大富豪2
『じゃんけんぽん!』
じゃんけんをして誰から始めるかを決める。勝った人から時計回りなので私は4番目だ。
「じゃあわたしは7で」
ついに大富豪が始まった。次々とカードが出され、私のときには場には12のカードが。
「……パス」
私はパスをした。しかしこれは戦略的なパスではない。単純に出せるカードがなかったのだ。5人の大富豪、そこまで多くない人数なのに私のとったカードのなかには、13以上のカードは1枚もなかったのだ。そうなるとあとは11バックにかけるしかないのだが、まさかの11もない。あいかわらず私はこのカードに嫌われているようだった。
5分後、予想通り私の負けで第1回戦は終わった。配られたカード10枚のうち、半分の5枚もカードが残った状態で負けてしまった。
このサークルでは大富豪と大貧民によるカード交換はない。そのかわり敗者はカードを切って配らなければならない。まあけっこうこれはみんなの地域でもあるんじゃないかな。
なにはともあれ2回戦。カードを配り目の前にある10枚のカードをとる。
ふむふむ、なかなかいいんじゃないだろうか。これなら3位以内には入れるだろう。しかも順番はさっき負けた私から。これはがんばるしかない!
5分後、私は机に突っ伏していた。そう、また負けたのだ。ある程度いいカードはあったのだが、それを温存していたところで革命が起こってしまい私のカードは弱いカードばかりになってしまったのだ。
「なんでカード温存してたんだろ」
革命を起こした本人以外はまさかの出来事だったので、普通なら私にも勝てる可能性はあったのだ。それまでカードを温存せずにある程度出していればいけたかもしれない。しかし、やっぱりこのカードを使うときは私に運は向いてないようだ。