134 【開拓VRβ版実況32】 攻守交替
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
貴族は一撃でやられてしまうが狙ってやってくる敵はボスモンスターから無限湧きするトカゲ。
エンジとジェンシールの周りには開拓者が作った低めの防壁が設置され。登ってきたトカゲを、狩猟者が叩くゲームと化した。
― ワニワニパニッ○かよ/3
― なつい/3
視聴者はのんきだが、このトカゲに突破されてしまうと近接戦で戦闘能力がほとんどないエンジとジェンシールは間違いなく倒されてしまう。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。
音信不通になった第二定都の様子を確認するために向かっていたところ、河に居た巨大な魔物に追われて工場に立てこもり援軍の到着を待っているところだ。
― さっきから/6 噛みつき行動が/1 多くなった気がする/3
「確かに/6 ワニ型の魔物の頭部の動きが/1 多くなった気がします/3 」
視聴者のコメントにエンジも答える。
工場の施設が壊れて発生した有害物質、エンジはさっきからそれらを風で魔物に当てて牽制するという非道を行っているので、魔物の動く頻度が増えたことは間違いない。
それを聞いてイドレードもワニ型の魔物を注視する。
「動作が/1 変化している?/2
激昂状態に/3 なるかも……/2 」
「HPも/1 残り七割/3 切りそうだしな/2 」
「そういえば/6 さっきから/5 出てくる魔物が/1 減ってるような……/2 」
周囲の狩猟者、開拓者も口々に気付いた異変を伝えてくる。
エンジは魔物を見つめながら、穴の開いた工場の屋根から覗く夜空の明るさで白々と夜が明け始めている事に気付いた。
突然魔物はドンと足を踏みしめた。
頭を大きく振り、吠える。
「来た!/2 激昂状態だ!/3 」
「ジード!/1 」
「了解/6 鍵は/3 あけてある/2 ついてきて/2 」
エフジドルダが先導して隣の工場に走る。その先は力づくで開け放たれた扉が見えた。
エンジ達も全速力で着いていく。
― 鍵は/3 開けてある/2 (マスターキー/4
― マスターソー○って/1 そういう……/3 ?/6
― そういえば/6 城の結界/3 切った/2 回とか/01 あったような……/2
― 世の中には/5 ソードオフショットガンというものが/1 あってな/2
― ショットガンは/1 そのソードじゃねーよ/3
― お前ら/1 マスターキー(斧)から/5 離れろ/2
後ろからは重い足音を響かせ、障害物をものともせずに一直線に突進してくる巨大な魔物。吹っ飛ばされたパイプが横を跳ねていく。
― こわい/3 こわい/3 こわい/3 超怖い/3
― 怒ってる分/4 怖い/3
「このままだと/5 追いつかれる……/2 /7 捨て身で/4 止めるしかないか/2 ?/6 」
イドレードが決死隊を考え始めた時、エンジとザスフームが叫ぶ。
「このまま走ってください!/2 」
その瞬間地震のような揺れと地響き。
そして
「うまくいきましたね!/3 」
「時間稼ぎだから/3 /7 今のうちに/5 安全なとこまで/5 走らないと……!/2
エンジさん/1 クマの時の/5 三倍ぐらい深いですけど/3 /7 大丈夫なんですか?/3 」
エンジとザスフームが和気藹々と会話しながら走り続けている。
「ちょっと大量に/6 魔力を/3 使った/2 /03 感じはありますけど/2 /7 大丈夫ですよ/3 」
イドレードは続く会話を聞きながら後ろを振り返る。もうもうとした土煙の向こうに巨大な尻尾だけが見えている。
単純な話、エンジの魔力と開拓者の変形魔法で落とし穴を開けたようだ。
急に開いた穴に頭から突っ込んだ魔物は這い上がろうともがき続けていた。
次の建物の向こう側までは無事に抜けた。ちょうど工場を挟んで魔物と対角線上に位置する。
「ここ、/5 爆発するんですよね!?/2 」
ザスフームが後ろの建物を確認する。
「防爆構造のはずですが……/3 」
「守り/3 強化します!/2
エンジさん/1 手伝って!/2 」
自分たちの居る扉の前を中心に何重もの壁が形成されるのと巨大な爆発音が轟くのはほぼ同時だった。
「うわぁ!/6 」
爆発の直撃を免れたものの、工場の周囲は爆風に巻き込まれた風が呻りを上げて荒れ狂い、巨大な鉄の塊を木の葉のように吹き飛ばしていく。刺激臭が目を突き、喉と鼻を傷め、うっすら血のにおいを感じる、一拍遅れて工場内の大きな金属片が降り注いでけたたましい音を鳴らす。
幸い防壁のお陰で誰も当たらなかったが、直撃したら狩猟者でも大ダメージのはずだ。
エンジはあわてて風を吹かせて周囲の刺激臭を飛ばした。
― 爆発って/1 怖い/3
「走って!/2
ここでの/5 追撃は/1 無理です!/3 」
イドレードの号令で、まだ小爆発と金属片の飛び回る音が聞こえる工場から離れ、次の工場へ走る。が
「あ……/6 」
― エンジ?/1
― もしかして/6 魔力切れ?/3
エンジは完全に足に力が入らなくなっていた。
「えー……と……/6 先に/3 行ってください/2 」
「エンジさん!?/1 」
「分かりました/6 」
慌てるジェンシールとは対照的にイドレードは冷静だった。
「イドレードさん!?/1 エンジさんを/3 置いていくんですか!?/2 」
「ジェンシールさん/1 ついてきてください/2 /7 魔力の減ったエンジさんより/6 ジェンシールさんを/3 狙ってくるかもしれない/2 」
「~っ……!/6 エンジさん!/1 ちゃんと/6 逃げてくださいね!/2 」
「俺は/1 残りますよ/2 /7 エンジさんに/5 魔力/3 使わせたの/2 俺だし/1 」
唐突な申し出に今度はエンジが面食らう。
「ザスフームさん/1 そんな……/3 」
「手立てが/1 ないわけじゃないんですけど/2 /7 人数/1 多いと/3 /05 できない/2 」
こうして二手に分かれる事になった。
爆発の中の魔物はまだ動いている。




