3日で終わる異世界生活
「いやいやいやいや」
私は状況がうまく飲み込めなかった。
私の大切な人、殺めた?どういうこと?
「すまない。フェンリルは、僕の息子であり、子供であり、守護神でもある。用心棒なので、僕に何か危険があったら、すぐにかけつけてくれるんだ。
さっき、あなたと和解する前に僕が発した熱風を察して、フェンリルが助けに来てくれた。
そのとき、僕の精神の核の外、つまりユニコーンの姿をした僕がいる層に、二人の少女がいたが、彼女たちがフェンリルに対して攻撃をしたので、フェンリルも反撃をした結果、亡くなってしまったらしい」
ヒルナ…クロノ…
「いや…私は信じない…だって、私たちはあなたのことを助けるためにここまで来たのよ。なのに、ヒルナもクロノも犠牲になるなんて…そんなの…許されないよ…」
「…」
白の少年は何も言わなかった。
代わりに、大狼のフェンリルの首の周りの毛を優しく何回か撫でたあとに、こくりと頷いた。
フェンリルは、子犬のような声を出したかと思えば、風のように姿を消してしまった。
「…すまない」
白の少年は言った。
「…あなたとは、これからも関係を築いていきたい間柄だ。少なくとも、僕はそう思っている」
私の落ち込み方は相当のものだった。
まだ何も始まらないままに、終わってしまった。
これから、白の少年の過去の話を聞いて、原因を見つけて、そしてクロノとヒルナのところに戻る。
そのあとは、アロゴに訳を説明して、せめて命までは取らないようにお願いをして、誰も命を落とさないようにする計画だった。
「嘘…嘘だよね…」
「…残念ながら、嘘ではないのだ」
私は白の少年の顔すら見れなくなっていた。
「求めないと思うが、外の様子を見るか?」
「いらない。見ない」
子供のような返しだとは思ったが、見たところでヒルナもクロノも生き返るわけではない。
私の、希望に満ちた異世界生活は、ここで終わりを迎えるのだ。
「私が、もたもたしてたからだ…」
もう少し要領よく精神の核を見つけていたらー。
後悔は本当に先に立たないものだ。
私は泣くこともできず、ただただ、真っ暗な世界の中で後悔を募らせていた。
そのあとも、私は無気力に何も考えることもできず、ただ闇雲に時間を過ごしていた。
ヒルナもこの白の少年も、私が異世界からここにきたなにか理由や使命があると言っていた。
しかし、それはもしかしたら、この惨劇を生むトリガーだったのかもしれない。
なんのために、ここに来たのか。
体はすでにヒルナの魔法で置いてきてしまった。
私自身も精神の核となっているので、いまはただの光の球体だ。
白の少年は、何も言わないまでも、私のそばにいてくれている。
何も言わないし、表情からは何も読み取れないが、恐らくだ反省や同調の念を感じているのだろう。
このままあと何日も、何十年も何もせずにここにいるのだろうか。
私の異世界生活は、3日目で終わりを迎えようとしていた。
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