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異世界スパイ活動、決行ー!

異世界生活6日目の朝を迎えた。


怒濤の一週間となりそうだ。


仕事をしてた頃は、毎日が過ぎるのが本当に早く感じられた。


毎日朝早く起きて満員電車にかけ乗って仕事をして、終電ギリギリまで働いていた。


24時間常に動いていたにも関わらず、睡眠時間をしっかりとれているいまの方が、とても充実していると感じる理由は明白だ。


夢のような異世界での生活。


魔法や魔術に囲まれて、異次元の体験をしている。


ただ、思い描いていた生活とは違うが、それはそれでいい。


ハーレムもなければ、思ったいた奴隷とも違うし、意地悪な悪役令嬢も出てこないけれども、私はこの旅が好きだ。


そして、今やるべきことがはっきりしている、この瞬間が好きだ。


私は自分の体を取り戻す。


そのために、ネモフィラさまに徐魔法をしてもらう。


そして、そのために今日行われる“お披露目の儀”で承諾をしてもらうのだ。


申し訳程度に切り開いた窓から見える空はどこまでも澄み渡る快晴だった。


「良いことしか、起こる予感がしないわ」


私は寝床から浮かび上がり、そしてまだ皆が寝静まっている中、一人外に向かっていった。







「あら、イズミさま。お早いのですね」


外に出ると、パラが忙しそうに炊事などの準備をしているのが見えた。


「おはようございます。パラも早いね。やっぱりお披露目の儀の準備かなにか?」


「はい、そうなんです!村人全員が食べきれないほどのごはんを作るのです。産まれたばかりのネモフィラさまは、それはそれは神聖です。


みんな、ネモフィラさまの姿を拝みながらごはんを食べたいんです。そうすることで、長生きができたり、病気にかかりにくくなったりすると言われています」


100年も経つと迷信にも蛇足がつくようだ。


御神体を見ながら食事をしても、何の効果もきっとない。


「ねぇ、パラ。生死の所業は、神族が成すことだと思うの。だから、ネモフィラさまが生まれ変わるのって結構違和感を感じない?」


「え?どうしてです?神族が村の安全を祈願して、ネモフィラさまが疫病を吸ってそして生まれ変わるようにしたんですよね?問題はないと思いますよ」


パラは、一度だけ作業の手を止めて、そしてすぐに何事もなかったかのように準備に戻った。


なに一つ疑われていない。


むしろ、神族が手を差し伸べたと言うお墨付きまでついていた。


この村全体がネモフィラさま信仰を完全に信じきっている。


私はパラの邪魔にならないよう、そっとその場から立ち去った。


縦穴式の宿に戻るとき、後ろから大きな声がした。


「お披露目の儀はお昼からです!村の中心に来てくださいねー!」


パラは元気に手を振りながら言った。


私は大声で返答する元気がなかったため、大きな丸を描いて回答とした。


(時間はない。行動をするなら今しかない。でも、私の単独行動は、皆に許されるものだろうか)


しかし、迷っている暇はなかった。


私は縦穴式の寝床で皆が寝ていることを確認して、そして誰にも気づかれぬようにお披露目の儀が行われる広場に行った。


目的はひとつ。


渦中のネモフィラさまとの接触だ。


異世界でのスパイ活動、いざ開始ー…!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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