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10 【開拓VRβ版実況2】貴族お断りされる

※お使いのパソコン・情報端末は正常です。

 セリフに数字が入力されていますが、本作品の仕様です。


 お酒のせいか、エンジの物腰が柔らかかったせいか、それとも舐められているのか、狩猟者NPC達はおくせず貴族の困ったところをあげてくれた。


「そもそも/6 俺は/1 特級市民と/3 組むこと自体に/2 /03 反対っすよ/2 」

 コップを置いてカーマンがきっぱりと宣言した。

 このゲームの特級市民とはエンジ達プレイヤーの事だ。


「おめぇ……/1 そんな/6 はっきりとよぉ……/6 」

「まぁ/6 自分達だけ/1 安全に/6 町に/5 もどって/2 /7 わしら/3 置いてきぼりだから/2 /04 無理もないわな/6 」


 聞けば帰還の魔法が発動するのは『パーティーを宣言した【プレイヤーのみ】』。

 一人がやられればパーティーを組んでいたプレイヤーは巻き込まれて同時に帰還してしまう。

 しかもパーティーを組んでいても一緒に行動していたNPCは自力で戻ることになる。

 NPCには帰還魔法がないのだ。


― 俺らは/1 命/3 掛けてんのに/2 /7 何なんだ/6 お前らは/1 って気にも/03 なるな/2

― 仮に/6 ロストの瀬戸際で/5 見捨てて/2 逃げられたら/2 /05 キレると思う/2


 視聴者もNPCに同情的だ。



「特に貴族様が/1 魔物に/4 ちっとでも/6 やられると/2 /05 ショックで/4 ぶっ倒れるんだわ/2 そんで/7 帰還魔法が/1 発動する/2 」

「いきなり/6 戦力が抜けた状態で/5 置き去りにされるんすよ/2 /7 たまったもんじゃないっす/3 」

「開拓者は/1 ちょっと殴られたぐらいで/5 へこたれねぇし/2 /7 学者は/1 身軽に/6 避けるんだ。/2

 貴族様は/1 そういうのに/3 慣れて無くて/2 いけねぇ/6 」



 開拓VRゲーム。Walkers(ウォーカーズ) on(オン) the() Frontier(フロンティア)。略称WotF。

 現在、不具合や説明不足のチェックのためにベータテスターに実況を推奨している。


 最初に選べる4種類のジョブの中でも戦闘面で最弱のジョブ、貴族。ダメージを一回でもくらってしまうと倒れてしまう。


 測量隊と一緒に外に出るのが一番安全かと思ったが、狩猟者NPCたちとしては来てほしくないようだ。

 要はすぐやられるので足手まとい。



 エンジのアクションゲームの実力を知っている視聴者達も辛辣しんらつだ。


― レトロゲーとかで/5 すぐ死ぬくせに/3 護衛イベントで/5 勝手に/6 うろちょろする/2 NPC/01 居るじゃん/2

― そいつが/1 死ぬと/2 /05 ゲームオーバーになる/2 やつな/03

― 私は/1 エンジが/1 ノーダメージで/5 動ける/2 とは/03 思えない/2

― デスワープと/3 考えれば/2 意外と/6 経済的かもしれん/2 。/7 組むプレイヤーの/9 実力と/3 目的/3 によっては/04 連れてってもらえるかも/2


― デスワープって/1 何?/6

― デスワープとは。/1

 倒されても/5 損害が/1 少なく、/2 /7 セーブポイントなど/9 特定の場所から/5 コンテニューされる/2 ゲームシステムの場合、/05 /7 コンテニュー地点が/1 目的地に/3 近い/2 ときに/05 あえて/6 倒されて/2 ショートカットするという/2 テクニック。/03

 日本では/5 /7 国民的RPGゲームの/5 移動魔法の名前を/3 冠された/2 言い回しのが/01 一般的/3


― でも/7 このゲームは/1 拠点が遠いと/5 復帰まで/5 時間がかかるんでしょ/2 ?/6

― プレイヤーは/1 分からんけど/2 /7 少なくとも/6 NPC狩猟者達は/1 完全に/6 拒否の構えだな/2



「それは/1 ……どうにもなりませんね/2 」

 エンジは苦笑するしかない。


「悪いけど/6 俺たちの実力では/5 護衛しきれないんす/2 」


― むしろ/6 大人数に/4 護衛してもらって/2 /05 ちょっと攻撃だけ当てるやつ。/2 /7 鷹狩みたいな/6 スポーツ感覚でできる状況を/3 作った方が/2 いいかも/6

