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145 【開拓VRβ版実況35】 ドッペルゲーム

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


 開拓VRゲーム。Walkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)。略称WotF。

 舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。

 開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。


 現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。



 第二定都の復興作業はまだまだ続いている。毎日どこかしらで工事が必要だ。

 エンジもここ数日、ゲーム内に戻るたびに工事現場に駆り出されているので、これ以上ミニゲームをする事はない、と思っていた。


「エンジ様/1 お時間よろしいでしょうか?/6 」

 ニスミハに声をかけられた。

「新しいミニゲームを/3 検証する/2 実験を/03 したいのですわ/2 」



 新しく登場した箱庭ゲームのモード。

 なんと、ゲームに参加しているプレイヤーやNPCに化けた魔物を当てるらしいのだ。


― は?

― プレイヤーに/3 化ける???/2

― 姿が/1 同じって事?/3


 視聴者達も若干騒然としている。


― プレイヤーの行動データを/3 学習した/2 演算人格が/01 本人を/3 演じて見せるんだ/2

 これが/1 なかなか/6 よく出来てて/3 /7 簡単には/6 見破れない/2

― 最初の/5 『プレイヤーの行動データを/3 収集してます』って/2 /01 もしかして/6 これ?/3

― どんだけ/6 似てるか/2 見てみたいけど/2 /7 ちょい怖い/3


 そして相変わらず耳が速い視聴者が居る。



 このミニゲームに参加するプレイヤーは全員味方。

 ただし、演算人格が扮した魔物が、全く同じ姿で数人紛れ込んでいる。つまり味方のそっくりさんが参加しているのだ。

 そのそっくりさんのどちらが魔物かを当てるのだという。


 複雑なルールのせいかプレイヤーもNPCも参加が少なく、検証が難航しているらしい。


― 自分のドッペルゲンガーに/3 遭遇する/2 気味悪さを/03 思うと/2 /7 仕方ないのでは/2 ?/6

― NPCに/5 不人気なのは/1 /40 不用意に/6 貴族/3 殴れないからだと思う/2



 護衛に就いてくれているNPC三人に確認する。

「面白そうじゃねーか/6 やろうぜ/2 旦那/1 」

「アードット……/1 喧嘩好きも/3 ほどほどにするわいな……/2 」

 バケツの様な兜を被ったアードットがうきうきと準備をしている。


「ええと……/6 カーマンさんも/1 来てくれるんですか/2 ?/6 」

「アードットは/1 細かい事/3 苦手なんすよね/2 」

 例の服装を用意したカーマンが帽子を直しながら言った。


「そいじゃ/6 ゲームとはいえ/5 気を付けてほしいわいな/2 」

 ベクローはあまりゲームに乗り気がしないのか今回も留守番だ。



 ゲーム開始時にドッペルゲンガーゲームのルールを説明される。


 参加者は全員味方。

 参加者の誰かにそっくりな姿の偽物が紛れ込んでいる。持ち込んだアイテムの性能も同じ。

 勝利条件は魔物を全滅させるか。制限時間までに化けられたプレイヤーが一人でも生き残っていれば勝ち。


― 魔物/1 かなり強いから/3 /7 魔物側の必勝法って/1 最初に/5 正体現して/2 プレイヤーが集まる前に/5 数減らす事なんだけどな/2

― それだと/5 このゲーム/1 成り立たなくなるから/2

― 一定の条件を/3 満たさないと/2 /05 正体/3 現さないようになってる。/2

 魔物の演算人格が/1 追い詰められたと/2 /03 判断した時か/2 /05 ゲーム終了まで/5 残り一分を/3 切った時か/2 /05


 一定時間を過ぎた魔物は正体を現して一斉に襲ってくる。

 プレイヤー側はその前に正体を見極めて魔物を倒すのが目標になる。そのために味方攻撃は可能だ。


 一方で魔物も無敵ではない。

 魔物同士はお互いが誰に化けているのか知らない。連携して騙してくることはない。

 正体を現した後は魔物の姿のまま。もう一度人に化け直すことはない。途中で別の人の姿に変わる事もない。


 正体を現した魔物はかなりの強さだが、変身中は化けている相手に合わせて弱体化している。

 正体を現すわずかな時間は化けた相手と魔物の中間のような能力値になっているので、変身中は安全に魔物を倒す最後のチャンスだ。


 しかし、厄介なルールも多い。

 プレイヤーは倒されると帰還する。倒された魔物の体は残るルールだが、裏を返すと人知れずプレイヤーが倒されていても分からないという事だ。


 今回紛れ込んでいる魔物は三体。




 開始地点に立ったエプヴィルは辺りを見回した。

 比較的見晴らしのいい林の淵に出たようだ。


「さて……/6 」

 ゲーム開始前に皆で決めた作戦は、中央の山の南、ふもとの広場で落ち合う。エプヴィルはマップで現在地を調べてから歩き出す。


 このゲームは偽物によって本物が人知れず亡き者にされると勝率ががくんと下がるので、誰かといち早く合流するのが勝率を上げるカギになるはずだ。


 数分歩いただろうか、もう一度マップを出して現在地を確認しようとしたところで、背後の林の奥で爆発音が轟いた。

 エプヴィルは素早く木の後ろに身を隠し、自分を狙った攻撃でない事を確認すると、爆発音のした方向に走る。


 交戦相手は魔物以外にないのだから、ここで誰が襲われたかを見失うと非常に面倒くさいことになる。



「たああああ!/6 」

 エプヴィルが見つけたのはエンジが二人。

 片方は炎の魔法を飛ばし、ステッキを持って殴りかかろうと駆けだしている所。

 もう片方は帽子が吹き飛び、ステッキを抜く暇はなかったのだろう、やはり炎で迎撃しようとしているところだ。


 火の玉同士がぶつかり合ってはじけ飛ぶ。エプヴィルが聞いたのはこの爆発音だろう。

 咄嗟にエプヴィルは銃を空に向けて撃った。


 思いがけない発砲音にエンジ二人が同時にこっちを見る。

 エプヴィルはライフルを構えながら叫んだ。

「二人とも/1 止まれ!/2

 止まらなければ/5 先に攻撃した方を/3 撃つ/2 」


 二人が一斉に喋り出す。

「エプヴィルさん!/1 」

「だって/7 あっちが/1 偽物なんです!/3 」

「本物は/1 僕です!/3

 あっちは/1 山の南に/3 向かわずに/2 /7 僕を/3 攻撃してきたんですよ!/2 /7 偽物です!/3 」

「向こうに/3 着く/2 前に/05 僕が/1 倒されちゃったら/2 /05 手がかりが/1 なくなっちゃうじゃないですか!/2 」

 その言葉を聞いてぎょっとする。


「待ってくれ/2 /7 二人とも集合場所の打ち合わせを/3 知っているのか/2 ?/6 」

「ゲーム開始前に/5 皆で/1 話し合ったじゃないですか/2 」

「広場ですよね/5 」


 その時、エンジの更に向こうの方の草むらが揺れた。

「うお!?/6 旦那が/1 二人!?/3 」

 カーマンも爆発音を聞いてとんできたようだ。


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