表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

76/180

クロノの躊躇い、心強い仲間

「お姉ちゃん!どこ行ってたんじゃ!」


縦穴式の寝床の前から、クロノが必死な顔をして走ってきた。


「ごめん、ごめん。ちょっと朝早く起きたから、散歩に行ってたの。心配かけてごめんね」


「本当に、良かった…」


クロノは今にも泣き出しそうに、瞳に涙を浮かべていた。


「クロノは未来が見えるんだよね?そしたら、私の行動も読めたりするのかな?」


「それができたら、苦労はせぬ…。クロノが見えるのはこの世の大きな分岐だけじゃ。個個人の細かい行動までは読めぬのだ。


この村に来るのも、本当は初めてではないのじゃよ」


クロノの声はどんどんと尻すぼみになっていった。


「ごめんね、クロノ。次からは、声をかけていくからね」


「うぅ…」


まだ異世界に来てから、一週間も経ってない。


それなのに、ここまで心配をしてくれる大切な仲間に私は出会ったのだ。


「ありがとう、クロノ。


そう言えば、この村に来たのは初めてじゃないってどういうこと?」


「ミー!探してたぞ」


縦穴式の寝床から赤髪の美少女エルフであるヒルナが顔を出した。


「朝の散歩か?何か用があればヒルナに言ってくれればよかったのに。曲がりなりにもミーは私の主人だから、命令があればいつでも受け入れるぞ」


「ありがとうヒルナ。ごめんね。


ロキもいるかな?みんなに言っておかなくちゃいけないことがあるの…」


そして私は先程のネモフィラさまとの事の一端を話した。







「なるほどな。やはりそのマントかローブを被った奴が裏で手を引いているのは間違いないな」


ロキは曇った空の下でも、その真っ白な髪をキラキラと輝かせていた。


「どうにかして其奴を老いたいが、何とも手段がない。やはりネモフィラさまに接触するのが一番だ」


「…だよね。それなのにごめんね。私の勝手な行動のせいで。それでも、確かめたかったんだ。


それにもとはと言えば、私が元のからだに戻るのが遅くなった結果だから…」


「そんなことはないぞよ!お姉ちゃんはいつだって正しいのじゃ。守りきれなかったクロノにも責任がある。魔力が…魔力さえあれば…


時を戻して、やり直す手もあるが…」


クロノはこの村に来てから、一段と甘えん坊になった気がする。


私のことをそっと引き寄せて、胸に当てながら抱き締めてくれた。


クロノの胸のなかは温かくて、柔らかくて、ふわふわとした良い香りがした。


「ありがとう、みんな。まだ、挽回できるチャンスはあるよね」


申し訳なさに押し潰されそうな気持ちをなんとか隠して、私はクロノの胸に体を委ねた。


「もちろんさ。僕からも言ってみよう。何かとネモフィラには貸している恩もあるからね」


ロキがキメ顔で元気付けてくれた。


「ヒルナもミーのためなら体を張るぞ」


エルフ耳をピコピコと動かしながら、ガッツポーズでウインクしてくれた。


「みなさーん!あと少しでお披露目の儀です。良い席を取りたいなら、今から準備してください!」


パラが遠くから手を振りながら、大声で叫んでいた。


「まずは、お披露目の儀だ。さぁ、行こう」


「うん!」


私は変えるのだ。


未来は変えられるのだ。


失敗しても、みんながいてくれる。


そう思うだけで、本当に心が温かくなるようだった。


私たち四人は、華やかな装飾がされて、人が増えてきた広場にまっすぐ向かった。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

更新の励みになりますので、いいね!やブックマークをどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