表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【詩集】Shangri-La

八瀬の秋

作者: 野鶴善明


 あの人と過ごした

 何気ない日々

 長い髪に

 ふと手をやる仕草が

 愛おしかった


 旅を終えれば

 帰ってくると

 約束したが

 そのあてはないと

 わかっている


 今は独り

 渓流に佇み

 あの人の横顔を

 想い出す


  秋の瀬音

  さみしくて

  八瀬の水音みなおと

  暮れなずむ空に

  過ぎ去りし夏を想う



 短い日々で

 よかったのかもしれない

 美しいまま

 ふたりの物語を

 飾っておけるから


 交わした言葉が

 心のなかを

 めぐりめぐって

 いつかわかりあえると

 思いたい


 今は独り

 風に佇み

 竹の葉ずれに

 口ずさむ


  秋の瀬音

  せつなくて

  八瀬の水音

  暮れなずむ恋に

  過ぎ去りし君を想う



 遠くおぼろに

  鳴る鐘に

 砕ける光が

  沈みこむ

 時のうつろいを

  静かに告げる


 すれ違った愛が

 夢のなかを

 めぐりめぐって

 いつかわかりあえると

 信じたい



※八瀬 京都市左京区。叡山電鉄の終点。比叡山へ登るロープウェイがある。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