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159 【開拓VRβ版実況37】 誰が為

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


「助けるつもりが/2 /7 助けられるとは/2 /01 情けねぇったらありゃしねえっす/3 」

「きゅいー」

 潰れかけた部屋からエンジ達を救出し、皆で出口に向かって走る。


「ダグザドルさんが/1 柱で/4 部屋を/3 支えてくれたんですよ/2 」

「さっきので/5 魔石が/1 尽きた。/2 /7 急いだ方がいい/3 」

 オージハッドの紹介にもぶっきらぼうなダグザドルだ。

 開拓者の魔法がなかったら力任せにドアを破ったところで部屋全体がつぶれる事もあり得たのでいい仕事をしているのだが。


「ダグザドルー/1 魔石/3 渡しとくよ/2 」

 イグドナがダグザドルに魔石を渡しつつ、オージハッドとケビンが周囲を警戒する。

「この辺の廊下には/5 不死者/1 いないですね/2 」

「エンジ達が/1 いた/2 部屋の前で/05 群れてた/2 ?/6 」


― エンジ/1 まだ/6 起きれないんだな/2

「どうやったら/6 起きれるんでしょうね/2 」

― 時間経過かなぁ/3

― 体/1 生きてはいるんだよね?/2


 当のエンジはゲーム中の状態異常で幽体離脱のような状態。周りのプレイヤーにとっては姿も見えない、声も聞こえない、触れない、透明人間のような状態だ。

 当然他のプレイヤーとは会話もできず、もっぱら視聴者と話している。

 ちなみに体はカーマンにおんぶされている。



 開拓VRゲーム。Walkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)。略称WotF。

 舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。

 開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。


 現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。


 エンジはお祭りの最中にネクロマンサーによって沖にある船に誘拐されてしまったが、皆が協力してくれて助けてくれたところだ。

 敵の船は完全に捕捉したが、不死者の力を操る敵はかなり厄介だ。離れている現在は少しマシになっているが、エナジードレインによって体は重く、魔石も蒸発していく。


 イグドナの耳が動く。

「来てる!/2 後ろ!/5 」

 殿しんがりのケビンが振り返るのと同時だった。

 文字通り木っ端微塵になった木の破片が廊下をはねる。


「おや?/6 」

 ゼファージースが意外そうな顔をしてみせた。

 急に木の柱が立ちふさがらなければケビンに致命的な攻撃が直撃していただろう。


 振り返ったイグドナの表情から緊急の異変を察知したダグザドルが、当たれば儲けものと、咄嗟に障害物を廊下に形成したのだった。


 ダグザドルは瞬間的に考える。

 エンジ、カーマン、キューイの保護が最優先。

 エンジを運んでいるカーマンの護衛に戦闘要員が必要。

 こちらに学者は不要。


 ケビンとダグザドルで足止めし、エンジ達に戦闘要員のイグドナと学者のオージハッドを付けて脱出させる。


「お前ら/1 先に/5 行け!/2 」

「っす!/6 」

「きゅい!」

「行きましょう!/2 」

「ごめん/6 ダグザドル!/1 応援/3 呼んでくるから!/2 」


 皆が離れていくにつれて、殿しんがり二人はエナジードレインの効果をもろに受けて、体にかかる重さを強く感じる。

 その様子を知ってか、ゼファージースは普通に歩いて近づいてきた。


「ふむ/6 その様子ですと/4 隠し玉は/1 ないようですね/2 」

 どうやらこちらの出方を探っていたらしい。

 その通り、ダグザドルとしてはイグドナに渡されたさっきの魔石で打ち止めだ。


 距離があるうちにケビンと息を合わせて二人で突っ込むが、ケビンの斧は左手で受け止められ、ダグザドルは右手の一振りで弾き飛ばされた。

 開拓者は戦闘専門で無いとはいえ、ガナフドラ第一警備で前線に居たダグザドルはけして弱くはない。体力も高い。

 しかし一撃で満足に動けない程度にダメージを受ける。

 身動きは取れるが、この体の重さで敵にダメージを与えるのは無理だ。


 ゼファージースは斧を掴んだまま空いた右手を振るった。

「くっ/6 」

 攻撃を認識できた知覚とは裏腹に、魔力吸収による体の重さのせいで回避が間に合わない。ケビンはダメージを覚悟した。


 しかし、ゼファージースが眉間から火を噴いて後ずさるのが先だった。

