132 【開拓VRβ版実況32】 工場の戦い
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
「皆/1 動けるか!?/2 目は/1 見える?/2 」
「動ける/2 」
「見えるよ/2 」
「さっきから/5 エンジさんが/1 うっかり/6 灯り/3 点けそうな気配だったから/2 /04 警戒してた/2 」
― 何なの/6 この人達/1
― そんでもって/7 この状況/5
視聴者が言っているのは追っかけてきた巨大な魔物が飛びかかってきたと思ったらものすごい光を発して止まっている状況だ。
エンジのそばに居た誰かが言った。
「感電してますね/2 」
― そういえば/6 この水車/1 水力発電用なんだっけ/3
「じゃあ/6 この機械っぽい匂いは/1 」
― オゾン臭?/3
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。
音信不通になった第二定都の様子を確認するために向かっていたところ、河に居た巨大な魔物に追われて今に至る。
「上に/5 上がりましょう/2 /7 この位置だと/5 水面から/5 食いつかれそうだ/2 /7 あの送電線が/1 いつまでもつとも限らない/2 」
イドレードの指示で足早に工場への道を登りはじめる。
エンジは魔法で明かりをつけてみたが、感電している魔物の火花の方が明るい。
「ここらへんで/5 貴族の二人に/5 囮に/3 なってもらって/2 /04 あの魔物を/3 おびき寄せ/2 /7 後から/5 来る/2 援軍の人達に/04 倒してもらう予定です/2 」
イドレードが工場への道を登りながらこれからの予定を簡単に説明する。
「イドレード/1 /7 あの魔物/1 感電に/3 懲りて/2 帰っちゃうんじゃね?/2 」
「そうなったら/5 仕方ないかな/3 」
その途端、どぼーんと巨大なものが水面に落下するような音が聞こえ、皆振り返る。大粒の雨のような音が一瞬水面に広がって消えた。
強い光は消え、灯りはエンジの魔法のたいまつだけ、静かな水面に戻ってしまった。
「エンジさん/1 魔力感知できます/2 ?/6 」
「分かりました/2 」
と、言う間にメキメキと音を立てて自分たちの乗っていた船が傾いていった。
そして、最初に見えたのは川岸に打ち寄せる大きく揺れる黒い波だと思った。
魔物だと気づいたのは寄せた波が戻らないことと大きな爪が見えたせいだ。
黒い影が大きな顎を振り乱し、坂道を登ってくる。
「こいつ/1 陸に/3 上がれんのか!/2 」
「エプヴィルさん!/1 エプヴィルさん/1 戦艦/3 もって/2 助けに来て!/2 」
「もう連絡した/2 」
― ぼす/1 たすけにくるのだけでも/2 難易度高いな/6
超巨大な魔物が一直線に向かってきて、ガナフドラの面々も恐慌状態に陥りかけている。
「貴族の二人!/1 先頭に!/3 /7 建物の中に/5 入ってください!/2 」
イドレードの指示にジェンシールが率先して案内する。
「入り口は/1 こっちです!/5 」
― ちょうこわい/3
― 巨大物恐怖症の俺は/1 もうだめだ/3
― 別ゲーで/5 見た/2
― わに?/3
門に着いたものの、当然ながら鍵がかかっていた。大きな南京錠だ。
「鍵は/1 ありません!/2 こじ開けてください!/2 」
ジェンシールが声をかけるとほぼ同時に動く人が居た。
「離れて/2 」
エフジドルダが言うが早いか大剣で鍵を真っ二つにした。
― 無茶するなぁ/2
製品や原料の集積などをしていたであろう正面広場を抜ける。手近な建物よりも遠くに、いくつかの曲がりくねったパイプ群のシルエットが見えたのはこの敷地内に複数の工場があるからだ。
