12
「よーし! 今日は球技大会に向けての練習だ。まずは二人一組で柔軟運動をしてくれ」
もう直ぐ梅雨の季節だという頃、俺達の高校は球技大会を開催する。まあ当然体力差があるから男女別だし、部活対抗も有るから勝ち抜かない限りは暇なのだがな。早く終わった者は試合観戦そっちのけで友人と話し、友人の少ない者は親しくもない者の応援をして暇を潰すしかない。
俺か? 去年は俺のクラスは男子女子ともに優勝したぞ。ああ、能力発現による身体能力の上昇には制限を掛けてだ。でないと不公平だからな。
「柔軟手伝ってくれるかい?」
体育館の中、直ぐに組む者達とあぶれる者が出る中、背後から肩を叩かれて振り返れば返事を待たずして遥が此方に背中を向けている。毎度の事ながら親しき仲にも礼儀ありという言葉を知らないのか、この馬鹿は。
「毎回俺に頼むが女子には頼まないのか?」
「馬鹿だな。柔軟をしてる時の私の華麗な姿を一人でも多くの子猫ちゃんに見せる為だよ」
髪をかき上げて堂々と語る遥にキラキラとした視線を向ける女子が数人。それとは別に俺に同情の眼差しを送るのも居る。まあ、仕方ない。この同姓相手の全自動セクハラマシーンに女子の相手をさせられないな。
背中を合わせて腕を組み、前に体を曲げることで遥の背中を大きく反らす。男子の視線が俺の背中の上に向けられたが、直ぐ様発せられた殺気で慌てて逃げ出した。
「お前なぁ。自分だって散々女子に絡んでいるだろう。……次は気をつけろ」
まあ不躾に胸を凝視されれば怒っても仕方がないか。この馬鹿の男嫌いは知っているし、奴らも自重すべきだ。
「……ああ、そう言えば君と組んだら君は私の柔軟の姿が見れないのか」
「別に見たくもないがな。ほら、背中押すぞ」
床に座って足を開いた遥の肩に手を置いて押してやる。何の抵抗もなく前方に曲がって胸が床にくっついた。これ以上は胸が邪魔で無理だな。
……今、轟が舌打ちをしたような。
「じゃあ、次は君の番だね」
「この前みたいに背中に座って体重をかけるなよ? 俺に尻に敷かれる趣味はない」
「亭主関白をお望みかい? まあ、別に良いけど?」
別にそんな意味で言ったのではないのだが、面倒なので言わないでおく。遥と同じように床に座り足を広げ腕を前に伸ばすと上から力が掛けられる。柔らかい物が二つ背中に当たっていた。
「私はか弱い女の子だからね。こうして体重を掛けないと柔軟にならないだろう?」
「よし、今日から昼休みに勉強をしよう、まずは『か弱い』の意味を暗記しろ」
前から思っていたのだが遥は俺に対して警戒が無さ過ぎるのではないか? 信頼されるのは嬉しいが、その様な事だから俺と恋人だと勘違いされるのだ。
……いや、俺もそうか。最も信頼を寄せる相手は誰かと問われれば迷いなく遥の名を挙げるだろう。まあ、昔から分かっていた事だがな。
「遥、お前は俺にとって大切な存在だったんだな。今、改めて思った」
「ふぅん、まぁ、私もそうだけどね。君は私にとって掛け替えのない存在さ。自分より優先しても良いと思う程にね」
「お前はお前を優先していろ。互いに相手を優先していたら逆に面倒だ。共通の優先順位はお前が上だ、良いな?」
この程度の事態々言わなくても良いだろうにな。……む? 何故か怒っているような気がするが……。
「それはあり得ないよ。普段から他の人との事で君に負担を掛けている。なら二人だけの事については君を優先すべきだ」
「良いから俺の提案を受け入れろ。どうせ普段の延長線上だ」
聞き分けの悪さに振り向けば遥は不機嫌そうな顔で俺を見下ろしている。ええい! 相変わらず妙な部分で頑固な奴だ!
