167 【開拓VRβ版実況39】 大規模攻勢準備中
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。
第一定都の港湾に再び巨大な魔物が現れ、通りかかる船を襲うようになった。
「住民を/3 一時的に/5 こちらに/5 受け入れるのは/2 /01 問題ないわ。/3
これから/5 暖かくなるから/2 /05 高地や/3 北西の平原の/3 開拓に/2 /03 回ってもらってもいいかもしれない/2 」
パークサズラムとの連絡を終えて、イオナは窓の外を眺めた。
イオナの農園は賑わっていた。
汽車が増発し、人や物が行き交っている。
汽車に乗って西の河港に向かう人たちもいるが、第一定都に向かう汽車はガラガラに空いている。
住民が戦場になる予定の第一定都から避難しているのだ。
第一定都の港湾に再び巨大な魔物が現れ、通りかかる船を襲う。
しかし、そんな中、エンジ達は第一定都上流の工事をしていた。
ここは川沿いの工事現場。
「他の計画は/1 うまくいきそうにないのかしら?/3 」
イオナの問いかけに、キューイを連れて工事現場に来ていたエンジが答える。
「エプヴィルさん達が/1 水中の魔物に/5 爆撃を/3 試みたのですけど/2 /7 爆発の方向が/1 変えられてしまいました/2 」
「きゅーい」
― 変えられたっていうより/6 衝撃波を/3 反射された。/2 /7 まともに喰らったら/5 船/1 沈むよ/2
視聴者が補足する。
「厄介ねぇ/3 」
「この計画を/3 進めざるを得ないと/2 /03 思います/2 」
二人は少し悲し気に工事現場を見上げた。
「第一定都の魔物は/1 まだ/6 しばらく/6 居るのかしら/2 ?/6
船が/1 通らなくなったら/2 /05 どこかへ/5 移動してしまったりはしない?/2 」
「第一定都の海底に/5 たまった/2 ヘドロのせいで/04 瘴気は/1 充分にあるみたいなんです。/2
先生たちの/4 見立てでは/2 /04 船を/3 襲うのは/2 /01 おやつのつもりか/3 縄張りのアピールではないかと/3 」
「きゅい、きゅ」
キューイはどことなくおやつという言葉に反応した節がある。
エンジが開拓者に呼ばれる。
「坊ちゃん/1 こっちに/5 魔力/3 頼む/2 」
「はーい/6 」
「きゅーい」
とにかく、川上でこうして工事にバンバン魔法を使っている事が、さらに土砂に魔力を大量に与えているらしいので、よっぽどのことがない限り魔物は動かないだろう。
非常事態であることと、戦闘用の魔石が大量に必要になる事もあって、魔石節約のためにエンジも工事に駆り出されている。
「なるほどね/7 第二定都や/5 北西の街は/5 復興のために/4 餌になりそうなもの/3 全部/6 片づけちゃったものね……。/2
西の河港と/5 うちは/5 ゴミ処理システムは/1 早めに/6 構築したから/2 /04 川に/5 流れては行かないし。/2
第一定都の汚泥を/3 後回しにして/2 /01 よかったのか/3 悪かったのか/3 分からないわね/2 」
「何事も無ければ/5 汚泥は/1 ジェンシールさんの処理場に/5 運んで/2 少しずつ/6 処分してもらう予定だったんですが……/2 」
「何事もないどころか/6 とんでもない事が/1 起こっちゃったわね/2 」
― 魔物としても/5 消去法で/4 第一定都なのか/3
― 貴族が/1 死んだせいかもしれんけど/2 /7 瘴気に惹かれて/4 いつかは/5 来たっぽいな/2
― サケやウナギみたいに/6 元居た川に/5 戻ってくる/2 魔物/01 じゃなかったのか/2
視聴者はこう言うが、魔物が回遊してきてはたまらない。
しかし、肝心の魔物が第一定都から離れてしまっては、この大規模な仕掛けが泣くというものだ。そういう点では魔物が第一定都に定着して動かないでいるのはよかったのかもしれない。
「ほとんどの住民の/3 避難は/2 /01 済んでるわ。/2
エンジも/1 早く/6 こっちに/5 拠点を/3 移してちょうだい。/2
