成長期
クソデカ蛇に気付かれないようにその場をあとにする。蛇は未だに食事中なのかこっちに全く気付かない。
「トモリ君ってすごい美味しかったりする?」
「どうなんでしょう。確かに食い付きはよかったので美味しいのかも」
ウサギ嗅覚をフル活用してみるも、トモリ君から食欲をそそる匂いはしなかった。
「魔物まっしぐら…」
無駄口たたきながら森の中に入る。トモリ君が通ってきた道を辿っていけばどっかではぐれた相棒君も見つかるだろうというラビアイディアである。
トモリ君はずっと蛇に追われてたようで道を辿るのには苦労しなかった。木が折れてたり、地面がえぐれてたりと非常にわかりやすい。
「なんか執拗に追われてたんだね」
「はい、間違えてあの子の巣に入っちゃったみたいでそれからずっと追われてました」
ほむ…とりあえずその巣の場所まで行ってみるか。
「あっ」
トモリ君の案内でヒュージバイパーの巣までたどり着くと、彼の相棒がプルプルふるえながら待っていた。
「メメ」
トモリ君が呼びかけるとさっきまでプルプルふるえていた相棒はトモリ君に向かって飛びついてきた。
「ごめんね」
トモリ君に抱えられてご満悦に見える相棒くん。確かにトモリ君の言葉を理解してるように見える。オォ…形状に目をつむれば感動動物ドキュメンタリーだわこれ。
そんな二人?は置いといて、ヒュージバイパーの巣を確認してみる。確かに、トモリ君の案内でたどり着いたここには洞窟のような洞穴があるのだが…
「なーんか…」
小さい。
いやまぁ人が入れるくらい大きいし、全然立派な洞窟なんだけど、さっきのヒュージバイパーじゃこの洞窟には入れないよなぁ。
「ラビさん」
「おっ?感動の対面は終わった?」
「はい、すみません」
謝ることないけど。
「トモリ君が入ったのはこの洞窟で間違いない?」
「はい、僕この上にある洞窟から生まれたので間違いないかと」
確かに横には上へと向かう道がある。間違いないのかな…
「さっきのヒュージバイパーじゃ流石にこの洞窟には収まりきらない気がするけどなぁ」
「あぁ、さっきの蛇も最初はこの洞窟よりちっちゃかったんです」
…なんて?
「なんか僕を食べる度にどんどん大きくなっちゃって、ビックリしました」
なーんて無表情で言いやがる。大きくなった?どんな成長期だ。自分のねぐらに戻れないほどの成長はもはや異常なんだが。
「ここら辺の動物たちって成長期なんですかね」
「おっ、世間知らずちゃんだなトモリ君」
成長期で済ますな。
「少なくとも私が知る限りそんなことは普通起こらないよ」
「じゃあ…」
「そう…おそらくトモリ君は…海外製プロテインみたいにすごい栄養が詰めこまれている…」
「はぁ…」
海外製プロテイン?みたいな顔してやがる。
「トモリ君を摂取しながら適度な運動を行うことであのヒュージバイパーはライザップしたんだよ」
「適度な運動…」
であれば、次に会うときはさらにビッグでヒュージに進化してるってことだ。
「うむ触らぬ神に祟りなし」
「?」
「ヒュージバイパーに見つかる前に私の拠点に帰ろうってこと」
「僕も行っていいんですか?」
「来てくれないと困るわ。私トモリ君救助しに来たんだから」
「…ありがとうございます」
「うむ!ゆくぞトモリ君!」
「あっメメも連れてっていいですか?」
相棒くんか、まぁおとなしそうだし。
「大丈夫じゃない?」
「よろしくお願いします」
「ヨロ…」
「ウワァァァア!シャベッタアァア!」
「あ…この子少しなら喋れます」
「そういうことは先に言っとこうね!」
お姉さんとの約束だ!