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第16話 決断<2219.08.某日>(2)
※画像はイメージです。
4月のある日、土曜日か日曜日にいつもの練習会場のいつもとは違う別の部屋に4~5人だっただろうか集まって台本の読み合わせをすることになった。本来なら10人くらいはいないと登場人物を割り振れなかったはずなのだけど、台本を読めればそれでいいということになって、そのためその場の雰囲気でそれぞれが思い思いに誰かの続きを読んでいっていた。
僕以外のみんなは手慣れているようだったのだけど、僕だけははじめての経験だったのでそれなりに緊張しながら自分の出番をまっていた。
「じゃあ、次は布施さんどうぞ」
促された人物は外国人宣教師だった。まともにやってもきちんと出来るわけもなかったので、調子にのって片言の日本語で台本を読んでいった。これが大ヒット。みんな抱腹絶倒していて、高島さんも屈託のない笑顔を見せている。あまりにみんなが笑うものだから、更に調子をあげて片言の日本語を強調して読んでいき、さらに室内が笑いに包まれていった。お調子者だからこうしてみんなの笑いを誘うのは大好きで自分も一緒に腹を抱えて笑っていた。
この出来事があまりに鮮烈すぎてこの日の練習はこの出来事しか思い出せない。




