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30.午後から引きこもり

 


 今日も午前中はダンスのレッスンをして午後からは魔法の訓練の予定だったけど、昼食を食べ終わって食後のお茶を頂いていたら、お父様から午後の授業はお休みと聞かされた。

 どうやらユグドル先生に急な用事ができたらしいわ。


 外は雨だからお部屋でなにしようかしら……引きこもるのは得意だからこんな日は大歓迎よ。


 部屋に戻るとララに刺繍道具を持って来てもらう。淑女の嗜みにもピッタリだし、前世でも小物作りが好きだったから暇潰しに最適なのよね。

 あ、アランお兄様にハンカチでも贈ろうかしら。図案は……お兄様は剣術が得意だから細身の剣と蔓模様でイニシャルを入れようっと。


 あぁ〜、この無心になれる感じすっごい好き。ひと針ひと針お兄様の笑った顔だけを想いながら他は何も考えずにいられる。この時間、プライスレスだわ。


 あ、でもすぐ終わってしまった。小さめの刺繍だし、男性用だからあまりいろんな色の刺繍糸を使わなかった事もありあっという間だったわね。

 せっかく気分が乗ってきたから何かもっと縫ったりしたいんだけどなぁ。


 そういえば、この世界ってぬいぐるみが無いみたいなのよね。陶磁器で作られたなんかちょっと怖い人形ならあるけれど、あれは飾っておく物だし、子供が遊べる木彫りの人っぽい物は全然可愛くない。

 もっとふわっとしててギュってできる可愛い物があればいいのにな……。


 ―――作れないかしら?


 確かこの辺りとこの辺りに縫い目があったのよね。


「お嬢様、刺繍道具はしまってもよろしいですか?」


 刺繍道具をテーブルの上に広げっぱなしで急いで紙にメモしだしたせいで、ララが慌てて片付くてくれた。


「ええ、ありがとうララ。ねぇ、何か余ってる布ないかしら?」


「布……ですか?」


 ポカンと口を開けたララににっこり微笑んだ。

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