１０１ 【開拓VRβ版実況２５】 タイムリミット
※お使いのパソコン・情報端末は正常です。
セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。
開拓VRゲーム。Walkers on the Frontier。略称WotF。
舞台は十九世紀前後の科学技術を持ち、魔法が発達している世界の新大陸。
開拓者、狩猟者、学者、貴族、四つの開拓民が協力して未開の地を開拓し、拠点となる街を開き、魔物を退ける。
現在βテスト中。実況を通じて視聴者にも不具合や説明不足をチェックしてもらう方針のために、運営会社がベータテスターには実況を推奨している。
第一定都の街での戦闘の際に気球ごと吹き飛ばされたニスミハは、前人未到の西南の砂漠に不時着してしまっていた。
捜索隊は広い砂漠をやみくもに探すわけにいかなかったが、複数の証言により墜落地点を絞り込むことができた。
通信魔法を駆使したパークサズラムから連絡が来る。
「ニスミハから/1 現在地を/3 特定するのは/2 困難なようだ。/6
割り出したおおよその位置を/3 捜索してくれ/2 」
「武器より先に/5 遭難用の発煙装置でも/3 作るべきだった/2 」
「帰ってきたら/5 作ってもらえ/2 」
歯噛みするエプヴィルにパークサズラムが軽口を飛ばす。
ここは第一定都の街の西に延びる街道沿い。リスジェイアが指示を出す。
「ここからまっすぐ南です/5 」
関係者が集まっている。
「ニスミハは/1 気球の残骸に/3 乗って/2 /04 砂に/3 沈む/2 のを/03 防いでいるはずだ/2 」
「そいじゃあ頼むよ！/2 きゅいちゃん！/1 」
「きゅーい！」
キューイに跨って砂漠に駆けていくのはイオナの農園から来た狩猟者、パムーリンズ。
― 砂漠は/1 キューイしか/5 移動できないとしても……/2 /7 キューイの飼い主のエンジか、/1 ニスミハさんの雇い主のエプヴィルさんが/1 行くんじゃないの/2 ？/6
― エンジは/1 魔力感知も/3 使えるから/2 /04 人探しには/5 いいと/3 思ったんだけど/2
― キューイも/1 魔力感知してる/2 節がある/8 から/04 それは/1 べつにいいんじゃね？/2
― さっきの巨大熊で/4 消耗してるしさ/2
「そろそろ/6 僕の魔力は/1 回復しそうですけど/2 」
― エンジは/1 近接戦闘/5 無理/3
視聴者の評価が厳しい。
― 魔物が出たとき/5 近接戦闘できる/2 人。/01 ガナフドラや/1 開拓者ギルドの面々は/1 さっきのクマで/5 ほとんどの/6 狩猟者が/1 HPなり/3 MPなり/3 減ってる/2
「エンジ殿に残ってもらったのは理由が/1 ある。/2
さきほどの/5 クマの魔物もそうだが、/1 魔物は/1 強い魔力に/3 寄ってくる。/2 この砂地に生息する鮫の魔物も/1 特にそうした性質があるようなのだ/3 」
ガナフドラ第一警備は長く砂漠の淵を演習に使っていただけに魔物の生態を研究していたようだ。
「つまり/7 僕が/1 ここで/5 魔法を/3 使ってると/2 /05 ニスミハさん達が/1 安全になるんですね/3 」
― 逆に/7 エンジが/1 行ったら/2 /05 鮫が/1 ついてきて/2 救助どころじゃないんじゃね？/2
― 鮫トレイン……/3
― なにそれこわい/6
鮫の魔物に追い掛け回されながら砂漠に落ちた気球を探し出して人一人を救助するというのはエンジに限らず難易度が高い。
ガナフドラの調査によれば。鮫はかなり遠くからでも魔力を感知する。
以前、狩猟者NPC三人組が家畜盗難の調査で空振った際も、砂漠で大きめの魔法を使っていたエンジに鮫が引き寄せられたのではないかということだった。
「何だよ/6 旦那のせいだったのかよ/4 」
「え、/6 何かすみません/6 」
「まぁ/6 今回の手当てに/3 色つけてもらうわな/2 」
「クマと/3 犬の/3 連戦っすからねー/2 」
「なんで/6 俺まで/1 」
エンジ達が居る街道沿いは狼の魔物が出るので、比較的元気だったメンバーを護衛に駆り出している。NPCからはいつもの狩猟者三人組と巻き込まれた開拓者のバサップ。プレイヤーはザスフームとイグドナ。
