第弐話 緑色
「撤退ィ!撤退ィィ!」
敵の鶏の様な獣人が軍刀。訓練中に襲撃してきたのは不幸中の幸いだった。民間人は回りにいなかったため、犠牲者は軍人だけに留まっている。
「ヘルミーナ少尉、来てください」
「ほっ本当です!ゲホッ!東門にいます!」
「なら、是非とも見せてもらおう。案内して」
胸倉を離すと襟を直してやり、案内をするように命じた。
(今は猫の手も借りたい所だ。味方になりそうならば引き入れたい)
二人の丸腰戦法は馬鹿としか言い様がなかった。
二人は驚きの声をあげ、困惑している。
「なんでってつーか大丈夫かあの子?」
「赤木が背負われている女の子を羨ましそうに見えるのぼくだけ」
先程まで苦しそうに呼吸をしていた蒼い髪の少女はいつの間にか九条と赤木の所に行き、三人は土嚢の内側へと入って行った。
「とりあえず、戻るか」
「そうですね」
二人が病院の扉をて膝まであるストッキングに長い軍用ブーツを履いている。
全員に共通しているのは青く光るラインの入ったブレスレットを装着していることだ。
女性兵士以外は左腕「やっぱり、この世界の標準語は日本語なのね」
「落ち着いてください。我々は日本国陸上自衛隊の九条健二三等陸尉です。こっちが部下の赤木ユリア三等陸曹です」
九条は落ち着いた声
女性兵士が質問に夢中になっている間、アサルト・ライフルを構えていた兵士は互いに呟き合完全に警戒を解いたわけではなさそうだ。
「失礼ながらあなたの名前は?」
ずっと黙っていた赤木が女性兵士に名前を窺った。存在を忘れられていた赤木は少し仏頂面だ。
「セイレーン王国第四十七都市【ルロイ】防衛連隊、第三小隊小隊長のヘルミーナ・クノールシャイトだ」
前に停車した。