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55.孤児院訪問 5

 おしゃべりなアプリーに教わりながらジャガイモの皮むきをして、ついでに“いももち”を作っていく。


「そうそう、蒸したお芋を潰して片栗粉も混ぜてから、こんな形にしてみて」


 うんうん、子供はこういうの好きよね、粘土遊びみたいで。3人とも楽しそうに成形作業をしてくれる。

 あとは焼くだけなんだけど……実はまだ火を使う調理はダメだとお父様に言われているのよね。

 調理場に入る事自体は良いが、包丁は調理人と一緒に!火を使う時は大人に任せない!って。


 ちらり……とフェッブを見れば「何かしますか?」と気付いてくれた。


「これを焼いてもらえる?できる?」


「はい、私兵団で遠征したりもするので焼いたり煮たりなら任せて下さい」


 そう言うと、さっと火をつけてフライパンでどんどんいももちを焼いていった。

 結構手際がいいのね。香ばしい匂いが部屋に充満しアプリーなんて飛び跳ねて喜んでいる。

 マーニもユージンも目をキラキラさせながら、いつものお芋と違うって食い入るように見つめている。

 焼けたいももちから次々にお皿に並べていっていると外からドタバタ音が聞こえてきて、薪割りを終えたお兄様達が戻って来たとわかった。


「あー!何かうまそうな匂いする!」

「いい匂い……」


「リーシェは何を作っているんだい?」


 部屋に入ってくるなりみんながフライパンとお皿を覗き込んでいる姿が可笑しくて思わず声を出して笑ってしまった。


「ふっ、ふふっ、みんなでたくさん作ったからシスターが戻って来たら食べてね」


 1人でクスクス笑っていると周りがやけに静かな事に気付いて首を傾ける。

 ん?何か変なこと言ったかしら。

 沈黙を破ったのはおしゃべりなアプリーと、それからオッジ。


「リーちゃんは、アウローラさまだったのね……」


「そ、そんなわけねーだろ!た、たぶん……アウローラ様に似てるかもしれねーけど」


 え、え!?アウローラ様って女神アウローラ?どう言う事?


「確かに、女神アウローラ様は食べ物に困った人達に貨幣形の食べ物を分け与えたと言われているし、女神みたいに可愛くもある」


 ちょっ、ちょっとお兄様!何言ってるのよ。いももち作ったら女神様っておかしいでしょ!!



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