表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
46/66

第24話 2回目の告白<2220.01.30>(2)


 部屋から廊下に出るドアに手を掛けたとき、一瞬だけど僕と視線を合わせてきたように思えた。


(えっ、どういうこと・・・間違って・・・ないよね。確かに今一瞬だけど目あったよね。つまりこれは彼女に誘われているということ・・・なの?・・・どうしよう・・・どうしよう・・・駄目だ。グダグダ考えても分かるわけがない。昨日のみそぎのつもりで、ここはひとつ腹をくくるしかない。勘違いでもなんでも、行って確かめる以外に方法はない。ヨシ、行くか!)


 廊下に出てドアが閉まった。廊下を歩く足音はわからない。どちらに行くのだろうか。トイレなら勘違いということになる。しばし音が途絶えた。かすかだったけど、でも確かに玄関のドアを開ける音がした。


(やっぱり誘われている。ヨシ、後に続こう。でもあまりにすぐに立ち上がると不審に思われる。少しだけ時間をあけて、後を追いかけてみよう。でもあまり悠長にはしていられないな)


 玄関のドアを出た高島さんがどこに行ったか分からなくなる可能性があるため、続けて自分が立ちあがって外にでるタイミングをみはからっていた。


(ダメだ、もういい、行くぞ・・・それにしてもこれが勘違いだったら・・・あーもういい、行くって決めたんだ、迷うな俺!)


 結局さして時間もあけずに席を立ち、部屋から廊下に出た。廊下に出てすぐに左に折れて、玄関で靴を履き、玄関ドアの前に立った。ここで大きく深呼吸をして、ゆっくり静かに玄関ドアを開けて一歩外に出てみた。外は真っ暗だった。住宅密集地とはいえ植木代表宅は道路から少し奥まっており街灯の明かりは届かないため暗い。玄関の前に広がる駐車場はいびつな形をしているとはいえ20台くらいの車は止められる広さがある。暗くて広い駐車場を見渡せばどこかに高島さんは立っているものだと思っていた。


(さて、どこにいるのだろうか・・・えっ・・・えー・・・)


 玄関ドアを閉めるのを忘れてしばし立ち尽くしてしまった。僕はてっきり広い駐車場のどこかに立っているものだと思っていたのに、どこにも立っていない。それはいい。そんなことより大変なことに気付いてしまった。玄関の目の前に高島さんの車が後ろ向きで止めてあったのだった。その車の室内灯がついているので、運転席に高島さんが座っているということがすぐにわかった。


(ど、どういうこと?・・・いや、そんなことよりどうしよう・・・いや、やっぱりどういうこと?)


 混乱と動揺が一気に押し寄せてきた。玄関ドアの前で立ち尽くしたまま、後ろ手にゆっくりドアを閉めながら考えた。


(外に出てなにか僕とお話をしましょうということだろうと思って出てきてみて、立ち話をと思っていたのに彼女は自分の車の運転席に座っている。つまり・・・どういうこと?)


 後ろ手に動かしていたドアが完全にしまったところではたと気付いてしまった。


(あっ、戻れない・・・こともないけど・・・いや、戻れない。たぶん、もう彼女は僕がここに居ることに気付いているはずだから、実際問題戻れない・・・ひゃー、どうしましょうか・・・)


 背後からはわずかながら談笑するみんなの声が聞こえる。


(皆と、この至近距離で彼女は僕に何をしろと・・・)


 できるだけ理解するこを避けようとしたものの、背水の陣になってしまっているためもう如何ともしがたい。


(た、たぶん、そういうことだよね。どう考えても)


 しばらくあたりさわりのない状態でと思っていたのに、何をどうしたら、こんな展開になるのか。あからさまに彼女に誘われて外に出てきてこの状況ということは、もう告白してくださいと誘われているとしか考えられなかった。そういう意味で腹をくくって出てきたわけではなかったのだけど、戻るに戻れないのであれば、後はもう行くしかないわけで。


(それにしても玄関前で・・・ヨシ、行くか!)


 ここで下手に迷っているともう行動することができなくなってしまうことは理解できていた。


(後先考えるな俺!)


 玄関ドアに背中がくっつくくらいの立ち位置から、高島さんの車の運転席に向かってゆっくり歩みをすすめていく。ゆっくりと、それはもうありえないくらいゆっくりと。


(あっそういうことか。何故玄関前にバック駐車したのか理解できたぞ。運転席に座ったまま、玄関から出てくる僕の様子を確認できるからだ。そっか、そういうことだったんだ)


挿絵(By みてみん)

※画像はイメージです。


 今気づかなくてもいいことに気付いてしまった。運転席のドアの前まできた。意を決してトントンと運転席のドアを叩いた。運転席のドアが開いた。高島さんは席に座ったままだ。高島さんの目線の高さまでしゃがみこんだ。


「僕と・・・付き合ってください」

「・・・・・・・待ってください」


 冒頭何か言ったような気がするけど、「待ってください」だけが記憶に残った。


(えっ・・・えっーーー・・・)

布施「皆さんのご感想をと言いたいところですが、今回は何故高島さんは告白を受け入れなかったのかについてお聞きしたいです。」


ge「彼女の意図は「布施君の真剣さや覚悟を確認したい」だったのかもですね。」


布施「少なくとも拒絶ではないでしょうから、そうなのでしょうね。ただどちらかというと真剣さを試されたのかと思っています。」


co「高島さんの性格からして、もし完全に断るつもりなら「ごめんなさい」とはっきり言っていたでしょうから、「待ってください」は、少なくとも即座に否定する気持ちはなく、希望のある保留だったのでしょうね。」


布施「そうなんですよね。ただ、自分から誘っておいてyesではなかったので、僕自身としてはnoと言われた気分だったのですけどね。」


pe「Yesではなく「待ってください」だったのは、少なくとも布施君の気持ちを否定していないですね。」


布施「ちょっと全体的にスッキリしない感じはしますが、答えはあとのエピソードでわかって来るのかなとは思います。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