153 【開拓VRβ版実況37】 波間の底
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
― 不具合でしょ?/3
― いや/6 仕様/3 /7 状態異常/3
― 運営からの返事は/1 まだか?/5
― ヘルプのハロウさんは/1 状態異常だって/3 言ってる/2
― マジで?/6 マジで/6 メッセも/3 とばせないの/2 ?/6
― ロスト/1 確定/2 イベって/03 何なんだよ/6
― 誰かが/1 気付いてくれて/2 /04 何とかなるんじゃないの?/6
― 流石に/6 これが/1 仕様は/3 しんどいって/6
― 仮死状態でも/5 メッセぐらい/3 送れるようにならんと/2 /05 普通に/6 詰むぞ/2
「誰かー!/1 助けてください!/2 」
視聴者の助言を見ながら半泣きで何とかしようとしている半透明のエンジ。
エンジを乗せた荷馬車を連れて、人通りの少ない道を進む謎のローブのNPCの男。
エンジはその周りをウロウロしながら少し向こうの通りを行く人に叫んだり手を振ったりしてみているが、反応してくれる人はいない。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。
灯台のお祝いのお祭りの真っ最中の街中で、謎のNPCによって幽体離脱のような状態異常にされたエンジ。
ゲーム中の人にはエンジを見る事も声を聞くこともできず、周囲と連絡を取る事も出来ないまま荷馬車に乗せられて誘拐されている。このままだとキャラロストしてしまうのではと視聴者から危ぶまれている。
― しかし/7 VR痴漢防止の/4 接触制限を/03 こんな形で/4 突破してくるとは/2
― 言うてる場合か/5
― なるほど/6 触覚が/1 働いてなければ/2 /05 プレイヤー同士でも/5 触れるし/2 /7 NPCが/1 プレイヤーを/3 誘拐する事も可能だ/2
― いや/6 その理屈は/1 おかしい/3 /06
― ゲーム倫理の関係団体から/5 怒られるでしょ/2 それは/1
― これ/1 以前/5 誰かが/1 提案してなかった?/2
― でも/7 VR機器外してる時は/5 触れる事を/2 /03 思うと/2 /7 負傷した味方を/3 合法的に/4 運べる/2 状況って/01 これしかないのでは/3 ?/6
― 誰か/1 エンジの/3 心配してやれよ/2
一方で、ほぼ同時刻の開拓者ギルド。
「カーマン/1 久しぶり/6 」
「こんちゃっす/6 ケビンさん/1 」
狩猟者のプレイヤーとNPCは言語が違うので簡単な挨拶以上に喋れることがない。
仕方ないのでケビンはギルドマスターの貴族のNPC、ラッタマーシさんと話しに行った。
なぜ開拓者ギルドにカーマンだけしかいないのか、ラッタマーシさんによれば他の二人は警備の仕事で街をパトロールしているらしい。
ケビンはギルドを見回したが、先に来ているはずのエンジの姿は見えなかった。再びギルドマスターに聞いてみる。
「エンジは/1 ここに/5 来た/2 ?/6 」
「昼に/5 来たぞ/2 」
「さっき/5 道で/5 エンジと/3 会った/2 /7 エンジ/1 今/5 僕より前/5 ここに/5 来た/2 ?/6 」
「ノチリスノイラの坊主が/1 夕方にか?/5 /6 /7 来てないな/2 」
「旦那が/1 どうかしたんすか/2 ?/6 」
「きゅいー!」
カーマンがラッタマーシさんに話しかけたのとほぼ同時にキューイが開拓者ギルドに飛び込んできた。
キューイをエンジの飼っている魔物と知っている人たちが集まってくる。
「キューイ/1 」
「きゅいー!きゅーきゅーきゅーい」
「エンジは/1 一緒じゃないの?/6 」
「きゅーい!きゅきゅーーい!」
「何/3 言ってんのか/2 /03 わかんない/2 」
「きゅー!」
その時、再び扉が開いてジェクルさんがギルドに飛び込んできた。
「すま……せ……/6 キューイが/1 馬小屋に/5 居たのを/2 /7 突然/6 飛び出して……/2 」
息を切らせながらそれだけ伝えられて、開拓者ギルドの皆は顔を見合わせた。
「エンジさんに/5 何か/1 あったのかも/2 」
「腕っぷしの強い奴に/3 ついてきてほしいんじゃない?/2 」
ざわつく開拓者ギルドでカーマンが立ち上がった。
「ギルドマスター/1 /7 二人が/1 来たら/2 /05 言伝/3 頼むっす/2 」
「行ってこい/2 行ってこい/2 /7 あの坊主だ、/1 酔っ払いにでも/4 絡まれてるかもしれねぇ/2 」
「僕も/1 行く/2 」
カーマンが何を言ったのか、ラッタマーシさんのコメントでなんとなくわかったケビンもギルドの入り口に向かう。
カーマンとケビン、狩猟者がついてくると決まった途端、全力で外に走り出すキューイ。
「キューイ/1 速い!/3 」
キューイは小柄な体を生かして馬車の間を縫うように走り、人出の多い往来を駆け抜ける。人間だとついていくのも一苦労だ。
一方、その頃。
「海に/5 行っちゃいますよ/2 !?/6 」
― 行方が/5 誰も/1 分かんなくなっちゃうじゃん/2
― どうしよう/6
エンジの抜け殻を積んだ荷馬車は港の北の端の桟橋に来ていた。メインストリートから離れ、暗がりを進む。
「そこのローブの男/1 止まるわいな/2 」
人気のない場所にもかかわらず声がかかる。
「どうかされましたか?/6 」
ローブの男がフードをしたままゆっくり振り返る。
「今日/5 港を/5 ウロウロしている/2 輸送業者は/01 多いわな。/3 だが/7 人目を避けるように/6 暗がりを/3 移動してる/2 荷馬車なんざ/01 怪しすぎるわいな/3 」
「混雑を/3 避けて/2 /7 迂回しただけですよ/2 」
「あいにくと/6 暗がりで/5 目が利く方でな/03 /7 混んでも居ない道を/3 避けて/2 わざわざ/6 灯りのない道を/5 通ってくの/2 /01 見えたわい。/2
見られたら/5 困るものでもあるんかいな?/2 /6 やましい事がないなら/5 積み荷を/3 見張らせてもらうわいな/2 」
― ベクロー!!/1
― ナイス!!!/3
― 気を付けて!/2
― あの攻撃/3 よく分かんねんだよな/2
― そっか/6 こいつの能力/1 未知数なんだ/3
「そうですか/6 荷物を/3 改められるのは/2 /01 困りますね/3 」
「ぬお!?/6 こいつ/1 開き直ったわいな!/2 」
ベクローは警戒用のホイッスルを咥え吹き鳴らす。
少し遠くに居た人々がこっちに気付いたようだ。
「足止めさせてもらいます/2 」
ローブの男が腕を水平に動かして合図のようなものを送ると、港のあちこちから少し大きな水音がした。
ベクローの居る桟橋の周囲からも水音が聞こえる。
ひたっ、と桟橋に手がかかった。
ぽたぽたと水を滴らせながら上がってきたのは生気の無い顔。顔。顔。
「ふぃっ!/6 」
― ひえ/6
エンジと視聴者が短く叫んだ、というか変な声が出た。
冬の海から上がってきたのはうつろな顔をした人々だった。じりじりと近づいてくる人間達をベクローは油断なく観察していた。
「こいつら/1 人じゃないわな/3 /7 魔物に/3 なっとる。/2
お前/1 ネクロマンサーってやつだわな/3 」




