第五十八話
レフィーユと別れ、今の場所にたどり着くのは、隠れながらのせいかしばらく、時間が掛かり。
「そこ、いいですか?」
会見を見下ろしていたセルフィが、一瞬、驚くが場所を開けてくれたので隣で一緒に見下ろす事にすると、そこには異様な空気が充満していたので、なんとなくではあるが事を察せた。
会見とは事前に何を発表するのか知らされて来るものである。
オズワルドとて、話せるワケがないと思って今回の会見に臨んでいたのだろう。
その表情はエドワード含めた四人も同様だった、そんな中、とうとう会見の順序も守れなくなりマスコミの一人が聞いてきた。
「あ、あの間違いない事なのでしょうか?」
「それはわからない、しかし、当時、その先祖はフォルグナート公国防衛庁の長官だったという事は、核兵器を有した基地の場所を知っていたという事だ。
つまり、一番視察してはならない場所を視察に向かっていたというのに止めなかった事。
それは…。
私の先祖が核兵器のある場所を教えたという可能性が高いという事だ。
そして、私の家が七色同盟の名誉に否定的になっているという事、それを考慮すれば間違いないだろう」
辺りがどよめく、こうなるとマスコミの質問は止まらなくなる。
「では、黙っていたという事なのでしょうか?」
フラッシュを浴びる中、もう一人、別のマスコミがそんな心無い事を聞いて来た。
「つい先ほど思い立ったと言いましたが、家族の事を考えた上での発表なのでしょうか?」
「どうして、そんな事を考えなければならない?」
「貴女の勝手でご両親が関わっている企業、妹さんの事を考慮した上で思い立ったのでしょうか?」
「ふっ、どうやら変な伝わり方をしたようだ。少し経緯を話そうじゃないか。そして、みんなにも考えてもらいたい」
すると彼女は一旦、大きく深呼吸する頃にはマスコミ、いや、この会場全体が静まり返る、そんな中、ゆっくりと答えた。
「『七色同盟の名誉などアテにするな』
子供の時、昔それを聞かされた時、どうしてだろうと思いもしたが、それは『自分の力で何とかしろ』と『解釈』はしていた。
だが、残念ながら私は、年月を重ねる度、様々な人に出会い、色んな事件を経験をして。
この解釈は違うのではないのだろうかと『疑問』に思った。
そして、今回とある男が『真実』を伝え…私は…」
一瞬、オズワルドを見たような気がしたが、レフィーユは構わず答えた。
「正直、憤慨しか覚えなかった…。
このままずっと、この事実を知った人間は、その男のように脅迫し続けるのだろうか?
私だけではなく、両親、妹、親類を脅迫し続けるのだろうかとな。
私の家はご存知の通り、浴に言うお金持ちと呼ばれる家、そして、家系だ。
確かに私の言った事で、影響は何かしらあるだろう。
…しかし!!」
少し強めに言ったようだが、余りにも緊張が周囲に張り詰めていたせいでマスコミ一同は、一斉に驚いた。
「脅す事で成り立つ人間関係など、許されてはならない」
すると『さて』と、視線を下ろし先ほどのマスコミを含め聞いてみた。
「残念ながら、私にこの判断の正しさなどわからないだろう。
どうだろうかみんな、私は間違っているだろうか?」
レフィーユの問いに、マスコミは一斉に視線を外していく、当然の結果だったと思った。
そんな重要な判断など出来る訳がないのだから。
だが、そんな中を彼女は構わず聞いてきた。
「さて、今度は私が言う番だ、アルマ、お前はどう思う?」