狩猟者の一人が先に立って従業員用と思しきドアを破る。扉が床でけたたましく響くが、人の気配はない。エンジは辺りを探った。
屋内、屋外問わず工場内にあるのは円柱状や球状のタンク、反応塔や蒸留塔と思しき曲がりくねり伸びるパイプの塊。
ジェンシールは曲がりくねったパイプ群を見上げて言った。
「工場内の有毒物質を/3 使いこなせば/2 /05 怯ませたり/2 ダメージを与えたりできると/2 /03 思います。/2
うまく誘導できないと/5 私たちも/1 巻き込まれますが……!/2 」
― 開拓者さんに/4 壁/3 作ってもらえばいいんじゃね?/2
― 毒ガスとかには/5 無力では?/3
― 無いよりマシだと思う?/3
― エンジは/1 風を/3 作って/2 /04 ガス/1 来ないようにできるでしょ/2
― ガス/1 発生させんの/2 ?/6 規模によっては/5 風下の街一つ/1 全滅するぐらいに/2 /06 危険なんだけど/3
エンジ達が潜伏している建物に、魔物が大きく踏み込んで最初の工場の壁を破壊する。腹這いの状態でも工場の天井を突き破るぐらいの大きさだ。
魔物が更にもう一歩踏み込むと、複数のタンクが破損する。タンクから溢れてくる化学原料、反応する熱、発生するガス。
魔物は思いがけない事態に一歩引こうとした。
不意に周りのガスを巻き込んで魔物の頭の周りに風がまとわりつくように押し寄せ渦を巻く。
風に混ざる毒に不気味さを感じたのか、それともダメージのせいか、魔物が低音の悲鳴を上げて後ずさるが、その後足を大剣が薙ぎ払い赤いダメージエフェクトが閃いた。エフジドルダだ。
「地上戦なら/5 どうってことないんだよ!/2 」
振り回された尻尾を機敏に避けてイグドナがナイフで背中の鱗を薙ぐ。
第一定都では川に居た魔物に後れを取ったが、今は魔物を翻弄して動きを止めている。
開拓者たちが工場の瓦礫を利用して魔物の周りに巨大な柱を作ることで行動を制限し、狩猟者達も銘々が攻撃を繰り出す。
魔物は突進して柱を押しのけようとするがうまくいかない。
狩猟者の攻撃によって黄色から赤のダメージエフェクトが魔物のあちこちに光る。
― 毒ガスダメージは/1 微々たるもんだな/3 ダメージエフェクト水色だし/4
― でも/7 手数が/1 多い/3
「気を付けてください/2 急に/6 どんな動きを/3 するか/2 /01 分かりません。/2 右前脚付近にある/5 水たまりに/3 近づかないで/2 有毒です/4 」
魔物から距離をとって貴族二人を警護しながらイドレードが声をかけた。
― ワニって/1 地上でも/5 時速十八キロぐらいで/5 走れるんだっけ?/2
― 大体/6 マラソン選手ぐらいの速さ/3
― 思ったより早かった/3
― でも/7 こいつ/1 でかいからなぁ/4
― ちなみに/6 折れた/2 シャー芯が/01 飛ぶ/2 速さも/01 大体これぐらい/3
― どこが/1 調べてるの/2 /7 そういうの/3
― 至近距離で/5 シャー芯/3 避けられるかっていうと/2 /01 確かに際どいな/3
― ボクシングの選手のすごさを/3 理解した/2
狩猟者が取り囲んで殴るのはうまくいっている。
「エンジさん/1 /7 狩猟者を/3 毒ガスから/5 守ってください。/2 できれば/6 魔物にも/3 当ててもらえると/2 /05 ダメージが/3 期待できますが/2 」
イドレードから指示されてエンジがやっているのは風をコントロールして毒を他のプレイヤーに触れさせない事。
たまに魔物の頭部の周りにまとわりつかせて攻撃を妨害するような事もしているが、ダメージはあまり入っていない。
「うわ/6 なに/63 これ!/1 」
不意に魔物を取り囲んでいた狩猟者から声が上がった。
「黒い油……?/1 汗?/1 」




