第17話 告白<2219.08.中旬>
※画像はイメージです。
8月中旬(平日)のある日の夕方。
仕事を17時に終えて、自宅に帰って軽く食事をした。この日の仕事先は徒歩で10分ほどの取引先だった。食事の前後で高島さんに「これからそちらに行きます」とメールを送った。高島さんから返信はあったと思うけど、内容は思い出せない。
おそらく17時半前後にはもう自宅を出発しただろうと思う。それでも20時半に着くかどうか。8月とはいえ到着予定時刻の20時半はもう暗くなっている。
車を走らせながら到着予定時刻を何度かメールで連絡しているはずなので、それに対する返信ももらっていたと思う。車を運転しながら次第に緊張の度合いが増していく。何故彼女に会いに行くのかは告げてはいなかったはずだけど、彼女から質問もされてはいないので、要件は理解できていたろうと思う。なんといっても自宅から出てきた彼女がどのような表情をして出てくるのかが気になってしかたない。移動中の車中では電話で彼女を呼び出してから僕が話始めるまでを繰り返しシミュレーションしていた。こういうときは色々考えられるようで案外考えられないものだと思う。同じことを何度も何度も繰り返し考えているだけで、もうそれ以上のことまで考える余裕などはなかった。
20時半かあるいはそれよりもう少し遅い時刻に彼女の自宅前に着いた。停めた車の中から彼女の携帯に到着したと電話を入れた。彼女が出てくる前に車を降りて彼女を待った。
彼女の自宅マンションは路面より2メートル高い位置に建っていて、その壁面側に立って待っていたので、彼女の降りてくる様子は視認できないものの、近づいてくる足音だけは聞こえてきた。暗闇の中から彼女が出てきた。
僕は僕の車を背にして彼女と向き合った。
「突然、遅くにごめんなさい」
「あっ、いいえ」
真顔でこっちを見ている。ニコリともしない。
「突然なのだけど、僕と付き合ってください」
「・・・・・」
この時の高島さんの返事は一言も一文字も思い出せない。ただハイとは言ってもらえなかったことは確かなのだけど、恐らくはっきり断られたのだろうと思う。
断られることは考えずにいたので、ありえないくらい動揺して、ただただもう恥ずかしくなってしまって、その場を何といって立ち去ったのかは思い出せない。
帰りの車中では茫然自失としつつもあることに気付いてしまった。
(いったいこれからどうやってシンキロウで一緒に活動していくんだ・・・・)
画像はイメージです。
布施「心理的ダメージが測定限界をこえましたので、今回は後書きなしです。ごめんなさい。」