「そうやって善意を優先するの良くないと思うよ? 少しは自分を大切にしなよ」
「余計なお世話だ。俺はしたくてしているのだからな」
立ち上がり、互いに息の掛かる距離まで顔を近づけ睨み合う。何故か此処最近不機嫌だったが、どうもそれが爆発したようだな。何かあったなら俺が聞いてやるというのに。昔からそうして来ただろう。
「……そういえば君とは喧嘩をした事が無かったよ。何だかんだ言って私が怒らせても直ぐに許してくれたからね」
「お前も一線を越えず、俺もお前を怒りたくないからな。傍に居るんだから仲良くしている方が良い」
「うん、それは同感だ。君とはずっと仲良くしたい。でもさ、私にも譲れないものがあるんだ」
「奇遇だな。俺もどこぞの分からず屋にしっかりと言い聞かせたい事がある」
火花を散らすような勢いで俺達二人は額をくっ付けながら相手を睨む。ああ、本当に此奴とこうなったのは初めてだ。何時も俺の後を付いて回り、傍に居るのが当然だった遥だが……。
「君が私より自分を優先させると言うまで絶交だ」
「それは此方の台詞だ。優先すべきはお前だと認めるまで許す気はない」
「「この頑固者がっ!」」
フンっと鼻を鳴らすと互いに背を向けて離れる。ああ、本当に腹立たしい話だ!!
「っという訳で喧嘩中なのだが、あの馬鹿者を納得させる良い知恵はないか?」
「いやいやいや、何処からどう見ても喧嘩ですらないだろ!? ……阿呆らしい」
「という事なんだけど、彼を納得させたいんだけどどうすれば良いと思うかい?」
「もう末永くお幸せに爆発すればどうでしょうか?」
放課後になってもあの馬鹿は納得せず、互いに焔と轟に相談するも相談に乗ってくれない始末。何か怒らせるような真似をしたのだろうか?
「久し振りだな、我が夫よ。今日こそ貴様を連れて行くぞ。不安になる事はない。最初が痛いのはお前ではなく私だからな」
「ええ、どの様な鬼畜な真似にも耐えて御覧に入れましょう」
「大人しくついて来なって」
遥と喧嘩をしていても任務を私的な理由で放棄は出来ない。放課後、工事予定地の廃ビルに住み着いたダックスフンドの悪霊を退治した後、アリーゼ達が現れた。
「帰れ。今は遥の事で頭が一杯だ」
「悪いが今日は帰ってくれ。今は彼の事しか考えられないからね」
この後、互いに無言のまま何時もの様に協力して撃退し、無言のまま家について食事の準備を進めた。
「……」
今日の夕食は牛筋肉の煮物。遥がそれ程好きではない脂身の部分を入れないように器に注ぎ、無言で前に置けば向こうも無言でお茶を淹れて俺の前に置く。俺好みの温度のお茶だった。
並んでテレビを観ている間も無言で過ごし、少し遥の視線が気になりながらも俺は言葉を交わそうとはしない。もう此方が折れても良い気がしてきたが、あの馬鹿がもしもの時に自分を優先すると約束するまでは折れる訳にはいかない。
大人しく守られていろとは言わないが、もう少し自分を大切にしろ、馬鹿者が。どれだけ成長したようでも根本は変わっていないだろうに。
モヤモヤを抱えたままでは熟睡できなかったのか夜中にふと意識が目覚める。目を開けると仰向けに寝た俺の上で遥が跨っていた。また何時もの馬鹿な悪戯をして有耶無耶にする気かと思ったのだが、目を見てその考えは消え去る。
「……嫌だ」
目から大粒の涙をポロポロ流し、目で擦っても止まらない。ああ、これが此奴の根本的な面。神から貰った戦闘に耐えられるだけの強い精神をもってして泣き虫は変わらないんだ。不安で体を震わせ、俺の布団をギュッと握り締める。
「……君が口をきいてくれないなんて嫌だ。……君に無視されるなんて嫌だ。……君に嫌われるなんて絶対に嫌だ。私が…私が悪かったからっ! だから嫌わないで!!」
