152 【開拓VRβ版実況37】 灯台のお祭り
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
「きゅい」
夕方、家への帰り道の賑やかな大通り。リズミカルな和音とバグパイプのようなメロディが流れて来て、キューイが耳をそばだてる。
― そういえば/6 このゲーム/5 BGM/1 無いんだ/2 ってことを/03 たまに/6 忘れるな/2
視聴者の言う事に、そういえば、と、思いつつ、エンジは音の出どころを探してみる。
音楽の出どころは道端の人だかり。
ぐるぐる回すハンドルと鍵盤がくっついたような見慣れない楽器だった。
― ヴィエル!?/6
― ハーディガーディだ!/1
― 知り合い?/6
― ※楽器名/1
― オルゴールの仲間じゃない方か/3
― 数人で/1 演奏してるのかと/2 /03 思ってた。/2 一個の楽器で/4 こんな一度に/5 音/1 出るんだ/2
― この小さな打鍵音で/4 複数の楽器みたいな気がしたのかな/3
― この/1 ふぁーーんって/6 音/3 好き/2
― この/5 和音と/1 メロディが/1 一斉に鳴る/2 賑やかさ/03 好き/2
― どの国とも/3 言えない/2 魅力を/03 感じる/2
― いいねぇ/6 お祭りって感じで/3 賑やかだねぇ/3
― 十九世紀には/5 あっさり/6 廃れたんだけどね/2 この楽器/1
― いつから/65 あったんだ/2 /7 この/1 複雑そうな/3 楽器は/01
― 十二世紀頃だったかな?/5 原型は/1 もう少し前だと/5 思うけど/2
― ぱねぇ/6
一曲終えたNPCの演奏者がお辞儀をすると、多数のおひねりが飛んだ。エンジも屋台で使うために用意していた小銭を使う。
エンジは一旦家に戻った。
「キューイ/1 おやすみなさい/6 」
「きゅう?」
「夜遅くなっちゃうので。/4 ジェクルさん/1 キューイを/3 お願いします/6 」
「わ……かしこまりました/6 」
「きゅー……」
名残惜しそうなキューイだが、大人しくジェクルさんにブラッシングされはじめた。
― 灯台のイベントだから/4 必然的に/6 夜/5 遅くなるからなぁ/2
― 魔物って/1 寝るのか?/2 /6
視聴者が言うように、今日は第一定都の南に建てられた灯台の始動日になる。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。
第二定都の災害の傷跡が残っている現在、人の移動を促すためにも街を整えつつちょっとしたお祭りを催す事にしている。
今日は第一定都の南に大灯台のお祭りだ。
「ケビンさん/1 」
「やぁ/6 エンジ/1 今日は/5 お祭りなんだね/3 」
「お久しぶりです/6 /7 お祭り/3 楽しんでください/2 」
― お久しぶりー/3
― 狩猟者は/1 大抵/6 開拓の最前線に/5 居るからなー/2
― 他の灯台設置場所の/3 調査とか/2 /01 あったし/2
「灯台/1 建った。/2 /7 街も/1 変わる/2 /7 よく/6 帰らないと/2 /05 僕/1 迷子になる/2 」
冗談めかして言うケビンだが、少し装いを変えた第一定都を見ようと、久しぶりに前線から戻ってきている人も多いようだ。
お店に寄るというケビンと別れて、エンジは一人、大勢の人の行き交う大通りを歩いて開拓者ギルドに向かう。
冬の冷たい風もだいぶ緩んできている今日この頃、お祭りとなるとやはり街の空気が弾んでいる。
第二定都などから来た人も大勢居るようで、周囲を物珍し気に見ながら通る人も多い。
夜霧だろうか?うっすら街が白んで見える。
「旦那様/1 赤いコートの旦那様/1 」
不意にエンジは呼び止められた。白い右手が裏路地に続く街角から手招きしている。
呼びかけてきたのはボロボロのローブの男。声の感じは若者の様だがフードを被っていてはっきりしない。NPCのようだ。
「どうしましたか?/6 」