― 測量/1 一段落したら/2 /05 そういう仕事を/3 発注して/2 /04 NPCの雇用を/3 作るんじゃない/2 ?/6

― そういうゲームなのか/3 ?/6


― むしろ/6 大軍団の/5 指揮官向きに/3 感じた/2

― 貴族だもんな/1

― いまだに/5 貴族が/1 何をする/2 ゲームなのか/01 分からん/2

― 何なら/6 社会的地位も/3 よく分からん/2

― 資本家と貴族の中間/5 みたいな感じ?/6



「では、/6 測量や探索は/3 皆さんに/5 お任せですね/2 」

 エンジがそう言うと狩猟者NPCは心底ほっとしたようだ。


 ついていくとごねられるのは相当面倒くさいのだろうけれども、機械とは思えないリアクションの露骨さでちょっと凹む。


「おう、/6 話が分かるな。/6

 パーティーを/3 組むときは/2 /05 開拓者ギルドに/5 依頼として/3 出すか/2 、/7 一人一人に/3 声をかけて/2 集まったところで/2 /05 パーティーを/3 宣言して/2 金を/3 渡すかだ/2 」


 プレイヤー同士でパーティーを組むと、チャットのような簡単な通信を使え、誰かが倒れたら同時に拠点に帰還する。

 NPCとパーティーを組む恩恵は残念ながらほぼ皆無。


「ありがとうございました/6 他に/9 気にかかる/2 事とかは/01 ありますか/2 ?/6 」

 エンジの質問に少し考えて狩猟者NPCが答える。


「あー、/6 貴族様よぉ/1 汽船を/3 ちぃーと/6 減らせねぇかな/2 」

「この辺は/5 満足に/6 魔石が/3 取れなくて/2 /04 品薄なんす/3 」

― 汽船?/1

― 魔石?/1

― 何の関係が/1 あるんだ/2 ?/6


「魔石ですか?/1 」

「おう、/6 魔物を/3 大量に/6 狩りに行けねーから/2 /04 魔石が/1 ねぇ/2 」

「俺らが/1 魔法を/3 使うにも/2 /05 暖をとるにも/5 魔石が/3 必要だが/2 /7 汽船の燃料として/4 買い占められちまうんだわ/2 」

「近場は/5 粗方/6 狩りつくされてるんす/2 けど、/7 地図も/1 拠点も/1 ねぇから/2 /04 うかつに/6 遠征できねぇんす/2 」


― 燃料/1

― 石炭みたいなポジなん?/3 /6 魔石/1

― なるほど/6 魔石は/1 燃料/3

― 魔法を/3 使うのに/2 アイテムが/01 必要なの/2 ?/6

― 魔石は/1 魔物から/5 取れるって/2 /03 理解で/2 いい?/6


「あとは/5 仕事が/3 定期的に/6 入れば/2 /05 言うこたぁないね/2 」

 狩猟者三人組が感慨深そうに頷く。


「そうなんですね/6 ありがとうございました/6 」

「いいってことよ/6 」

「俺らは/1 仕事ねー時は/2 /05 この辺に/5 居るんで。/2

 護衛なり/4 警備なり/4 人手が/3 必要な時は/2 /05 声かけてほしいっす/2 」

「分かりました/6 」

 エンジはちょっと考える。


 最初のジョブ選択で、貴族は魔法が使えると聞いた。

 使い方を学ぶなら、普通に考えれば開拓者ギルドだろう。

「あとは……/7 魔法の/3 練習をするのに/2 良い/6 場所を/05 ご存じありませんか/2 ?/6 」


 ちょっと三人が顔を見合わせてアイコンタクトのようなものをとった気がした。

「ここのギルドの裏庭っすね/5 」

「ミルウェちゃーん、/1 案内してあげてほしんだわ/2 」

「俺らも/1 ちっとは/6 分かるんで/2 /7 アドバイスぐらいできるからよ/2 」


― 使えるわけないだろ/2 /7 こちとら/1 魔石すら/3 見た事ねーぞ/2

― 不安/6


 という視聴者の文句もむなしく、ギルドの裏庭に移動する事になった。

 NPC相手なのに断りづらかった。



