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グールには不死者に近づくための七つの段階がある。
1F
感覚が過敏になる。聴覚と視覚の過敏。
2F
低頻度の妄想・中程度の疲労。音が暴力的にうるさく感じるので、被害妄想的になり、それに伴いノイローゼ的になる。
3F
幻聴・高頻度の妄想・高頻度の疲労・軽度の人間性の障害ー幻聴や妄想による負担の増大によって通常の精神活動が阻害される。
4F
幻聴の別人格化・妄想の体系化・超高度な疲労・人間性の著しい喪失ー別人格の存在と、人間のものではない考えによって、人間的な状態から乖離する。
5F
人格の交代が始まる・解離性健忘の出現。初めての人格転換が見られる。それに伴い意識の曖昧さが見られるようになる。交代の前後の記憶が曖昧になるが、意識の連続性は続いている。どちらかといえば基礎人格に、感情の変化と思想の変化が加わる。周囲から異変を感じられる程度には豹変する。憑依と表現している。
6F
幻視洗礼を受ける。物語の幻を見続ける。幻視が見えるようになり、幽霊のようなものを見るようになる。交代人格と交流を深めると、たまに凄まじい神秘的な人格が現れる。神格的存在。
7F
幻視と幻聴は言い換えれば霊視と霊聴、別人格は自分の霊を持ち始める前段階なので、霊感の完全な目覚めとなり、魔力の充実と魔術の扱い方がわかるようになる。このころには身体も変調し、不死に近くなる。
という感じでほぼ完全に不死者と同じになる。
普通の人間が魔術を扱えるようになるわけだから、グールから不死者への進化はまったく次元の違う存在になることを意味していた。
そして不死者を造れるのはネフィリムと私たちエルヨ、と呼ばれる一族だった。
エルヨの血が濃いほど魔力が高い不死者が生まれる。魔力が高い不死者はそれだけ魔術方面で有利になるし、生産されるグールも不死者へ近づくのが早くなる傾向にあった。
人間の一部にも魔術を扱えるものがいるけれど、それは類まれな資質と才能、そして魔術への探求と研鑽のたまものだ。そういうのは人間の中でも我々に近いもの、として、評価の対象になっていた。