エンジ、エプヴィル、リスジェイアは護衛される側だ。
「私たちなんて/1 朝から/5 気球に/3 乗ったり/2 /7 大忙しだよ！/3 」
「気球ってぇのは/5 乗り心地/3 どうなんだ？/6 」
「乗ってる床が/1 フワンて/6 浮いて/2 すすすーって/6 移動するから/2 /04 変な感じ。/3 船で/4 流されるより/2 /06 揺れを/3 感じない/2 」
「揺れる時は/5 めっちゃ/6 揺れます。/2 ブランコに/3 乗ってる/2 状態に/03 近いかも/6 」
狩猟者の人と防壁に守られながら、エンジは砂漠の中の気配を探ってみる。
鮫の魔物らしい気配は徐々にエンジ達の方に引き寄せられ集まってきているようだ。
一方、ここは三百六十度どこを向いても砂の砂漠の真ん中。辛うじて北の崖のシルエットが見える場所。
砂漠と気球の残骸を照らす光が赤みを帯びてくる。
「もはやこれまでかもしれませんわ……/6 」
ニスミハは一人呟いた。
諦めるなとは言われているが、覚悟を決めたくもなる。
魔力感知はそこまで得意ではないが、夜が近づくにつれて魔物の気配が強まっている。
歩いて逃げようにも、辺り一面が体が一瞬で沈み込む砂だ。辛うじて気球のバスケットの残骸にのぼり、体が沈むのを防いでいる状態だ。
ふっと魔物の気配が薄くなった。
「……？/6 わたくしの気力が/1 尽きたのでしょうか/2 ？/6 」
じっと気配を感じ取ろうと砂地を睨む。
いつまでそうしていたのか、不意に、風の音に紛れて何か聞こえてきた。
………………―！
「ニスミハちゃーーん！！/1 」
「きゅーーい！！」
「パムーリンズさん！/1 」
ニスミハの声を聞きつけて一人と一頭は方向を変える。
不意にキューイが左を見て鳴く。
「きゅい！きゅい！」
「おっす！/6 任せな/2 きゅいちゃん！/1 」
パムーリンズは砂から飛び出してきた鮫をトンファー状の武器で弾き飛ばし、ほとんど止まらずニスミハを乗せる。
「このまま東へ！/3 太陽と逆方向だよ！/3 」
「きゅい！」
西日に照らされ、どんどん長くなる自分たちの影を追って、キューイたちは砂漠を走り去ったのだった。
「ニスミハたちが/1 砂漠を/3 抜けて/2 街に/3 向かった！/2 総員/1 撤収/2 」
簡易に作ってもらった土壁の向こうからエプヴィルが顔を出す。
「えー、/6 入れ食い状態だったのによ/3 」
「どこにいたんかってぐらい/6 魔物が/1 涌いてきたわな/2 」
「効率いいっすね/3 次からは/5 旦那と/3 バサップさん/3 連れて/2 狩りにいくっすか/2 」
「かんべんしてくれ……/2 」
― バサップさん/1 休日/1 潰れたんか/2
― 南無/6
― 貴族/3 連れてくのは/2 ちょっと……/6 みたいに/03 言われた/2 頃と/05 比べて/2 /7 ずいぶん色々/6 変わったよな/2
― いいことだ/3
― 開拓者に/4 壁/3 作ってもらう/2 のは/01 本当に/6 有効だったね/3
開拓者ギルドに緊急クエストの報奨金を渡す関係もあって、開拓者ギルドが反省会会場になった。
バサップさんも全力で飲み食いしてくれてたので良しとしよう。
再会を喜び合うガナフドラ第一警備の面々。
― 今回は/5 危ない場面は/1 多かった/3 が、/7 緊急事態だった割には/5 全員、/1 うまく立ち回った方だと思うぞ/2
― 前回と/5 あわせる/2 と/7 誰かが/1 吹っ飛ばされた/2 時の/05 リカバリーと/2 /7 とどめの/3 確認が/2 /01 今後の課題かなー/3
「きゅ～、きゅ～い」
頑張ったキューイは皆に全力でなでなでされている。
無事に済んだこともあってか、気球を観覧目的や輸送目的に使えるのでは、とか、砂漠で流動の魔法と船を使えばランドシップを作れるのでは、とか、面白い話が多い。
― ニスミハさんが/1 ロストしてたら/2 /05 多分/6 こういう話/3 できなかったじゃん/2
― 費用対効果の/3 算出/2 /05 難しいところだよな/3
― 安全第一って/1 こういう事/3
被害が出なかったおかげか、賑やかに宴会の夜は更けていく。
