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第十八話

 「墓荒らし…」


 思わず組織の名前の意味を吟味している中、オズワルドはこの学園に来た意味を言う。


 それは当然、日記帳を取り返すためにやって来たわけではあるのだが、エドワード、アイーシャは未だ未成年、自分達と同い年らしく一時的に転校する手続きにやって来たと言うのだ。


 エドワードって、確か家内いたような気が…。


 ついそこにいないエドワードを探していると、シャンテと視線が合う。ついお辞儀をするがシャンテはあの時の様な目をしてはいないが眼光は鋭かった。


 幸い自分が魔道士だと気づいてないようで目を瞑り、静かにオズワルドの隣にいた男に耳打ちをしていた。

 

 すると自分に視線を送り、先ほどのお辞儀を返してくれた。


 おそらく残りのチェンバレンという男なのだろうか、中年というより若く、この三人を順位で示すなら、一番の年上がこの男、そしてオズワルド、シャンテと言ったところか、その二人に比べればそれは気さくそうな男だと思った時に、シャンテはレフィーユに言った。


 「…つまり、貴女はその気になることが解明しない限り協力しない…と?」


 「そうだ」


 「…例え、それが国際問題…とでも?」


 「そうだ」 


 そうして、そんな事もあった後、学生である自分達にとっては休み明けだった。


 学業という仕事があるので、学園への道をレフィーユと歩き校舎に入る。すると下駄箱にて、別の学園の制服の生徒と出会った。


 「姉さん『おはよう』」


 目線が怖い、何故かセルフィは苛立っていた。自然と姉がらみだなと直感できるのは、もう自分の中で仕様になっていたのだが、何となくセルフィがここにいるので、何をやったのかわかっていた。


 この姉が知ってるのか知らないのか聞いてきた。


 「随分と不機嫌だな、セルフィ?」


 「姉さん、私にも都合というのがあるのよ。手続きを省いて、その日の内に呼び寄せないでよ」


 治安部は重大な事件や災害が起こった場合、支援要請で出来るようになっており、長期間の滞在も許されていた。


 しかし、それには『手続き』というのが必要なのだが…。


 「事件の起きた処理に深夜までかかって、くたくたに帰ってきて後の姉から連絡があって用意しろと呼び出された妹の気持ちがわかる?」


 「も、もしかして徹夜ですか?」


 「ふん、今日休めると思ったのに、今なら姉さんに勝てる気がするわよ」


 『ギロリ』と睨みつけられたセルフィの目をよく見るとクマが出来ていた。


 「だがセルフィ、そんなことを言うのは、お前だけじゃないのか?」


 『ほら、見てみろ』とセルフィと一緒の制服を着た精鋭部隊『戦乙女(ヴァルキリー)』に所属するヒオトがに元気よくレフィーユに挨拶をしてきた。


 「隊長、おはようございます。


 御用の際には、いつでも出動できますのでよろしくお願いします」


 それを皮切りに残りの8名が挨拶にやって来て、一通り挨拶を終えたところでレフィーユは言う。


 「ほら見ろ、みんな、お前くらい『クマ』が出来ていたではないか?」


 …それは貴女のFC会員ですからね。


 セルフィと思考が通じ合ったのは気のせいだろうか? 


 「とにかく姉妹(きょうだい)だからって、毎度毎度、呼び寄せられたら身が持たないと言いたいのよ。


 手続きくらいちゃんと通してほしいわ」


 「ああ、わかった今度からはそうしよう」


 軽く流すので、またのだろうとセルフィにとっていつもの事なのだろう。


 「はあ、もういいわ、じゃあ、いつもの部屋を使わせてもらう…あら?」


 先にセルフィが自分の後ろの何かに気づいたので、何だろうと振り向こうとすると声がした。


 「そこの下郎、お退()きなさい」


 人生で初めて『下郎』と言われたような気がした。


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