123 【開拓VRβ版実況30】 北西の平原の廃墟
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
― 結局/6 船で/4 行くんかい/2
― 荷物/3 積むからな/2
― 飛行艇/3 乗ってみてほしい/2
― 高いとこ/1 ダメだから/3 /04 VR飛行機は/1 勘弁しろください/2
― これ/1 エンジン/3 動かすのに/2 /05 クランク/3 ぐるぐる/6 回して/2 引っこ抜く/2 やつ/03 ?
― 点火のたびに/5 腕/3 持ってかれる/2 危険と/03 戦う/2 構造は/01 やめろ/2
― セルモーターは/3 着いてるだろ?/2 ……着いてるよな/2 ?/6
西の河港に浮く機械に名残惜しそうにする視聴者だ。ついでに視聴者コメントのエンジンをエンジと見間違えるので早く話題が変わってほしいエンジだ。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。
北西の平原の街が巨大な魔物に襲われてほぼ音信不通。
救助と偵察を兼ねて人を派遣することになった。
「ひどいですね……/3 」
ウォンバーネフ達の病院船と合流し、雪の煙る岸を眺める。
船上から眺める街は一帯氷と瓦礫の山になり、白い雪が覆っている。
「救助活動は/3 迅速に/6 行いたいね!/2 」
「そのために/4 持ってきたのが/2 /01 これだ/3 」
ウォンバーネフの言葉を受けてエプヴィルが示すのは船の甲板に置いてあった人三人ほどもある機械。
― さっきから/5 何か/1 くるくるしてるなーとは/2 /03 思った/2
― レーダー?/6
謎の機械を見つめていたニスミハが顔を上げ、手元に書き込んだ地図を掲げた。
「魔力レーダーですわ。/3
こちらの/5 山の際にある巨大な魔力が/1 おそらく魔物。/3
距離的に/4 見て/2 あちらの奥にある/5 半壊している/2 大きな石造りの建物と/01 /05 /7 あちらの/5 小さな建物群に/1 /05 反応が/1 ありますわ。/2
被災者と/3 思われますが/2 /7 精度は/1 よくありません/2 」
「建物群の方は/3 分かります。/2 協力者達が/1 街の人を/3 避難させて/2 立てこもってるはずです/2 」
イドレードが横から声をかけた。
「エンジ殿は?/6 」
「僕ですか!?/6 」
エンジは急に話を振られて固まった。
― 魔力感知で/4 被災者/3 探せる/2 ?/6
「人の魔力を/3 感じることはできると思いますけど/2 /7 距離があるので/4 ここからでは/5 まだ/6 感知できません/2 」
「私は/1 そこまで微細な魔力を/3 感知できませんわ/2 」
「どうするか?/6 」
「協力者のお陰で/4 ほとんどの住民は/1 救助されて、/2 待機してます。/2
他のはー……/5 エンジさんが/1 人を/3 感知したところを/2 /05 開拓者が/1 掘るしかないのでは/2 ?/6 」
イドレードがサラッと人を酷使する提案を出してきた。
― ここ掘れわんわん/6
「あっちに/5 何か……/3 」
「馬が/1 いる!/2 ソリも/1 あるぞ!/2 救助隊は/1 持ってけ/2 」
「おーい!/6 こっちに/5 開拓者!/1 」
「学者か/3 貴族/3 連れてって!/2 /7 狩猟者/1 開拓者だけだと/1 /05 NPCと/3 会話できない!/2 」
上陸した偵察・救助班は精力的に動いた。
幸い、雪の深さはくるぶしほど、動きが取れないわけではなく、救助は進む。
そこまで広い街ではないので、瓦礫の中に気配がないかチェックしつつ奥の大きな建物にたどり着いた。
「ここ/1 お屋敷っぽい/3 」
エフジドルダが呟いた。
ところどころ瓦礫と化している暗い色の石でできた大きな建物。彼女の言う通り、あちこちに絨毯やシャンデリアの痕跡がある。
「気配は/1 二階……かな/3 ?/6 」
ガナフドラの数人を連れて気配を感じる部屋に向かう。
「おかしいです……/6 この辺のはずなんですけど……/5 」
エンジは焦っていた。
気配は感じるのにそれは部屋の壁。隣の部屋に行ってもやはり同じ壁から気配を感じる。
隣り合った部屋を行ったり来たりしていた。
― バグ?/6
― 隠し通路じゃね?/6
「隠し通路!?/3 」
「隠し通路だと思う/3 /7 室内と/5 廊下で/5 /7 二つの部屋のドアから壁までの歩数と/5 ドアから隣の部屋のドアまでの歩数を/3 数えてみたけど/2 /05 壁が/1 やたらと/6 厚い/3 」
エフジドルダが事もなげに言った。
エンジが慌てて壁の中の魔力を探ってみると、壁の継ぎ目や空間らしい気配が感知できた。
― 魔力感知/1 便利ね/3
「すいませ~ん/6 救助に来ましたよ/2 」
壁を叩いてみるが反応はない。
― それで/4 仕掛けのありかを/3 探ったりはできない?/2
「えーと……/6 難しいですね……/3 ここが/1 こう?/3 」
エンジが魔力感知でうっすらと感じる隠し通路の仕掛けの輪郭を追って、右へ左へウロウロする。
「どうする?/6 魔法で/4 変形させてみるか/2 ?/6 」
そう言ったダグザドルに開拓者の一人が手招きした。
「……こっち/5 床板が/1 ずれてる/2 」
皆で寄ってみると、誰かが目ざとく見つけた、床板に隠されたレバー。
レバーを作動させると壁が動き、中に居た人たち数人が転がり出てきた。二人はNPCで一人はプレイヤー。
その一人のプレイヤーは黒髪、黒いドレス、黒い大きな扇子。
「助かりました!/2 外から/5 操作しないと/2 /05 開かないんです!/2 隠し通路の先の壁が/1 崩れていて/2 出れなくなっちゃって!/2 」
― 自業自得やろ、/6 ジェヴィさんとやら/1
― 待って/2 /7 この人/5 猫耳/1 ついてたっけ/2 ?/6
― なんか/6 雰囲気/1 ちがわない/3 ?/6
黒髪、黒いドレス、黒い大きな扇子。
以前エンジの前に現れたジェヴィ・ノチリスノイラとよく似ているのだが……猫耳がついている。
「あの……/6 お名前は/3 ?/6 」
「申し遅れました!/6 ジェンシール・ノチリスノイラ。/1
ノチリスノイラ第四十九化学工業会社社長です!/1
こちらは/1 侍女のミルサと/3 秘書のニケルです。/3 もう一人、/1 第二定都の本宅に/5 執事が/1 居ます/2 」
「「「ノチリスノイラ!?/1 」」」
夕闇迫る屋敷にエンジたちの声が響いた。




