4.やはり異世界
食事を終えさっそくお兄様のお部屋を訪ねると両手でやっと掴める程の大きさの花束をわたされる。
「リーシェル・マクレガー嬢どうぞ受け取って」
ちっちゃい紳士再びー!!
「まぁ お兄さま、きれいな バラです。ありがとうございます」
「淡いグリーンのバラの花言葉はね、“希望を持ち得る”だよ。リーシェの瞳と同じ色。これからのリーシェにもたくさんの希望があるんだよ」
お兄様、王子様みたい……
思わず見惚れてしまっていたけれど、聞き捨てならない言葉があったんだけど!
「お、お兄さま…わたしの名前は リーシェでは ございませんの?」
「ふふ、家族はみんなリーシェと呼ぶからね。知らなかった?リーシェル」
えぇー!5年も生きてきて自分の名前をきちんと知らなかったなんて!!
だって誰もリーシェル呼びしないもの。
そもそもリーシェル・マクレガーってあのリーシェル・マクレガー?!
前世でお気に入りだった乙女ゲーム《薔薇色の宝石》の悪役令嬢じゃ……
そんな……私……乙女ゲームの世界に異世界転生してしまったの!?
淡いグリーンの薔薇が見える範囲がどんどん小さくなっていく。
最後は500円玉くらいの大きさの視野になって、お兄様の慌てた声がどこか遠くの方から聞こえたような気がして―――私は意識を失った。