「魔石を/3 買い取ってほしいのです……/2 /7 こちらに/5 」
そう言うと、男は路地に下がった。
― あやしいがな/3
― エンジ/1 気を付けて/2
― でも/7 今のところ/5 悪さしてるわけじゃないんだけど/2
― イベントなのかなぁ?/3 /7 NPCだし/3
細い脇道といえど大通りから一本入ったところ、大通りはお祭りの準備で照明が明るく照らしている。
エンジは細い裏路地の入口に立った。
裏路地をふさいでいる小さな荷馬車は彼のものだろう。
微動だにしないロバがつながれ、わずかに袋や木箱などが置いてある。
「こちらです/3 」
そう言って男がローブの中から褐色の左手で差し出した魔石はかなりの大きさ、普段の売り物になる魔石がピンポン玉から卵ぐらいだとすると、野球ボールよりやや大きい、手のひら大ぐらいだろうか。
エンジが少し集中して魔力を感じてみると密度もかなり高い。
形からして、もっと大きな魔石が砕けたもののようだ。
思わずエンジが提案する。
「あの、/6 これは/1 多分/6 とてもいい魔石なので/3 /04 専門のお店で/5 買い取ってもらった方が/2 /01 いいです。/3
お店まで/5 ご案内しますか/2 ?/6 」
すると男はゆっくりローブのフードを外す。
暗がりではっきりわからないが、プラチナブロンドと言われるような淡い髪色、色白で小奇麗な整った顔立ち、ぼろぼろのローブが似つかわしくない、ちぐはぐな印象を受ける。
「とてもいい魔石……と/3 言われましたが/2 」
ゆっくりとした物言いにエンジもじっと見つめて次の言葉を待つ。暗がりで不思議に赤色の瞳がよく見える。
「それは/1 そうでしょう/3 …………あなたの心臓ですよ/3 」
「え?/6 」
次の瞬間、エンジの視界が一瞬真っ暗になった。
そして見えたのは突っ立っている自分の後頭部と、何事もなかったかのように動きはじめるローブの男。
ローブの男は手慣れた様子で棒立ちのエンジに頭から袋を被せてエンジをすっぽり袋にしまい込むと、袋を荷馬車の荷台に積み、自分は再びフードを被って路地裏を進み始めた。
エンジはその様子を呆然と見つめていた。
「え?/6 」
若干の沈黙。
― 誘拐だ―――!/2
― なんじゃそりゃ!?/6
― エンジ/1 /7 これ/3 どうなってんの!?/6
― エンジが/1 透けて見える/3
一拍遅れて我に返った視聴者たちのコメントが大量発生する。
慌てて荷馬車を追いかけるエンジ。
荷馬車の速さはゆっくりだが、自分?が入っている袋を掴もうとしてもすり抜ける。
「え?/6 僕/1 死んじゃったんですか/2 ?/6 」
エンジは早くも半泣きだった。
― もちつけ/6
― 測量範囲外で/5 やられた/2 人だって/01 二十四時間/5 猶予あるじゃん/3
― 箱庭ゲームで/5 エプヴィルさんに/3 会った時/2 /05 起こったやつじゃないの/2 ?/6
― バグなん?/6
― バグにしては/5 このNPC/1 平然としすぎじゃない?/3 /6 /7 挙動が/1 ちぐはぐになったりすると思うんだけど/2
― エンジ/1 ハロウさん/3 呼べる?/2 /6 /7 出来なきゃ/5 バグ報告するけど/2
「ハロウさーーーん!!/1 」
ヘルプキャラ、黒猫のハロウさんが降りてきた。
『あなたの現在の状態異常は/5 他キャラクターへの/3 接触が不可能になります/2 』
― は/6
― 仕様だった/3
― 状態異常と/3 言い切られた/2
― あのバグって/5 不死者が/1 関係してるんじゃなかったっけ?/2
― じゃあ/6 こいつって/1 不死者なの/3 ?/6
― 何で/6 不死者が/1 こんなとこに/5 ?/6
― バグ/3 直してから実装しろ/2
― これ/1 仕様じゃないの?/3
― え?/6 どゆこと?/6
「え……/6 でも/7 僕……/1 どうしましょう……/2 」
幽体離脱状態だとすれば、エンジに助けを呼ぶ手段はない。




