行ってみた。

 町の外に一人で出たエンジは、狼に体当たりを食らってあえなくゲームオーバーになったのだった。

 

「お/6 ノチリスノイラの坊主/1 生きてたな/2 よしよし/6 」

 開拓者ギルドに顔を出せばギルドマスターのラッタマーシさんに軽口を言われる始末。

 よく倒されるプレイヤーは街の人に覚えられたりしてしまうのだろうか……。

 

 一応、新しく飼う事になったお馬さんに道を覚えてもらうために開拓者ギルドと会社に顔を出したりしてみたが、会社でも報告書を見れるだけで特にやる事は無かった。

「エンジ様/1 先日商店を襲った強盗団は/1 いまだに/6 捕まっていないそうです。/2

 十分にお気を付けください/2 」

 まさかの秘書のエオフォンファードさんにまで小言を言われてしまった。



― 変なフラグが/1 立った予感がするな/2

― 別のフラグ/3 立てに/2 /04 大学に/3 行かない/2 ?/6

― 学園編/1 スタート/2

― 授業内容が/3 気になる/2 


 今回の視聴者の関心は、前回の実況で出てきたこの街、第一定都にある大学の様だ。

 どのみち他にやることが無い。



 今、エンジがお馬さんと一緒に立っているのは石造りのへいに囲まれた建物の門。


― 大学/1 ここ/3 ?/6

― ちょっと大きい/9 小学校って/3 感じ/6

― 思ったより小さかった/6

― 欧米の大学って/1 町一つ分ぐらいあるイメージ/3

― 君たち/1 、/7 ここは/1 開拓されたばかりの/5 ちょっと大きいだけの/6 街やぞ/03



 帽子を手に持ち、大きな窓ガラスの廊下をきょろきょろしながら最初に学長にあいさつに向かう。

 歓迎してくれた学長は赤紫の肌で柔らかいウェーブのかかった明るく落ち着いた茶色の髪、額に小さな角があって耳が大きく、眼鏡をかけたくりくりした目、温和な顔をした子鬼っぽい姿だった。

― ゴブリン?/1

― 妖精?/1

― 色んな種族が/1 居るのね/2

― 人間は/1 多いよな/2

― 開拓者ギルドのギルドマスターも/5 あれ/1 自前の角/3 だったんかな?/6

― ギルマスの種族/1 なんだろね?/6


 アロイハッスド学長。ちなみに女性。


 学長に校内を案内してもらいながら説明を受ける。

 学生の多くは開拓業やフィールドワークに従事していて居たり居なかったりするらしい。


― 自由な校風だな/1


 学長に案内されて手近な教室に入ってみた。


― 階段教室だ/1 

― 鉛筆と/1 万年筆/1 あるんだ/2 /7 羽ペンと/3 インク壺とかだと/3 思ってた/2

― あの四角い木のチョークみたいなの/1 鉛筆!?/3

― 現代風のが/1 大量生産されるのは/2 /01 十九世紀後半だけど/5 /7 鉛筆は/1 あるぞ/2

― 獣人さん/1 多いね/3 

― この教室/3 見る限り/2 /05 人種差別/1 少なそうな/3 世界っぽいので/03 よき/8

― それでも/7 ほとんどは/1 変哲のない人間だよな/3

― 人口比じゃね?/3

― エルフと/1 ドワーフっぽいのも/1 居る/2


― こうして見ると/5 開拓者ギルドの/5 狩猟者三人組の/6 ……べクロー/01 だっけ?/6 ドワーフなんじゃね/3 ?/6


― 意外と/6 席/1 空いてるな/2 

― 新大陸の/9 新興の街なんだから/04 そこまで/6 生徒数/1 多くないでしょ/6

― 今さっき/5 開拓や/3 フィールドワークに/3 出てる/2 子も/01 居るって/2 /03 言ってたし/2


― 黒板って/1 昔から/5 あったの/2 ?/6

― 十九世紀初めに/5 教室の前に/5 でっけぇ/6 黒っぽい/6 粘土製の板を/03 設置したのが/2 /01 最初だったような/5


 教室の後ろの方に居た女の子たちがエンジを見つけて顔を見合わせた。見慣れない男が学長に連れられて教室に入ってきたからだろう。

 会釈をしてみると慌てて会釈を返してきた。


「学長先生/1 、/7 そちらの方は/1 ?/6 」

 体が大きく下顎の牙が立派な男子学生が近づいてくる。オーガだろうか?


