表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

幻想奇譚

鵲に風鈴

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

幻想奇譚です。


ガールズラブは“意識してません”が、そう思われるかも知れません。


そして記念すべき千作品目(多分)!!

今振り返って見れば、梅香の君を男性だと意識して書いてないと思うんですよ。

全てを蕩かすお天道様の光が注ぐ季節。吹き出る汗が肌を全て蕩かしてしまう程に、全身が濡れゆく真夏日です。私の頬も、朱を塗った様に赤く染まっております事でしょう。それを見兼ねた御友人が、持っていたハンケチを私の額に押し当てるのです。

「滴るものは魅力だけで良い。汗は滴らせるものじゃ無い」

瞳は暑さに平伏して、気怠く溶けておりました。それでも他者を気遣う程の理性はきちんと残っております。ですからこれ以上、そうさせない為に、極楽に移動致しましょう。

そう歩いていた時の事で御座います。蓮池に目を向けておりました。丁度蕾がぽってりと膨らんで、花開く手前の最も美しい頃合い。昨年は先に私が負けてしまい、長々と拝見する事が出来なかった代物で御座います。

「渡ぃ、此処で長々と見るよりも、あっちで見ようよ」

そう御友人が指差す先には、数多の短冊に彩られた鵲の橋が御座いました。遠くからでも良く分かる、風車の音。御友人が仰る通り、此処で拝見するよりもあの元の方がきっと素敵でしょう。

私は静かに微笑みかけると、御友人と共に歩み出しました。

鵲の橋の元、空を見上げると、硝子の帽子を被った風鈴が(ゼツ)を伸ばしております。聞こえるのは、風車が回転する様な小気味の良いカラカラとした音。風の唄が鼓膜を揺すります。その中に混じるように、音程の異なる風鈴が主旋律の様に色を添えるのです。

「あぁ……涼しい……別世界だ」

お友達がそう仰る通り、四方八方から聞こえ来る音は、別世界への橋渡しの様に思えるのです。この橋を渡り切ったら、きっと此処ではない世界に飛ばされるのではないかと、そう思ってしまうのです。

「久方振りに訪れたのですよ。この場所に」

「へぇ? 君らしくもない」

それはきっと、この場所を訪れなくなった、私への皮肉が含まれております。それを静かに受け入れて、私は微笑み返します。

「やはり風鈴とは、良いものですね」

今年の夏を感じたのは、私の故郷で御座います。


オマケ

暑くて、一瞬で顔から汗が吹き出した。真夏の日差しに全てが奪われる。奪われて、絞られる。

そんな時にふと陰りが差した。細めていた目を開けて、周りを伺うと、貴人が一人傘を差し出される。そして空いた方に握られたハンケチで、濡れた私の顔やら肩口などに押し当てるのだ。

「滴るのは魅力だけで良い。汗は滴らせるものでは無いよ」

そう仰って、静かに微笑みかけるのだ。そんな事を仰る、貴人だった。

「ふ……ははは!! あぁ貴人、貴方様の事を男性と意識した事はないのですよ。だって余りに婀娜(あだ)っぽいから、(しな)やかで、気品があるから。

あぁ……ふふふ、貴方がどんなにお姿を変えても、直ぐに分かりますよ」

男性と言うのは、やはり全てを削ぎ落とした上で、何かを勝ち得るものだから。婀娜も、気品もかなぐり捨てて、それでも己のゆく道を歩く方だから。

正体も分かってきたところで、ふとこんな事が言いたくなった。

「真夏、日が照り付けば、蓮の花をも脚開く。とね」

「うら若き乙女がそんな事を言うもんじゃない」

あぁ、やはり、梅香の君だ。

記念すべき千作品目なので、梅香の君の話がしたくなりました。

(カササギ)の橋も、本編あんまり関係なさそうにぶっ込んだのは、梅香の君を意識してです。

あ、梅香の君と言うのは頻繁に登場する神様の事。

モデルとなった方がおられるので、仮名がこれなんです。


あんまり梅香の君を『男性』と意識して書いた事が無いんです。

それは武勇を上げるよりも、風流人であること、貴人めいた部分を意識しているからだと思います。

めっちゃ婀娜っぽい。女性のような靱やかさがある。

凄く俗な言い方で申し訳ないのですが、心配性、子煩悩含めて『お母さんっぽい』んです。


だからもう、女性にぶっ刺さりそうな(此処はど偏見)な台詞を仰らせたくなるんですが。


蓮の花も風鈴も目眩を覚えて別世界を覚えるように綺麗でした。浸りたいと思うのと、暑さで溶けるというのと、葛藤し、今日を終えます。


最後は少々下品な話なので、梅香の君が怒ってます。

でもこの注意が出来るのは、やはり感性が女性的だと思います。


此処を解説する前に、ちょっと蓮の花について。

蓮の花って開き切って、花弁を落とすんですよ。

蕾が蜂の巣の様に、プツプツしてるんです。


此処から来て意味的には

暑さに色ボケし過ぎじゃない?

花言葉が『清らかな心』な蓮の花だって花開いて、芯を晒してる。

品がないよねぇ?


という特大級の皮肉です。怖っ( ; ; )


苛立ったように、グラスの氷をカラカラ言わせるのは私です。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