いつ/5 魔物が/1 街を/3 襲いださないとも限らないのだから/2 」
「そうですね……/6 」
「それにしても/6 第一定都に/5 大堤防を/3 作りたいものだけど……/2 」
「水を/3 防ぎきるには/2 /05 魔力も/1 資材も/1 時間も/1 足りなかったんです/2 」
― 余裕が/1 できたと/2 /03 思ってたけど/2 /7 災害一発で/4 一気に/6 カツカツになるなぁ……/2
今日の分の工事が終わり、エンジは夜暗くなる前に汽車で第一定都に帰ろうと駅にいた。
避難が始まっている第一定都に戻る人は少ない。
「明日は/5 南の灯台の/3 補強ですね/2 」
「きゅい」
「嫌じゃないですけど/2 /7 緊張するというか/3 /7 戦いが/1 迫っている/2 感というか/03 」
「きゅ」
― キューイと/3 会話が/1 成立している……?/2
― ラバーダッキングに近いような……/3
駅のホームに居たエンジ達は西の河港から到着した汽車の機関室から声をかけられた。
「エンジさーん/1 」
「ミルフマさん!?/1 」
「きゅーーい」
なんと、汽車の運転席に乗っていたのはミルフマだった。
ドレスではなく、かっちりとした車掌服に帽子をかぶり、髪も結わえて帽子の中にしまっている。
― なにそれかっこいい/3
背の高さも相まってとてもかっこいい。
「エンジさんも/1 こっちに/5 乗ってください。/2
おしゃべりしながらいきましょう/2 」
ミルフマが機関室に招く。
「いきなり/6 最大火力の貴族二人/3 護衛する/2 身にも/03 なってくださいよ/2 」
「護衛するなら/5 まとまっててくれた方が/2 /01 助かるじゃん。/2 エンジさんも/1 こっち/5 来なよー/2 」
一緒に居たのはイドレードとイグドナだった。
「きゅーーーい」
汽車が好きな事もあってか、先頭に乗れてご満悦のキューイだ。邪魔にならないようにエンジが抱っこしている。
桁違いの魔力を誇るミルフマだが、諸刃の剣と言うべきか、魔法の出力が非常に難しいらしく特別な魔導機構の補助がないと危険さえあるのだそうだ。
この機関車もニスミハが改造したミルフマ専用の魔導機構だ。
普通の汽車は魔石をガンガンに焚いて動力にするのだが、魔石の節約のためもあってミルフマが魔力を流して動かしているらしい。
イオナの農園と第一定都は近く、そんな話をしている内に到着した。
ミルフマは汽車の操作も覚えるほど乗っているそうで、きっちり車両をコントロールしていた。
エンジ達が開拓者ギルドに着くと、引き続き作戦会議の真っ最中だった。
「結界の魔力供給の関係で/4 行動可能な範囲が/1 二分の一πラジアン/5 つまり円を四等分した範囲と/3 考えてくださいませ/2 」
「我は/1 船上の予定だが/5 」
「サリーリルカさんも/1 海上への布陣を/3 承諾してくれましたよ/2 」
「そうなると/5 えーと……/6 このエリアに必要な魔力量は……/1 こんがらがって来たぞ/2 」
表を見ながら頭を掻くパークサズラムにドーエクが助け舟を出している。
「まず/6 地図を/3 四等分しましょう。/2
カードに/5 主要な魔力供給者の名前と/3 おおよその魔力量を/3 記入してください/2 」
「えーと/6 エンジ/1 ミルフマ/1 エプヴィル/1 俺/1 ドーエク/1 サリーリルカ……/1
テリューナル教授と/1 アロイハッスド学長は/1 参加してくれるんだったか?/2 」
「テリューナル教授は/1 結界の調整を担当してくれるそうです。/3
アロイハッスド学長は/1 学生の安全確保のため/4 イオナさんと一緒に/6 後方の現場担当ですね/3 」
「しまった/6 イオナもか/3 」
「ウォンバーネフさんも/1 後方担当ですよ/3 /7 動けなくなった/2 負傷者は/01 全員/8 後方に/3 送り込んで/2 お任せします/2 」
乾いた物言いだが、即時回復できない以上、怪我人の扱いを決めておかないと周りも戦闘に集中できず命にかかわる。
「仕方あるまいな……/6 現場で/5 負傷者に/3 対応をしている/2 余裕は/01 ないだろう/3 」
