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5年間で80歳若返る絶対美女、ネモフィラ

「ヒルナには気をつけてってどういう意味?」


クロノのただならない雰囲気は、なにかをすべて物語っているようだった。


「そのままの意味じゃ。これから…あやつには本当に注意をしてほしい。クロノから言えることは、それだけじゃ」


クロノのことばは、徐々に尻すぼみになっていった。


そうだ、クロノは時の神クロノスの愛娘であるので、父の力を譲り受けて、未来が見えたり、時空間を移動できるんだった。


しかし、大きな分岐点になることは未来の出来事に干渉してしまうので、言ってはいけないことにっている。


つまり、いまクロノが言っていること、ヒルナが未来に大きく関わると言うことだ。


「クロノ、ありがとう。もうそれ以上は言えないんだよね。これから注意はしていくよ。でもね、きっとヒルナは大好きなんだと思うよ。だって私たちをたくさん助けてくれてるから」


「違…っ、ヒルナは、ヒルナは…」


クロノは何かを言い掛けて、そして辞めた。


「私が道を踏み外そうとしたときは、教えて。言葉以外にも伝える方法はきっとあると思うから。


それができるのは、クロノだけなんだからね」


「お姉ちゃん…」


私はクロノを抱き締めるようにして、そっと彼女の胸に優しく触れた。


「クロノ、いつもありがとう。これからもよろひくね。お姉ちゃんって呼ばれるの嬉しいよ。一人っ子だったからね」


「…お姉ちゃん」


クロノは何かを思い出したのか、泣きそうな顔と声をしていた。


「さぁ、いまはネモフィラさまを救わないと。時間は多くないよ!さ、クロノ行こう」


「うん!もちろんじゃ」


クロノは、涙を手の甲でぬぐって、私と一緒に元気に村へと飛び出した。


そんな私たちの一部始終を見ている黒いマントに身を包んだ謎の姿に、私たちは全く気づいていなかった。







「ここが村だね。5年前と全く変わっていないね」


木や枝や蔦でできた村の門のような存在であるアーチは、5年の後と同じ姿をしていた。


人々の服装も、歴史の教科書に出てくるまさにそのままに、何も変わらない日常がここにあった。


このときは、奇病も落ち着いてきたのか、ネモフィラさまの犠牲のもとに、この村は平穏を取り戻しているようだった。


「あ!村長!」


5年前なので、若干若く見える村長が、高床式の家から梯子を降りて出てくるのが見えた。


「追いかけよう!絶対ヒントになるものが見つけられるはず」


「お姉ちゃん、ここは手分けして行こう。クロノは村長を追ってみる。お姉ちゃんは、ネモフィラを見てきてくれないか」


「うん、そうだね、そうしよう」


「村長とネモフィラが通じているのであれば、最終的に合流できる。よし、では後から合流するぞ」


「オーケー、クロノも気をつけてね」


クロノは、こくりと頷き、村長のあとを追って走っていった。


(さて、ネモフィラさまはどこにいるのかな…)


と辺りを見渡したときだった。


私のわきを、一人の女性が横切った。


空の青をそのまま人の姿にしたような、青と白を混ぜた綺麗な長い髪の女性がひとり、花の香りを漂わせながら村の中へと歩いていった。


服装は村のものと同じだが、明かに青い髪は村のものとは全く異なる。


この村の住人は、顔立ちもアジア系であり、髪は漆黒のように黒い。


瞬間、根拠はないがそうだと察した。


(あの人が、ネモフィラさまだ。でも…)


ネモフィラさまは、確か亡くなるときはそれこそ100歳に近いおばあちゃんだった。


しかし、今目の前にいるネモフィラさまはー。


(どう見ても、20代だよね…?)


肌艶や髪の艶、まっすぐな姿勢は若々しさをにじみ立たせていた。


そこにいるのは、絶世の美女にしか見えないネモフィラさまだった。


(100年前、この村で何が起きているの?)


きっと、この村には何かある。


私は胸騒ぎを押さえながら、ネモフィラさまの後を静かに追った。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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