表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ゲルニカ2016

作者: 五江座

クローン技術で自分の複製を作られるようになった

現在。


俺は、20体までの「自分」を作ることが認められている。

それは適性検査と年収と階級で決まる。


サイボーグ化が進み、知能、身長、容姿、など

自由に決められるようになった。(じぶんの頭を悪くしたり、

不細工な怪物になる自由も認められたのだ)


始めは、ほんの小さな「変化」だった。

「複製一号」には不倫をさせた、自分の変わりに。


自分の部下の若い女子を口説かせた。

その様子を自宅の居間で、妻と鑑賞していたのだ。


妻は、彼女は何も言わなかった。むしろ、

彼女のほうが先に、クローンを造っていたのだ。


次に、俺は大嫌いな上司を殺させた。ピストルで撃たれると、

上司は、芝居がかった様子で倒れた。死さえも楽しんでいる。

彼もまたクローンなのだ。

上層部は、ほとんど、外国に脱出して、モニターで

見ている。


街では戦争が始まっていた。銃撃の音が、とぎれとぎれに響いている。

俺は、レストランに入って、じぶんでコーヒーを淹れて飲んだ。


若い、サーカスのクラウンが、瓦礫(がれき)の上に腰掛けている。

彼はピエロになりたかったのだ。ここじゃ、彼の芸など、誰も見ない。

2週間後の星間光速艇で、エンターテイメントの盛んな惑星に行くつもりだ。


怪我をした馬が、街を歩いている。自然の馬ではなく、おそらく、改造した

人間だろう。


我々は、死から開放された。


折り重なるように死体が置かれてある。


死者の口は開かれている。何か叫んでいるように見えるが

何も聞こえない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