 同時にケビン達の体が少し軽くなる。



 廊下の向こうからゼファージースを狙撃したのはイドレードだった。

「エプヴィルさん/1 ドーエクさん/1 くれっぐれも/6 前に/5 出ないでくださいよ/2 」

「お前たちを/3 信頼しているからな/2 」

「私は/1 おまけですので/4 気にしないでください/2 」


 エナジードレインは周囲から一定の魔力を奪い取る能力。

 つまり一定以上の魔力が場にあれば一瞬で吸い尽くされることはない。

 戦闘力は低くても魔力に余裕のあるメンバーを複数人混ぜて、負担を軽減する作戦だ。


「お待たせ/6 ケビンー、/1 ダグザドルー/1 補給完了だよ/2 」

 イグドナが声をかける。

 万全の準備を整えたガナフドラ第一のライフル部隊と近接戦闘部隊だった。



 ダメージの大きいケビンとダグザドルは味方に援護されて近くにあった階段から甲板に上がる。

「ここ/5 階段/1 あった/2 ?/6 」

「僕ですー/1 」

 セージドが顔を出した。ケビンは初対面だが、エンジの知り合いという事は知っていた。ダグザドルは西の河港でたまに顔を合わせている。

「西の河港で/5 木造船の製造/3 手伝ってたんで/2 /04 大体の構造は/1 分かります。/2 増改築は/1 楽勝ですよ/3 」


「エンジは?/1 」

「大丈夫/6 向こうの船に/5 脱出してます。/2 お二人も/1 早く/6 」



 エンジの体は船内に寝かされているが、幽体離脱状態の中身は甲板に来ていた。


― 光ってるから/4 戦闘は/1 続いてると思うんだけどなー/2


 武装船から船の甲板の下の戦闘を視聴者達と見守るだけの実況になってしまっている。


「……そういえば/6 何で/6 まだ/5 戦ってるんでしょう/2 ?/6 」

― 魔物/3 倒せてないから/2


― ……命令してた女は/1 死んでるんだよな?/2 何で/6 魔物/1 戦ってんだ/2 ?/6

― そういえば/6 何で?/6

― 忠義とかそういうのじゃなさそうだし/3


― 普通に/6 人間を/3 食いに来たんじゃないの/2 ?/6

― 頼むから/6 あきらめて/2 /7 森へ/3 お帰り/2

― 実家は/1 森なのか/3 ?/6


 エンジの診療を終えて甲板に上がってきたウォンバーネフにパークサズラムが声をかける。

「ウォンバーネフ/1 エンジは?/6 」

「状態異常/1 『不死者の魔眼』と/3 診断したよ!/2

 高位の不死者が/1 使える/2 能力で/03 /7 術者が/1 術を/3 止めるか/2 /7 夜が明ければ/5 治るみたいだよ!/2 」

 初めて見る状態異常だね。と付け加えた。


― バグじゃなかった/3

― バグじゃないんだ/3

― 仕様を/3 変えろ。/2 死ぬから/2

― せめてメッセージぐらい/3 送信できないと/2


「なんだ/6 状態異常系だったか/3 」

 パークサズラムは安堵かあきれか、ため息をつきながら最前線のエプヴィルにエンジの状態を伝える。

「エプヴィル/1 」

「聞こえた。/2 敵を倒してしまうと/5 元に戻らない/2 というのを/03 心配したが/2 /7 そういうわけでもなさそうだな/3 」


 パークサズラムの物言いを聞いてウォンバーネフが付け加えた。

「ただし/7 その状態で/5 倒されると/2 /05 不死者に/3 なるよ!/2 」

「なんだと?/6 」

 それを聞いたパークサズラムは自分と通信先のエプヴィルの声が重なるのを聞いた。

「わぁ……/6 」

 横で聞いていた幽霊状態のエンジのつぶやきは誰にも聞こえなかった。が、半分幽霊にもかかわらず若干顔色が悪い。

 恐らく、聞いた全員の背筋が凍った。


― あっぶね/6

― さらわれたら/5 あかん奴だろ/3 それ/1

― 無事な方が/1 おかしい状況/3

― カーマンが/1 連れ出してくれなかったら/2 /05 戦闘に/3 巻き込まれて/2 死んでたのでは?/2


― もしかして/6 VR痴漢防止で/4 接触できないから/2 /04 噛みつかせるわけにもいかなくて/2 /04 これ/3 ?/6

― アンデッド系が/1 噛みついたりして/4 増えるやつを/2 /03 再現するための/2 /04 苦肉の策なのか/3


― 魔眼って……/4 もしかして/6 不死者って/1 /7 見つめ合うと/5 普通に/6 お喋りできないのかよ/2 /06

― ケビン君の予想/1 当たってそうだね/2

― 魔王様を/5 コミュ障みたいに/3 言うの/2 /03 やめて差し上げろ/2

― 相手は/1 死ぬ/2 /06

― 会話中に/5 突然/6 幽体離脱されるぐらいなら/2 /05 目をそらすわな/2


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