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第三十九話

 …道に迷う。


 事情を説明して、快承してくれ協力してくれたエドワードにお礼を言った後、彼は先ほどのように道に迷っていた。


 彼は別に方向音痴というワケではない、みなさん、経験はないだろうか?


 市内にある地下道を使って、その目的の場所に行こうとした時、目的の場所に続く階段だと思って上がってみると、別の場所だったという経験が…。


 ただ地上なら、まだいいだろう。


 意外と目的地まで近くまで来ているのだから、歩けばいいのだから…。


 しかも、ここは空母という名のタンカーの上に4階建てのビルが船の上に載っているようなタンカー。


 その規模は豪華客船というより、要塞だった。


 しっかり、ルートを把握していないと区画別に区切られているため、このタンカーでは行き止まりになっていたりして、目的の場所へ歩いていく事は無理だったりするのだ。

 

 さっきから右往左往であるが、この迷子、極めつけは途中でシャンテに出会ってしまった事にもあるだろう。


 偶然に出会ったのだが、知っている人を見掛けるというのは、どれほど励みになったのか明るく道を聞いたのだが…。


 今思えばここをレフィーユ達が、捜査するというのを彼女は知っていたのか。


 シャンテの言われたとおり、進むとだんだんと人の気配もなくなり、下へと行くのだから当然、思った。


 『騙された』と…。


 こうなると、迷子を挽回する方法は限られてくる。


 とりあえず、地上に出る事、エドワードの部屋から見えた、大きく広がった甲板の広場に出る事だ。


 彼は走った…。


 来た道を戻り、階段を上がり、上へ上へ。


 人が見えた。


 彼は聞いた。


 「すいません、甲板の広場に出るにはどうすればいいですかね?」


 戸惑う通行人、しかし、教えてくれたのはとてもありがたかった。


 走る走る、不審者に思われようとも、走る走る。


 そして、とりあえずではあるが、目的の場所に着いた安堵感はホントに道に迷った人にしかわかるまい。


 しかし、まだ終わりではない、この後、レフィーユと合流しなければならないので、辺りを見回すと、そこに売店があった。


 「すいません」


 「はい、何でしょうか?」


 お土産屋、というワケでもなく、レプリカの日記帳、ここのタンカーで使われているのかレトルトのカレー、お土産らしきモノは売っているのだが、日用雑貨品などを売っていた。


 そして、帽子を被った店主がこちらにやって来たので、聞いてみた。


 「すいません、ここにレフィー…、いえ、こんな制服を着ていた人達を見かけませんでしたか?」


 「制服…一体、どうしたんだい?」


 「いえ、実は迷ってしまいまして…」


 「ああ、そうなんだ。さっき店を開けに行く途中の広場で見たよ」


 「そうですか、ありがとうございます、その広場ってどこなのですかね?」


 「ああ、ボクの差してる方向がわかるかな、あのドアの先にある。ここの階段を上がって三階出た道をにそって行けばエドワードさんの部屋があるんだ。


そこを横切れば、その広場に出れると思うけど…


警備員に止められるとは思うけど、まあ、事情を話せば何とか横切れるだろうね」


 この人いい人だなと思える瞬間だった。


 「あ、ありがとうございます」


 そう言って、そのドアを店主に確認して、しばらく行くと言われた通りに階段があったので上がる。


 すると、廊下が伸びていた…。


 騙されたのか…。


 またそんな気持ちで、念のためにしばらく歩くと階段があったので上がる。


 すると視界は外の景色を捉える。


 駆け足気味に階段を上がると、文字通り道沿いに来た時の見たエドワードの部屋が見えた。


 ありがとう、お店の人、疑ってごめんなさい…。


 嬉しくなったのだが…。


 「動くんじゃないよ、アラバ君…」


 おそらく、武器を突きつけられているだろう。その背後で聞きなれた声がした。


 「アルマさん、大人しく、着いて来てきてほしいという事ですか?」


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