154 【開拓VRβ版実況37】 船出
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
― ネクロマンサー!?/1
― マジで/6 いたの/2 ?/6
― なんだっけ?/6
― 魔石を埋め込んで/4 人を/3 魔物化する/2 って/03 テリューナル教授が/1 言ってた/2
― ほっとくと/5 死体が/1 消滅する/2 世界なんだっけ/03 ?/6
― 魔物化した人間が/1 不死者らしいけどさ。/3 /7 魔王様と/1 このゾンビみたいな人達は/1 同類でいいの?/3
桟橋で不審者と対峙するベクローの言葉に視聴者がざわつく。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。
灯台祭りの真っ最中の街中で、謎のNPCによって幽体離脱に似た状態異常にされてしまったエンジ。体はそのまま船着き場まで運ばれたが、間一髪で警備をしていたNPCの狩猟者、ベクローが不審者に気付いた。
ベクローの見立てではエンジを誘拐しようとしている謎のNPCはネクロマンサー。港に潜ませた魔物化した人間達、不死者をけしかけてきて警備を足止めする事にしたようだ。
港ではお祭りを警備をしていた狩猟者達が突然の襲撃におおわらわになっていた。
「おいおい/6 何回/6 海に/5 ぶっ飛ばしても/2 /7 また/6 戻ってくるぞ/2 /7 きりがねぇ/3 」
「ぶっ飛ばさないで!/2 /7 拘束してください!/2 」
「これ/1 噛まれたら/5 ゾンビになるとか/1 ないよねぇ!?/2 」
「町全体の/5 警備を/3 増員してください!/2 陽動かもしれない!/2 」
港では若干の混乱が起こりつつも、なんとか避難誘導と事態の収拾が始まっている。
「こっちにも/5 人手が/1 欲しいわいなー!/2
こいつ/1 絶対/6 怪しいわいなー!/3 」
端の桟橋に居たので孤軍奮闘のベクローだ。
港の混乱によりこちらまで手が回っていない。
しかし、ベクローは非常に安定感のある戦いを続けている。
囲まれないように立ちまわりつつ、群れから突出した不死者を盾の一撃で胸郭内の魔石ごと粉砕しているようだ。
ペースは遅いが、確実に赤いクリティカルで一体ずつ仕留めている。
そんなベクローを張り付いたような笑顔で見つめるネクロマンサーらしき男が呟く。
「陽動ねぇ……/2 /7 河にも/5 不死者を/3 仕掛けておけばよかった/2 」
「ふん/6 河ん中/5 突っ立ってたら/2 /05 スライムまみれになるのが/1 オチだわいな!/3
と、/7 言いたいとこだけども/2 /7 最近は/5 旦那たちのお陰で/4 だいぶ/6 ましになってるわいな/3 」
「そうですか、/6 慕われているんですね。/2 /7 エンジ・ノチリスノイラさん/1 」
荷馬車のずだ袋に話しかける男を見てベクローが目を見開く。
「おま……/1 まさか/6 それ/3 」
冷静さを欠いて突破しようとしたベクローは数で押し切られ、なだれをうつ不死者の群れに巻き込まれる形で桟橋から海に落とされた。
ローブの男は波紋の残る海面を見ながら小さく呟いた。
「あなたを/3 消せば/2 /7 足跡を/3 辿られることは/2 /01 ありませんから/2 」
「ベクローさん!/1 」
声は届かないがエンジが声を張り上げる。ベクローが抵抗しているのか冷たい水面が大きく荒れている。
一方でエンジの入った袋は小舟に移されていた。荷馬車を引いていたロバが倒れて動かなくなる。このロバも操られた死体だったようだ。
― エンジ/1 体/3 もってかれちゃう/2
― 手漕ぎの小舟で/4 行けるとこ/2 /05 ?/6
― 沖で/5 でかい船に/3 乗り換えるのでは/2 ?/6
自分の体を追うか、ベクローについているか逡巡するエンジ。
― ベクローを/3 見捨てるも/2 くそもなくて/6 /7 エンジが/1 今/5 できる/2 事は/01 ないぞ/2
― どこへ/65 行くか/2 /03 追跡しないと/2
「ぷほあ!/6 」
「きゅーい!」
「ベクロー!/1 」
「ベクロー!?/1 魔物かと/3 思って/2 /04 ぶったたくところだったろ!/2 」
カーマンとケビンはキューイを追って桟橋にたどり着いていた。
派手に水音がするので警戒していたら波間から出てきたのがベクロー。二人は桟橋に引っぱりあげて事情を聞く。
ケビンは引きずり込もうと纏わりついてくる不死者たちを引きはがしながら港の方に声をかける。
「誰か/1 来て!/2 /7 いっぱい/6 いる!/2 /7 学者さんも/1 できれば/9 お願い/2 」
プレイヤーに伝わったらしく、数人がロープを持つと走ってこっちにやってきた。
その間に海水を吐き出し、咳き込みながら必死で伝えるベクロー。
「カーマン!/1 旦那!/1 船/3 小舟で/4 沖へ!/5 攫われた!/2 」
「さらわれたぁ!?/2 」
「さらわれた!?/2 」
思わず聞き返したカーマンの言葉を走ってきたオージハッドが反復する。
ケビンとオージハッドが顔を見合わせた。
皆が魔物化した人を拘束し、ベクローから手短に事情を聞いている間、キューイは沖を見ていた。
「ぐるるるるる……」
珍しく唸り声を上げたキューイが大きな姿になる。
鼻面にしわが寄り、沖を睨むに、怒っているようだ。
ハッとしたオージハッドが尋ねた。
「キューイさん/1 もしかして/6 魔力を/3 追えます/2 ?/6 」
「ぐ……きゅうる」
険しい顔が一瞬緩んだせいで、ちょっとまぬけな顔で頷く。
「キューイは/1 魔力の/9 異変に/3 気付いて/2 /7 開拓者ギルド/5 来た/2 ?/6 」
「きゅい!」
ケビンの言葉に我が意を得たりとばかりに頷く。
「キューイ/1 俺も/3 連れてくっす/2 」
「僕も!/1 」
「ええと……/6 私は……/1 」
即決するカーマンとケビンの後ろで逡巡するオージハッド。
「わしは/1 人を/3 集めるわいな!/2 」
「ベクローさん!/1 私も/1 行きます!/2 プレイヤーに/3 通訳しないと!/2 」
学者のオージハッドはベクローの一言で向かう先を決めたようだ。
「きゅい!」
キューイはケビンとカーマン、大の男二人を軽々と乗せて、夜の水面を走っていった。
ふと気になったオージハッドが沖を振り向いた。
「あの二人/1 言葉/1 通じないんじゃ……/2 」
「殴り込むだけなら/5 何とかなるわいな/2 」
心配するオージハッドに対し、豪胆な返事が返ってきた。