「授業の見学に/3 来られています/2 エンジさんです/01 」

「今後も/5 たびたび/6 お邪魔する事になると/2 /03 思います。/2 エンジと/3 言います。/2 よろしくお願いします/6 」


 男子学生は牙をむいてにっこり笑う。

 立派な牙と三メートル近くある身長のせいですごみがあるが、緑の肌、白髪を後ろに撫でつけた紳士然としたオーガだった。

 ミーレ君というらしい。


 教科書は見ますか?とか、今日の授業はテリューナル教授ですから前に座った方が良いですよ。とか親切に色々案内してくれる。


― 学園物の/9 転校生の隣の席の/9 世話焼き/9 ヒロイン/1 やんけ/2

― ???「教科書、一緒に見よ!」/6

― しかし/7 男で/3 オーガだ/3


 その一方で、自分は体が大きいから、と前方の隅っこの席を使うような広い気遣いを見せる。

― 何や/6 このオーガ/1 かわいい/3

 エンジも手に持っていた帽子を膝の上に置いた。



 教室に何人か人が入ってきた。

 教壇の側に脚立などを設置しているところを見ると授業の準備をしているようだ。


― ?/6

― 実験でも/3 やるのかな/2 ?/6


 そこに登場したのは、1メートルあるかないかというおじさんだった。立派な口ひげ、広ーー…いおでこと黒い髪、黒い背広のような服を着ている。

― 小人さんか/1 

― 教授/1 小人なんか/3 


― ほんとに/6 色んな人種が/1 いるな/2

― こんだけ/6 体格が/1 バラバラだと/6 /04 産業革命/1 お得意の/3 大量生産が/01 難しいんじゃなかろうか/3 ?/6


― それで/4 ちょっと/6 まったりした世界なのかな?/3



 教授は黒板に複数の円。集合図を描く。

 なるほど、身長のせいで黒板に書ける範囲が限られるので必然、字が小さくなる。

 ミーレ君が前に座るように言ってくれるわけだ。



「この世界は/5 多くの物質が/1 循環し/2 、/7 物を/3 形作っています。/2

 水素、/1 炭素、/1 酸素、/1 窒素、/1 硫黄/1 フロギストン……/1 」


― フロギストン!?/1

― フロギストンじゃないか!/1

― フロギストン!/1 18世紀に/5 死んだはずでは!?/2

― 十八世紀要素/3 把握/2

― フロギストンって/1 何だっけ/3 ?/6


― リアル18世紀ごろ/5 元素の事が/3 分かってくる前、/2 /05 燃焼の/9 原因物質が/1 ある/2 と/03 思われてた/2

― 今は/5 否定されてるけどな/2


― 木は/1 燃えやすいから/2 /04 フロギストン/1 たっぷり/3

 陶器は/1 燃えにくいから/2 /04 フロギストン/1 少ない/3 

 灰は/1 燃えないから/2 /04 フロギストンが/1 出ていった/2 後の物質。/03 という考え/03


― 金属の精錬では/5 木のフロギストンが/1 金属灰に/3 くっついて/2 /04 金属が/1 光沢を/3 取り戻すと/2 /03 考えられてた/2

― そのせいで/4 金属灰は/1 金属酸化物/3 って所に/05 たどり着くには/2 /05 発想の転換が/1 必要だった/2


― 「金属灰に/5 何かが/1 くっついて/2 /04 金属に/3 なるなら/2 /04 金属灰が/1 金属より/6 重いのは/2 /01 何でなん?/6 」って/03 反論した人は/2 /01 居たよ/2

― その時は/5 「フロギストンが/1 めちゃ軽くて/3 /04 復活した金属が/1 ちょっと/6 浮くから/2 」みたいなこと/03 言われて/2 終わったよね/2

― 架空の物質は/1 マジでもうあいつ一人でいいんじゃないかなぐらいに/6 万能な性質/3 くっつけ放題だから/2 /04 駄目/3

 