「……まったくお前は」
「なんでもするからっ! だから、だから……」
ついに感情が決壊し大泣きを始めた遥に対し、俺は上半身を起こして抱き寄せ、頭を撫でてやる。少しは落ち着いたようだが嗚咽は止まる様子がない。それだけ俺に嫌われると思ったのだろうが……。
「俺がお前を嫌う筈がないだろう、馬鹿が。もう泣くな。俺が悪かったから泣かないでくれ……」
「……うん」
「どちらを優先とか忘れろ。いや、どちらも優先させる。臨機応変にだ。それで良いな?」
「……うん」
……結局これか。此奴が一度泣き出したら俺が折れるしかない。泣く子と地頭には勝てない、とは上手く言ったものだ。
暫く抱きしめていたら遥も泣くのを止める。さて、スッキリしたら眠くなって来た。
「おい、そろそろ部屋に戻れ」
「……やだ。今日は此処で寝る。君と一緒じゃなきゃやだ」
俺にしっかりとしがみ付いて離れる様子のない遥。結局、俺が折れるのが何時ものパターンだな。いい加減学習しろ、俺。
「拒否すればまた泣き出すのがオチか……今日だけだぞ」
「うん!」
まったく、相変わらずこのような時の笑顔だけは本当に魅力的なのだがな……。
私は今、夢を見ている。幼い頃に憧れた花嫁姿の私はお父さんとバージンロードを歩いている。ああ、なんて素敵で甘い夢なのでしょう。このまま浸っていたいと思うほどに……自分に腹が立ちます。
お父さんは死んだ、もう居ない。私はあの時から化け物どもを皆殺しにすると決めたのだから、もう人並みの幸せなんかに興味はない。何を未練たらしい夢を見ているのだと歯噛みする。
「……せめて披露宴から始まれば」
御馳走を食べる夢なら歓迎だと思いながら向こうで待っている結婚相手に視線を送る。此処からでは顔がボヤケてよく見えないが、いったいどんな顔をしているのやら。自分の甘さを確認する為にも夢に出した結婚相手を確かめましょう。
「刹那、幸せにな」
ああ、五月蠅い。お父さんは死んだ。夢の中の存在でしかないくせに、あの人が言えなかった言葉を私に投げかけるな。グッと拳を握り締め、自分の馬鹿さに呆れながら前を向く。花婿の顔がハッキリ見えていた。
「幸せになろう、刹那」
結婚相手は委員長でした……ふぇ!?
「では、さっそく誓いのキスを……」
私の肩に委員長の手が置かれ、顔が近付いて来る。やがて二人の唇は……。
「はうっ!?」
驚きのあまり布団から跳ね起きる。ドキドキと五月蠅い程に高鳴る鼓動を感じながら少し熱く感じる顔を両手で挟み込む。
「……偶然です。他に関わりの深い男の人が居ないから、偶々委員長が役に当て嵌められた、それだけです」
自分言い聞かすように呟いた後、時計に目を向ける。まだ少し早いが二度寝すれば寝坊しかねない中途半端な時間帯。
「目覚めるのがあと数秒遅ければ……」
ですが、夢の続きを見たいので二度寝を決行します。いえ、どうしてあの様な夢を見たのか自分なりに分析する為ですよ? そもそも結婚相手にしたという夢を見たからと言ってその相手に惚れているというのは短絡的思考であり、創作物などの影響を受けすぎていると言わざるをえません。以上の理由から私が委員長に惚れているなど荒唐無稽な判断であり、そのようなことを口にする方がいましたら即座に訂正を求める所存です。ええ、そうです、間違い有りません。確かに委員長はベタベタするような鬱陶しい距離ではなく、つかず離れず微妙に離れた少しもどかしさを感じる距離から接してくれますし、何かとお世話になっています。ですがお世話になったとは言え、それで異性としての好意を抱くというのは早計であり、非現実的。以上の理由から完全無欠な正論によって私は彼に仲間としての好意のみ抱いていると言えるでしょう。いえ、そうとしか言えません。
