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異世界生活2日目。はじめての奴隷労働…こんなことするなんて聞いてない!けど…異世界って本当は最高の場所なんじゃ?

異世界生活2日目。


寝起きは、正直良いものとは言えなかったが、柔らかくて温かい毛布のお陰で、そこまで悪い睡眠ではなかった。


正直いうと、漫画喫茶のあの硬いソファベッドや洗濯をし過ぎて薄くなった毛布よりも、この檻の方がよっぽど過ごしやすかった。


そう言われてみると、漫画喫茶という閉鎖された空間でエアコンで入れられた乾燥した空気よりも、新鮮な外気が常に入ってくるこの部屋はとても過ごしやすい。


窮屈で寝返りを打つのがやっとなあの漫画喫茶のワンルームよりは、165センチの私が足を伸ばしてもまだ若干の余裕がある。


鉄格子というものを除けば、寝台列車よりも夜行列車より、会社のオフィスよりも過ごしやすい気温と湿度で、異世界はこんなにも良いところだなんて想像以上だった。


ヒルナの言うとおり、カウ?カウ?と言う名の牛のようなカバのような商人は、やはり奴隷に理解があるようだ。


ちょうどお腹が空いた時間帯に、カウの奥さんが朝食を持ってきてくれたのだが、これがまた絶品だった。


恐らくクロワッサンのような役割?をもつ主食の星形をしたサクサクのもの。(パンのような香ばしさとごはんのような甘さ)


オレンジジュースのような柑橘系の味がする粒々がはいったヨーグルトのような飲み物。


そしてこの世界ではフルーツの立場であるような水風船を歪ませた大きいジェリービーンズに似た甘くてジューシーなもの。


そして昨日も出た紫色と青色の茹で玉子のようなもの。(今回はスクランブルエッグのようになっていて、青と紫のマーブルカラー)


言葉でしか伝えられないのが残念なくらい鼻孔をつくかぐわしい香りと舌に残る旨味は、元いた世界のごはんよりも美味しい。


異世界は、もしかしたら最高の場所なのかもしれない。


人生に疲れたそこのあなた。


チャンスが来たら異世界に来てみてはどうか。


そして機会があれば、この美味しい食事の材料を見てみたいものだ。





配膳するときにウカの奥さんに「ありがとう」とお礼を言ったら、物凄く驚かれた。


あとからヒルナに聞いたら「奴隷は基本的に食事くらいではお礼を言わないから」と説明された。


三度の食事と着るもの、住む場所の提供という最低限の条件は当たり前という前提で契約を結ぶのが普通で、そのお礼の対価として労働などをするのだそうだ。


「ミーは変わってるな。やっぱり大賢者は違う」と妙な納得のされ方をしていたが。


「食事が終わったら仕事だ」


ヒルナが気合いを入れながら足や腕を伸ばしていた。


(仕事。やっぱり異世界に来ても仕事かぁ。どんな仕事なんだろう。クレーム対応かな。サービス残業もあるのかな)


私は不安な気持ちでウカが来るのを待っていた。








「いらっしゃいませ~」


外は燦々と太陽が降り注ぐとても天気のいい日だった。


恐らく気温で言えば初夏。


暖かさと寒さがちょうどよい気温だ。


異世界の空も青だった。


科学的なところは似るのかもしれない。


しかし、しかし、だ。


私はよく分からないままウカの奴隷になったわけだが(そういえばウカとは奴隷契約をしていないが成立するのだろうか)、いただいた衣食住の分は働いて返したい。


そしてその労働はというと…。


「いかがでしょうか~?取れ立て新鮮のラヤハサニイコです」


私とヒルナはバニーガールとメイド服を足して2で割った服装でウカの店の前で接客をしている。


いわゆる呼子というのだろうか。


道行く人々に声をかけてウカのラヤハサニイコを売る。


ラヤハサニイコは野菜のようなもので、色とりどりで様々な形がある。


元いた世界の野菜とは見た目も違う。


ウカは農家をしながら民宿や商店を営むエリート経営者で、今日は朝ウカの奥さんが畑から取ってきたラヤハサニイコを売るという仕事だった。


それにしても、何でこんな格好なのだろう?


会社の忘年会でもこんな仮装したことがないのに、まさか異世界に来てコスプレをするとは…。


スカート丈が短く露出が多く、胸元も屈むときに気を付けないと見えてしまいそうなくらいで、可愛さとセクシーさを両方楽しめる服装である。


ヒルナは何食わぬ顔で接客をして世間話をしながらお客さんと戯れている。


そうそう。


ヒルナは体は小柄で155センチくらいなのだが脚も腕も長いし、胸はそこそこだが、モデルのような体型で羨ましい限りだった。


私は恥ずかしがりながらもラヤハサニイコを売って労働を対価とした。


エリート経営者ウカの戦略で、道行く人はラヤハサニイコに釣られてどんどんと飛ぶように売れていった。


ちなみに外の町並みは西洋のようなレンガ造りの建物が多く、石畳が綺麗に敷かれ、軒先には花が飾られていたりと、手入れされて綺麗なところだった。


薄給の会社員時代にあれほど望んだ海外旅行が今無料でできていると思うと、異世界は本当に悪くないと感じた。


さらに補足すると、道行く人と言っても様々でウカや奥さんのように何かしらの動物を掛け合わせたような姿をした者やヒルナのようなエルフ、妖精もいたり、私と同じような人形をした者など様々だった。


異世界生活、悪くない。


私は混乱しつつもこの異世界ライフを楽しみ始めていた。


「午後は何するの?」 


小型トラック1台分くらいのラヤハサニイコはあっという間になくなって、すぐに手空きになった。


定期的にこの野菜売りを開催しているようで常連さんも多いそうだ。


「午後はちょっと魔法でやらなきゃいけないことがあるんだけど、付いてくる?」


魔法!異世界っぽい!やっぱり魔法ってあるんだ!


「もちろん!」


今にも下着が見えそうなバニーガールとメイド服の中間の服装で私は万歳して喜んだ。


異世界、最高!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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