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23.お祖母様に近づこう 5

 お祖母様とのお茶会を終えると、お兄様の部屋に一緒に入る。


「さっきも言ったけど、本当に美味しかったよ。リーシェはなんでも器用にこなすね」


 ドアを開けて押さえててくれるなんて、さすがお兄様!レディファーストね。


「アランお兄様こそ、魔法も剣術も筋が良いってユグドル先生がおっしゃってたわ!私の自慢のお兄様よ」


「ありがとう。とっても嬉しいよ。でもリーシェこそ僕より学習が進んでるんじゃないのかな。僕がもうじき終えるテスト、この間ユグドル先生が採点した物をもう持っていたから尋ねたらリーシェのだって言ってたよ。兄として少し情け無いかな」


眉尻を少し下げて微笑むお兄様も素敵だったけれど、なんて言ったって私のは前世のチートだもの。私にコンプレックスなんて感じて欲しくない。


「いいえ、アランお兄様はいつだって私の事を大切にしてくれて優しくて強いステキなお兄様よ!それにアランお兄様だって基礎の学習をもう終えるんでしょう、普通は15歳までに終えると聞いたわ。11歳でなんて充分すごいわ」


 ぎゅっと抱きついてお兄様がどれだけ大切で優秀か繰り返す。


「ふふ、リーシェは8歳で終えてしまったけどね。僕の天使は勉強もできて美味しいお菓子も作れていつのまにかお祖母様とも親しくなっているなんて、他にどんな事で僕をビックリさせるんだろうね」


「まぁ、お兄様ったら」


 抱きついたまま上を向くとお兄様と目が合って笑い合った。天使だなんて大袈裟ねぇ。なんだかこそばゆい気持ちだわ。


 それからはお祖母様とお父様の事は少しずつ仲を取り持とうと話し合った。長年の誤解でできたシコリはそう簡単には解れないだろう、と。

 明日はもう別邸に帰ってしまうけど、お父様が領地の視察に行く時は私も一緒に行きたいと思ってると言うとお兄様も賛成してくれた。

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