16.領地に行く 2
昼食の時間になるとお祖母様も部屋から出てきたが、気不味い雰囲気のまま黙々と食事を終える。
そしてお父様は領地管理の補佐の方と視察に出掛け、お祖母様はまた部屋に戻ってしまった。
お母様は荷解きの指示で部屋にいるみたいだし、アランお兄様はマクレガー家の警護を兼ねている私兵団の訓練を見学しに行くらしい。
街に行ってみたいなぁ。領主邸と街は隣り合っているけれど、間に広ーい庭がある為歩いて15分はかかりそうね。
みんな忙しそうだし、今日は大人しく魔力感知の訓練でもしようとそそくさと部屋にこもった。
平仮名と片仮名の読み書きを習得したら魔法の勉強が始められると思っていたリーシェルだったが、さすがに5歳で魔法の勉強は許可されず、6歳になってから机上での勉強が許された。
魔法論理や属性の座学を習ってから半年たち、やっと魔法を使う事が出来ると思ったら8歳までは魔力感知以外の発動はダメらしい。
まぁ小さい子供が制御出来ずに魔法を使ったら事故が多発しそうだものね。
リーシェルは椅子に深く座り、体内の魔力を身体に纏わせるようにした。
始めの頃は身体全体に魔力が行き渡らなかったり厚みに差があったが、1年半毎日欠かさず魔力感知の訓練をした今では、まるで厚さ1mmの薄いベールを纏っているようだ。
領地から帰ったら本格的に魔法の発動の授業が始まるのがリーシェルは今から楽しみなのだ。
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