Story2 とある噂。
西野家の人物
西野 明日香
15歳(♀)‐雪丘中学校3年5組‐所属:バスケ部
→宥の妹。兄の宥や、和馬、愛子とも仲が良い。
和馬によく貧乳を馬鹿にされる。
西野 明子
38歳(♀)‐専業主婦
→宥、明日香の母親。料理がとても上手。
調理師免許をもっている。
西野 宏信
43歳(♂)‐会社員
→隣町にある大手企業の重役。
ちょっとお茶目なおっさん。
↓
「あいつら、ホンマに元気やなぁ」
愛子が校舎4階にある2年A組の教室の窓から見える、
フットサル同好会の試合を見ながら呟く。
それに気づいた宥と和馬が下で大きく手を振っている。
「ええから試合に集中せんかーい!」
そう言いながら、愛子は微笑む。
――こんな毎日が、いつまでも続いたらええのになぁ。
愛子は心の中で呟いた。
試合終了の笛が、校庭いっぱいに響き渡る。
「3-2、2年チームの勝利!」
「ありがとうございました!」
「いやー、勝った勝った!」
和馬が上機嫌で笑っている。
「まさかお前がハットトリックなんて決めるなんてなぁ」
宥は心底驚いてるようだ。
「俺様の技術が凄いってことさ」
「そうだね・・・」
宥は若干呆れている。
「おーい、お疲れ様ー!」
愛子が校舎から声をかける。
「おーう!」
和馬はまだ調子に乗っているようだ。
「和馬、騒いでないで教室戻るぞ」
宥はなんでこんなに冷静なんだろう・・・。
和馬はとても不思議そうだった。
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「お兄ちゃんおかえりー」
「おう、ただいま」
妹の明日香が階段から降りてきた。
「もうすぐ夜ご飯できるってよー」
「うん、わかったよ」
俺は妹とすれ違うように階段を上り、自分の部屋に向かっていった。
夜ご飯を食べ終えた俺は、部屋に戻り、PCに向かっていた。
いつものようにだらだらと、食後の生活を送っていた。
いろんなWebサイトを見ていると、宥の目に、一つの記事が目に留まった。
「幻桜山の桜の伝説、か・・・」
そのサイトには、
『幻桜山の頂上に咲く桜、幻桜に手を当て、願い事を言うと、
願い事が叶うらしい。
しかし、この噂を確かめに幻桜山に登った者は、
誰一人として帰ってこれないらしい。
この噂を信じるか信じないかは、あなた次第。』
と、書かれていた。
「・・・なんだか、面白そうだな」
俺はその時、この噂が本当なのか、少しだけ気になっていた。
続く
ENiです。
手の震えは止まったものの、
今度は足が震えています。
今回見てくださった皆様、本当にありがとうございます。
次回も読んでいただけたら、土下座して喜びます。