っと以上の委員長を好きなわけではなく自己分析による精神状態の解析という理由の為に二度寝をし、遅刻をして怒られました。
夢? ええ、回転寿司を回らなくした夢を見ました。・・・・・・少しだけ、そう少しだけ残念です。
「もうすぐプール開きか。大人の階段を上りつつある年頃の女の子の体(未発達でもオッケー)を覆う薄い布。水に濡れて体に張り付けばラインを鮮明にし、その姿は正に一種の、いや、究極の芸術品。スク水、ハイレグ、ビキニ、競泳水着、水着にいっさい貴賤無し! ・・・・・・因みに薄いシャツを上から着て、濡れて張り付いたそれが透けているのとか最高だと思わないかい?」
「教室の真ん中で昼間から何を言っているんだ、ど阿呆が。取り敢えずお前が最低だとは分かった。いや、分かっていた」
今日の午後からプール掃除だと聞かされ、神野さんは相変わらずの神野さんでした。私は本を読みながらチラリと二人の方に視線を向けると頭痛を堪えている委員長の唇が目に入る。気付けば指先が唇の先に触れていました。
「昼間からするからこそ意義があるんじゃないか。あっ、君は猥談は夜のみ派? よし! 今日の夜はとことん語り合おうじゃないかっ!」
あっ、ようやく委員長が辞書を取り出しました。逃げられないように神野さんの肩を掴み、容赦なく分厚い装丁の辞書を振り下ろす。
「ひげっ!?」
「反省しろ」
さて、どうせこの後は二人でお食事に行くのでしょうし、これで静かになるから私もお昼ご飯にしましょう。今日のメニューは炒り卵になった目玉焼きと少し醤油臭い豚挽き肉とクタクタになったほうれん草を乗せた三色丼。それと昨日の残りのカレーに半額シールが付いたコロッケ、水筒に入れた野菜スープです。
「ねぇ、彼氏にするなら誰が良い?」
「私は焔君かなー? 熱血漢って感じでさ」
「アンタってスポーツマンタイプ好きね。確かにイケメンだけど、アタシは暑苦しいの無理だわー」
ふと、耳を澄ませば聞こえてきたのはクラスメートの恋愛談義。特に興味はないですが、すぐ近くで話されては聞こえてしまう。仕方なしに無視して食べ進める中、先輩の誰それが素敵、後輩のあの子が可愛い、などと話題は尽きません。ですが私には関係ない話です。
「委員長も素敵なんだけど、遥ちゃんがいるからねー」
「分かる分かる。優良物件だけど、あそこまで相思相愛の相手が居たら手を出す気が起きないよね」
・・・・・・はぁ。持ってきたお弁当を食べ終わっても何故かモヤモヤとした感情が胸の中に存在し、食べた気がしません。仕方ないので購買でパンでも買いましょう。それなりに食べたので軽めの物を・・・・・・。
「・・・・・・ラッキーでした」
いつもは人気で売り切れる焼きそばパンにカツサンドにメロンパンを全て買えて鬱屈した気分も爽快です。まだ時間があるから気分転換にどこか違う場所で食べようと適当に歩いていた時、委員長の声が聞こえてきました。ええ、共に戦う仲間ですし、パンを食べながら話すのは悪くないでしょう。
他意を持たない私は少し軽やかになった足取りで声のした方へと向かい、物陰で立ち止まる。委員長のすぐ側に彼女が居るのなんて分かりきった事でしたのに・・・・・・。
「日帰り旅行?」
「ほら、この雑誌に特集されているツアーだよ。ヌイグルミの工場でオリジナルの作成体験が出来るんだけど、二人で行けば二種類作れるだろう? 頼むよ。君の分は私が出すからさ」
何の工場かはよく聞こえませんでしたが、神野さんは委員長を旅行に誘っていると知った途端、再び胸がざわめきました。この感情の名は不安。何故私は不安を感じているのでしょうか。だって、これではまるで私が彼の事を・・・・・・。