 平らにならされた敷地の真ん中に幾つか立てられたまとの代わりの棒杭ぼうくい

 端の方には奇襲の練習用か盛り土や茂みがある。


 雨避け程度の簡素な屋根の下には木箱に積まれた木剣や盾、綿のはみ出たボロと木の兜、布弦つるの切れた弓矢など。

 粗末、と言っていいがとりあえず一通り揃った訓練設備になっていた。

 

 

「まずは/5 全身の力を/3 抜くとか/2 /03 言われるが/2 /7 戦闘中に/5 そんな悠長ゆうちょうな事/3 やってられねーな/2 /7 魔石で/4 殴るだけだ/2 」 

― 魔石/3 持ってねー!/2

 

「さすがに/6 魔導手袋は/1 もっとるわな/2 」

― 魔導手袋って/1 何よ?!/6


 ミルウェさんはすまなそうにしている。

「普通は/6 魔石を/3 手に/5 持って/2 使うんです/2 けど……/7 今/5 ギルドには/5 魔石/1 なくて……/2 大丈夫ですか?/6 」

― 大丈夫じゃないです/3


「貴族は/1 魔石/3 使わないでも/2 /05 魔法が/3 使えるって/2 まじすか?/6 」

― しらねーよ!/2

― ニヤニヤして/6 見てるから/2 /04 ぜってー/6 分かっててやってるって!/2 こいつら!/1


― マジで/6 魔石/1 無い/2 って/03 言ったそばから/2 /05 練習したいって/3 いうから/2 /04 カチンときたんじゃないの/2 ?/6

― 実戦できない奴に/5 ちょっと/6 身の程/3 思い知らせてやろうってんでしょ/2

― 変になつかれて/2 一緒に連れてけって/2 /03 言われ/2 たら/05 たまったもんじゃないからな/6


 視聴者がNPCに文句を言っている間、エンジはヘルプのハロウさんを呼び出した。


 魔導手袋というのは手に持った魔石を魔法に変換するアイテムで、プレイヤーは全員持っているらしい。

 エンジも着けている銀の刺繍の白い手袋がそれで、狩猟者や開拓者だと革などの丈夫な手袋もあるようだ。


 手のひらに魔石を載せて四系統の魔法を再現することができる。しかし肝心の魔石は、今手元にない。


 ハロウさんは解説を続ける。

『魔石を/3 使わない/2 場合、/05 ジェスチャー入力は/1 不要です/3 』


― 魔石を/3 使わんでも/2 /05 魔法/3 使えんの/2 ?/6

― 何のための/6 魔石だよ/1 ?/6

― さっさと/6 そっち/3 教えろ/2


『まずは/5 リラックスしましょう/2 』

― でっかい狩猟者も/1 リラックス/3 言ってたな/2

 ハロウさんの周りに解説用の立体映像が出てくる。なんだかもやもやした白い塊だ。

『圧縮は/1 熱。/3 拡散は/1 爆発、/3 または/7 急激な圧力低下による/4 冷却。/3 流動は/1 水や/3 風を/3 操り。/2 摩擦は/1 電気を/3 起こします/2 』

 説明に合わせてもやもやが動いたり色を変えたりする。熱や爆発のところで赤っぽくなったり冷却や水で青っぽくなったり色々だ。


『魔力を/3 操って/2 /7 これらの現象を/3 起こすことで/2 /04 魔法を/3 使用します。/2

 魔法の説明は/1 以上です。/3 繰り返しますか/2 ?/6 』


― おーっと/6 全然/6 分かんねぇぞ/2

― ハロウさん!/1 実践は!?/3



「……とりあえず/6 リラックスすれば/2 /05 いいんですかね/3 ?/6 」

 ふっと力を抜いたエンジは目を疑った。視聴者コメントも活発になる。


― エンジ、/1 何か白いモヤみたいなの/3 見えね?/2 /6 俺の画面の/5 不具合/3 ?/6

― 何かある?/3 霧?/1 ドライアイス?/1 /6


2019.12.26 一部表現追加、変更


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