異世界
平凡な日々いつも同じことの繰り返し。
「今日は平泳ぎのテストがあるってよ。」
「まじか!最悪。泳いだら足つるんだが。」
友達と着替え室に向かいながら話す。
バシャ バシャ
放課後唯一の友達と共に帰る。
「42秒だったんだが。」
「俺も同じなんだけど。」
「授業で教えられても才能ないと短時間で無理よな。」
「なー。」
蒼い鳥が北へ向かって飛ぶのを見つける。
「おい。見ろよ。幸せの蒼い鳥だぞ。」
「迷信だろ。帰ってゲームしよーぜ。」
「ちょっと追うだけ。」
蒼い鳥が珍しくてついていく。
少し追って見失って帰ろうとして振り返る。
「見失ったわ─」
友達が消えた。
走りすぎたか?
周りを見渡す。
「何処だ?」
木々が広がる神秘的な樹海に立っていた。
今理解した。俺が消えたんだ。
「何でこんな所に。」
走り回る。半泣きになりながら帰り道を探す。
(母さん!父さん!)
日が暮れる。
(目から水が。)
怖くて泣いてしまう。何処なんだ此処は。
(疲れて寝てたのか。もう帰れないのか。)
「君はどうやって此処に来たんだい?」
何処からともなく声がする。暖かくて優しい声。
「母さん!」
振り返ると若く綺麗な人が立っていた。
鎧を身に纏い腰に刀を携えた女性が
「私は子供を生んだ覚えはないのだが?」
「す…すみません。声が母に似ていたもので。」
「気にすることはない。
こんな処に一人でなんて怖かったのだろう。
私の馬で家まで送り届けてあげよう。」
年は同じくらいだけど身長は170cmくらいで大きい。
「家は何処だい?」
「分かりません。気づいたらここに。」
「…では君も冒険者になってみないかい?」
「冒険者…」
「一旦街に行こうか。」
「はい。」
(冒険者…漫画とかで見た感じの奴か。とにかく何処かに帰る方法があるかもしれない。万が一戻れなくても他より早い親離れって思うしかない。)
樹海を抜けて馬に乗る。
馬に揺られて街に向かう。
周りの景色を見ていると。スライムのようなモンスターがいたり兎や牛など元の世界にいた動物に似た生物がたくさんいる。
街に入る。入る時に何者か聞かれるらしいから荷物の中に隠れて入った。
「冒険者って何するんですか?」
「目的もなく歩いたり魔王討伐を掲げて冒険したり、冒険者同士でチームつくって一緒に冒険したり色々自由にやるのが冒険者だよ。」
「魔王討伐って簡単なんですか?」
「難しいよ。死ぬこともあるし。私の友達も何人か死んじゃって。」
「そうだったんですか。死ぬのは恐いです。」
「冒険者は戸籍が必要ないから簡単になれるし、
ただ歩き回るだけでもいいんだよ。」
(一応身分証明書を持ち歩いてるけど。)
「これって通用しますか?」
「この紙切れみたいのは無理だね。簡単に偽装できるし。」
「じゃあどうやって証明するんですか?」
「ステータスオープン
こう言えばレベルから能力まで色々なことを知れるぞ。」
「ステータスオープン
おぉ。」
(レベル1腕力5体力4MP2
能力 ラッキーマン{確率で貰える経験値が変化する})
(弱そう。)
「ま…まぁ強いと思うぞ。」
「ありがとうごさいます。」
(気を使われてしまった。)
「この能力って何処かに移動するみたいなのってあるんですか?」
「探せばあるんじゃないか?」
「能力って一人何個まで持ってるんですか?」
「基本一つだがレベル100になれば増えるらしいぞ。」
「じゃあ冒険者になります!早速旅に行ってきます。」
街を出ようとすると肩を掴まれる。
「ギルドに行って冒険者登録してからじゃないと外には出れないぞ。」
(そういえば隠れて入ったんだっけ)
「ギルドは向こうだ。」
「一緒に来てくれないんですか?」
「予定があってな。」
(忙しい人なんだ。)
ギルドに向かう。
「冒険者になりたいんですけど。」
「はい。ではお名前とレベルを拝見します。」
「お願いします。」
「ウエマツ・ユウさんレベル1
ということでEランク冒険者さんです。」
「それではこの辺で。」
「?」
不思議そうな顔をする。
「Eランク冒険者の方はダンジョン1~10階攻略しかできませんよ。」
「自由じゃないの!?」
「自由に行動出来るのはAランク冒険者かSランク冒険者の方のみです。」
「どうやったらAランクに?」
「レベル50以上の人です。」
(長くなりそう。)