「いや、出さなくて構わない。自分の分くらい出すさ。お前となら楽しめそうだからな」
「あはっ! やっぱり君は私には不可欠な存在だよ。ふふふ、本格的に夏が来たら一緒に海に行こう。サンオイルを塗らせてあげよう」
「確かに塗っておかないと後で痛いからな。お前、小さい頃に日焼けで痛いってピーピー泣いていたし、少しは学習したか。それと暑苦しいから離れろ」
喜んで委員長に抱き付いた神野さんですが、委員長は片手で押し退けています。少し眠そうですし、付き合うのが面倒なのでしょうね。
「なんだ、眠いのかい? ほら、貸してあげるよ」
「悪い。少ししたら起こしてくれ・・・・・・」
神野さんは膝をポンポンと叩き、委員長は平然と頭を乗せる。ほんの僅かな時間で委員長は寝入っています。きっと彼女を信頼し、一緒にいると安心するからなのでしょうね。神野さんも委員長の寝顔をリラックスした表情で眺めていて、私はチクリ痛む胸に手を当てながらこの場を立ち去りました。
「どうも君と私は端から見て恋人に見えるらしいけど、今の関係が長すぎてよく分からないや。きっと恋人になるって決めても変わらないんじゃないのかな? でもさ、もし私が今の関係より先に進みたくなったら、その時は宜しくね。・・・・・・なーんて、寝ているから聞こえていないか」
放課後、まだチクチク痛む胸に悩まされながら帰っていた私は誰かにぶつかってしまいました。相手の持つスーパーの袋から飛び出したリンゴをキャッチしようとし、それよりも先に伸びた手がリンゴを握り潰す。相手の顔を見た時、私は思わず固まってしまいました。
「うん? お前は確か・・・・・・」
「アリーゼの部下の・・・・・・」
そう。ぶつかった相手は大量の食材を買い込んだ、アリーゼの部下のガサツそうな方でした。何故、この無駄に脂肪が胸に付いた人が・・・・・・? いえ、関係有りません。此奴は化け物で、化け物は私の敵ですから。
「止めとけ止めとけ。お前じゃ私には勝てねぇって。武器も持って無いしな・・・・・・それとも町を犠牲にしてでも私と戦うかい?」
「ぐっ!」
悔しさから拳を握り締める。私なんて眼中にないと、暗に告げられていました。
「じゃあ、私は帰るから。お前の仲間の彼奴を振り向かせる為にアリーゼ様は料理の勉強してるんだ。急いで帰らないとエトナに怒られる」
「・・・・・・あれだけ邪険にされて諦めないのですか?」
勝ち目のない恋敵が居るのに何の意味があるのでしょうか・・・・・・。
「はぁ? んなの関係有るか。好きになったら一直線が私達だ。惚れたなら何が何でも手に入れたいってのが恋だろ」
「好きになったら・・・・・・」
別に私には好きな人などいませんが、それでも先ほどの言葉が頭から離れません。部屋に戻ってお菓子を食べていても気分が晴れずにいた時、チャイムの音が聞こえました。どうやら何時か忘れましたが懸賞に当選したらしく封筒にチケットが入っています。
お食事券に印を付ける筈が間違って遊園地のペアチケットに印を付けていたのですね。確か恋人と行きたい人気スポットに選ばれた所だとか。・・・・・・くだらないです。そんなの今の私には何の意味も・・・・・・。
携帯を手に取り、委員長にメールを送る。チケットが勿体ないので一緒に行きませんか、と。私は一体何をしているのでしょうか。これではまるで私が・・・・・・委員長を好きみたいではないですか。
『ああ、分かった。その日は予定がないから行こう』
・・・・・・何故かは知りませんが、そのメールを読んで嬉しいと感じました。次の日曜日が楽しみです・・・・・・。