― 金属灰を/3 熱した時に/2 /05 出る/2 気体を/03 水上置換法とかで/4 集めて/2 調べたら/2 /04 酸素が/1 見つかったでござる/2

― 化学史上/5 かなり重要な/3 発見だったのに/2 /7 何で/6 ここから/5 酸化物の発想に/3 行かなかったのか/2

― 炎が/1 再生を/3 司る/2 っていう認識が/01 強固だったから/3


― 化学の授業で/5 水上置換法が/1 やたら/6 アピられるのは/2 /01 そのせいだったの?/4

― 教科書って/1 たまに/6 限界オタクの自分用DVDみたいな様相を/3 呈するよね/2 /7 宇宙空間爆発シーン集とか/3 ドラマの年代物の自動車登場シーン集みたいな/3

― 背景知識/1 ないと/2 /05 ぜんっぜんおもしろくないやつ/3 わかる/2

― 日本は/5 教科書からして/1 オタク向きなのか!/3 /7 大変だな!/3


― 十年位前から/5 自由採択制に/3 なったから/2 /04 今は/5 それほどでもないよ/3

― 教員により/5 ピンキリである/3


― いやでも/7 水上置換法の話/3 聞いたとき/2 /05 考えた人/1 頭いいなって/03 思ったじゃん/2

― むしろ/6 最近/5 不遇なのは/1 炎色反応。/3 /7 昔は/5 鉱山の鉱石に/5 含まれている/2 成分を/03 分析する/2 方法の/09 一つだったって/3 教えてないらしい/2

― 知らなかった/2

― 言われてみれば/5 そういう風にも/3 使えるよなって感じ/2



― 前々から/5 思ってたんだけど。/2

 金属灰が/1 実は/6 フロギストンが/1 頑固に/6 くっついた/2 状態ですって/03 認識されてたら/2 /05 フロギストン=現在で言う酸素として/3 生きながらえた可能性あるって事/2 ?/6


― 名前だけなら/5 ワンチャンある?/6


― その後の/5 科学的な検証が/1 どう/6 進んだか/2 /03 想像がつかん/2

― フロギストンは/1 燃焼の元って/3 想定だったからな。/2

 元素と/3 燃焼を/3 同一視してたら/2 /05 化学の進歩に/5 どんな/6 影響を/3 与えたか/2 /01 分からん/2

― それを/3 やらかしたから/2 /04 化学の進歩が/1 百年/5 停滞した/2 ってのは/01 たまに/6 言われてる/2 /7 >元素と燃焼を同一視/3


― なお、/7 フロギストン支持者、/1 なぜか/6 燃えない/9 窒素を/5 フロギストンで/4 飽和した/2 空気として/01 フロギストン化空気。/3

 燃焼を/3 助長する/2 酸素を/05 フロギストンを/3 受け取ろうとする/2 空気として/01 脱フロギストン空気と/3 名付けた模様/2

― 窒素/1 燃焼反応に/5 ほぼ関係なくて/2 /04 笑う/6


― 新しく/6 発見された/2 /09 水素/3 酸素/3 窒素の/3 解釈に/2 /05 苦労した/2 痕跡やぞ/03

― 気体が/1 新しく/6 発見されてる/2 時代/05

― 後出しで/4 パズルのピースが/1 追加されるようなもん/2


― 全部揃ってるか/3 分からない/2 パズルのピースで/04 形のわからない完成形を/3 組み立てる/2 作業だったからな/03 当時の/5 化学/1

― フロギストン支持者だった/9 酸素の発見者を/3 後世の学者が/1 評して曰く/2 /7 『最後まで/5 娘の事を/3 理解できなかった/2 近代化学の父/01 』だそうだ/3

― 化学ちゃん……/1

― 何か切ない/3



「……では、/6 この辺りの理論は/1 魔導力学の分野/3 なので/47 割愛させていただきます。/2

 授業を/3 終わります/2 」


 授業が終わり、エンジの隣のミーレ君はテリューナル先生に質問しに黒板の方に行った。


「……皆さんのコメントを/3 見てたら/2 /7 教授の授業が/1 終わっていたんですが/2 /7 どうしましょう/2 」


― はあぁ!?/6

― エンジは/1 授業/3 聞いてない/2 と/03 ダメだろ!/6

― 視聴者は/1 割と/6 でたらめ/3 混ぜてるから/2 /04 無視した方が/2 いいぞ/8

― エンジ/1 めっちゃ騙されやすそうだから/3 /7 不安になる/2

― 何かいい話風に/3 まとめた/2 デマとかに/03 引っかかりそう/2


2019.12.26 一部表現追加、変更


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