第20話 県民文化祭の練習<2219.10.某日>(1)
※画像はイメージです。
これまでの人生でお酒に酔って記憶が無くなったことはなく、二日酔いになることもめったになかった。文化祭のある日の練習の前日に、仕事の飲み会があった。どうしてかこの日はかなり飲んだらしい。誰と何のための飲み会をしたのかはまったく思い出せないけど、余程楽しかったのか、かなりの深酒をしてしまったらしい。翌朝起きたらひどい二日酔いだった。
練習は出演者がそろわなくても誰かが代役をするので二日酔いの僕が参加しなくても特に問題はない。ただできれば出演者がいてくれたほうが練習はやりやすいものなので、とりあえず行けばなんとかなるのではないだろうかと無理を押して会場まで行ってしまった。
会場までなんとか行ってはみたものの、気持ち悪すぎてどうにもこうにもならない。横になっていても気持ち悪いけど、立っているより何倍もましだったので、ステージを見下ろせるガラス張りの部屋に、ひとりで横になることにした。時々起き上がってガラス越しにステージ上にいる彼女の様子を見てはみるものの、ほんのわずかな時間も立っているのが辛い。それでも時間が経てばどうにか回復するのではないかと頑張って会場に居続けることにした。ただ一方でこんな状態で会場にまで来た僕に対して彼女は怒っているのではないかと、かなりやきもきしてもいた。吐き気と戦いながらも考えた。
(来てみたのはよかったけど、回復して練習に参加しても、このまま何もせず帰るにしても、彼女と目を合わせるのが怖いなあ。はぁ~、なんで来てしまったのだろうか・・・・どうせ気まずいのなら、せめて少しでも練習に参加して、無理して頑張った感をだせないものかなあ・・・・)
その後寝ては起きてを繰り返し何度か彼女を見ては見るけど、恐怖心からかどうみても彼女は怒っているようにしか見えない。
(考えるのも辛い。考えないのも辛い)




