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9.決意

 

 お父様は私を抱き上げくるくる回りながら2つのお願いを聞いてくれた。


「お父さま 大好き!ありがとうございます」


 思わずほっぺにちゅーっと唇をつけると「お嫁に行かず、ずっと家にいるかい?」なんて本気だか冗談だかわからない顔で言うお父様にカルタムが「だっ旦那様!?」と驚いている。


 お父様言いましたね?本気にしちゃいますよ?第2の人生も目指せ引きこもりで行きますわ!




 ルンルンしながら執務室を後にしてララを探し、お庭にお茶の支度をお願いする。

 もはや日課になってきた庭園の散歩とティータイム。


 木陰が気持ちいい。

 時折ふくさわさわとした柔らかい風を頬に感じながら紅茶を飲む。


 はー、これで心配だったお城のパーティーに行かなくてすみそう……


 お城で昼間に行われるパーティーやお茶会には6歳以上の子供を連れてきてもいい事になっている為、貴族の親達は子供同士顔合わせをさせながら婚約者候補や将来につながるご学友を見極めている。

 もちろん粗相の無いようにある程度マナーを学んでから登城する事になるし、月に1、2度あるお茶会に毎回参加する訳では無いので子供だらけにはならないようだが、それでも早い内から王家に顔合わせをしてあわよくば……と考える貴族も多く、王子と年齢の近い子供を連れてくる親は少なくはない。


 パーティーなんて行ったら攻略対象者達にきっと会ってしまうもの。

 顔合わせしないでおけばきっと第2王子の婚約者に選ばれる事もないんじゃないかしら?

 そもそも我が家は侯爵家だし、王子様にはもっと身分の釣り合うご令嬢が何人もいるはずだわ。

 婚約者が決まるのは一般的には10歳頃からと聞いたから、まずはあと5年、パーティーやお茶会を避けてみせる!


 1人でぼけーっとしたかと思えば眉を釣り上げて頷いたりしているリーシェルは、ララに生暖かい目で見守られながら決意を新たにした。


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