「ミルフマは/1 来てくれるよな!?/2 」
「霧の森の魔王殿は?/1 」
「範囲内に/5 複数の強力な魔物が/1 居ると/2 /05 ターゲッティングに/3 失敗しますわ。/2 /7 せめて/6 結界を張り終わるまでは/5 結界の外で/5 待機していただかないといけませんの/2 」
「戦闘に参加すると/5 エナジードレイン/1 あるよな?/2
どれくらい/6 影響が出そうか/3 見積もれるか/2 ?/6 」
地図の上にカードを行ったり来たりさせながら、調整している。
別の方でも情報が行ったり来たりしている。
「港湾ドックは/1 どうなってるんでしたっけ?/6 」
「この前/5 破壊されたぞ。/2
お陰で/4 物資の輸送に/4 河船が/3 使えなくなった/2 」
「どの道/6 あいつがいる河を/3 通るのは/2 無理だろ/6 」
「じゃあ/6 障害にはなりませんね/3 」
連携についても打ち合わせが進む。
「河から上がってくるトカゲを/3 退治してもらっているが/2 /7 NPC狩猟者達も/5 戦闘が/1 始まったら/2 /05 避難してもらうしかあるまい。/2 全員に/5 砲撃を伝達する手段は/1 ない/2 /7 巻き込まれかねん/2 」
「そもそも/6 範囲全体に/5 連絡する/2 手段が/01 ないからな……/2
連絡の中継地は/1 俺一人だが/3 /7 どうやって/64 全体に/5 射撃のタイミングを/3 伝達する……?/2 /6 /7 第二定都での各船への指示でも/5 ギリギリだったんだ。/3 /7 まちがいなく/6 ヒューマンエラーが/1 出る/2 」
エプヴィルとパークサズラムが相談しているのは、砲撃のタイミングや狩猟者による直接攻撃とどう組み合わせるかという事らしい。
「放送装置でも/3 作りますか?/2 /6 無線は/5 整備が/1 間に合いませんが/2 /7 魔法による/4 拡声器なら/3 /01 理論上は/5 可能ですわ/2 」
ニスミハは既に図面を引いていたようだ。
「戦闘中に/5 指示が/3 聞きとれるだろうか/2 ?/6 」
「行けと/2 撃てと/2 退避の/2 三種類だけに/03 絞れば……/2 」
「放送で/4 周囲の声が/3 聞こえなくなっても/2 /05 危険ですからねぇ……/6 」
ニスミハの図面にエプヴィルとパークサズラムとドーエクが顔を寄せて相談を続ける。
「昔の軍隊は/1 どうやって/64 連絡してたんでしょう/2 ?/6 」
― そりゃ/6 鼓笛隊だよ/3
「鼓笛隊……/3 」
エンジのつぶやきに隣に居たミルフマが顔を輝かせた。
「私!/1 楽隊/3 やります!/2 やらせてください!/2 」
プレイヤー達がわいわいやっていると街をパトロールしていた狩猟者達が戻ってきた。
「旦那方/1 まだ/6 やってんのか/2 」
「適当に寝ないと/2 /05 肝心な時に/5 ぶっ倒れちまうわな/2 /7 休むわな/2 」
「皆さんにも/5 覚えてもらう/2 事が/01 増えそうなんですけど……/2 」
エンジがそう言うと、NPC全員が不服そうな顔をした。
「頼られるのは/1 嬉しいけどな/2 」
「できるだけ/6 単純にしてほしいす。/3 戦闘中/5 グダグダ/6 考えてると/2 /05 怪我するんで/2 」
開拓者ギルドを利用しているNPC達にひやかされつつゲーム内時間の深夜。
そうして連絡系統や担当場所のアイデアが大筋決まった頃、不意にプレイヤー全員の周りにハロウさんが姿を見せた。
「なんだ?/6 」
「なんでしょう?/6 」
困惑しているプレイヤーにハロウさん達が話し始める。
『プレイヤーの皆様に/5 運営から/4 重要なご連絡を/3 申し上げます。/2
正式サービス開始の日取りが/1 決定しました。/2
所定の時間帯以降/5 正式サービス/1 開始まで/2 /05 ログインができなくなりますので/2 /04 ご注意ください。/2
日付は/1 現実時間の―……/5 』
― え?/6
― ちょおまて!/2 それ/1 作戦の決行日に/3 被ってるじゃないか!/2