7.使い魔、増える
翌朝。
今日は昨日の三人組がこの島を訪れる日だ。
待ち合わせの時間は港に9時。今の時間は6時でリーウェン港まではミサイル艇で2時間かかる。そう考えるとあと1時間は余裕があるので俺はさみしい島をちょっとでもにぎやかにすべくタブレットを起動した。
「25,000ポイントを獲得しました」
タブレットを起動するとこのような通知が来ており、手持ちポイントも25,345Pに増えていた。
たぶん、俺に入った報酬の100分の1がポイントとして入るらしい。
大幅に増えたポイントを使って何か買えないかいろいろとみてみる。
・使い魔(10P)×100
・滑走路(1,000p)
・あたご型イージス護衛艦(10,000P)
・SH-60J(2,000P)
※あたご型イージス護衛艦の艦載機として
・F-35B STOVL型(3,000P)
※垂直離着陸機で滑走路がなくても離着陸できます。
・港増設(1,500P)
・指令基地(1,000P)
・大型兵舎(800P)
・航空機整備格納所(500P)
・携帯型無線機(5P)×5
・AK-47自動小銃(30P)
計20,855P
残高4,490P
買いすぎたかな、、、なんて思ったりもしたがこれからなにがあるかわからないので、防衛力は多いに越したことはないだろう。
指令所も大きくしてみた。中に入ると大きなモニターが並んでいて、島の全景地図も表示されており何処にどのような施設があるのか一目瞭然だった。
司令官室もついているようで中に入るとキングサイズの大きいベッドや執務机なども置かれていた。
ついでに指令基地では普通に会話ができる使い魔が付属していたようでこちらの使い魔は人型なのだが体は黒くぽよぽよしていたので、何というか気持ち悪いような気がした。ちなみにほかの使い魔の「ミー」という鳴き声はこいつらには理解できるらしく、小隊長と会話していた。
使い魔100匹は75匹を海軍の方に移動させあたご型イージス護衛艦付きにした。優秀そうな使い魔を艦長に任命して俺が乗船しなくても操船できるように訓練しておいてくれと言っておいた。
残りの25匹は空軍に移動させF-35Bのパイロットや整備員、管制官などに任命した。
使い魔が増えたので小隊長を親衛隊長に役職替えさせてもらった。慣れるまで間違えるかもしれないがそこは我慢してもらおうと思う。
港も増設し今停泊しているのははやぶさ型ミサイル艇とあたご型イージス護衛艦の二隻なのだが、まだ船が停泊できるスペースは残っていた。ちょっと増設しすぎたかもしれない。
航空機整備格納所は名前のまんまでF-35の駐機と整備用に購入したのだがまだまだ飛行機は入りそうだ。ただ航空機は単価が高いのでそうポンポン買えるものではないのだが。
携帯型無線機はその名の通りだが通信範囲を指令基地の使い魔に聞くと「この世界のほとんどの場所から通信が届く」とのこと。地球の携帯型無線機の電波よりはるかに高出力らしく体に何らかの被害が出ないか心配である。
AK-47自動小銃は自分の護身用というかメイン武器として購入した。ギルドメンバーになったことでこれから陸上での狩りがあるかもしれないので、そのときとかに使おうと思う。というか俺がギルドに入った時男のギルドメンバーは皆、筋骨隆々でせなかにデカい剣やら斧などを装備していたが俺にはあんなものは扱えないので自動小銃にした。
あたご型イージス護衛艦を見に行くと早速使い魔が掃除していたり、弾薬を運び込んだりしていた。
あたご型イージス護衛艦は本来乗員300人ほどいるのだがそれを75匹の使い魔で操船するとはいったいどんな仕掛けなのだろうか。親衛隊長に聞いてみると「魔法を使ったりしている」とのこと。今度一回見たいものである。
そうこうしていると7時になっていたのでミサイル艇に乗り込もうとすると親衛隊長が「われらだけで充分ですので、司令官は基地でお待ちください。」とのことだった。
ミサイル艇が出航していったあと何もすることがないので指令室で暇していると指令室の使い魔に
「あたご型イージス護衛艦の訓練のために途中まで迎えに行って、合流した後ヘリコプターで帰ってきては?」と提案された。
なるほど、そんな考え方があるとは、、、めちゃくちゃ優秀な使い魔である。
「そうしよう」と俺が言うと指令室の使い魔が無線であたご型イージス護衛艦に連絡していた。
港に向かうとあたご型イージス護衛艦の艦長が待っていて「もう出港準備はできております」とスケッチブックを掲げていた。こっちの使い魔はしゃべれないのがいささか不便なのだが我慢するしかない。俺はあたご型イージス護衛艦に乗り込むとミサイル艇の後を追うのだった。
後を追うといってもこっちの方がはるかに大きいので追いつくわけがなく、迎えに行ったミサイル艇が引き返してきたところを合流する予定である。
ミサイル艇の方には指令室の使い魔が連絡していたので話は伝わっているはずである。
船は進むが、なにぶんすることがない。暇つぶしで艦長に船の案内を頼んだ。
まず向かったのは帰りに乗る予定のヘリコプター。SH-60Jである。このヘリコプターは武装していて自動小銃一丁と魚雷二本を搭載していた。最高速度は時速275キロと船とは比べ物にならない。最大搭乗人数は8人である。
次に向かったのはCICと呼ばれる戦闘指揮所である。この部屋は乗組員でも入室制限がかけられており最高機密の結晶である。俺?俺は司令官なので顔パスである。ちなみにCICに入ることが夢でもあったので俺は感動していた。レーダー画面を見てみるとこの世界の地図にいろいろな船が航行しているのが表示されており商船が緑、他国軍艦が黄色、うちの船が青らしい。レーダーで確認するとミサイル艇がリーウェン港に入港していることがわかった。ちなみに今は表示されていないがもし戦争とかになった場合は敵国軍艦など敵国の軍事力は赤色で表示されるらしい。いったいどうやって木造の船をレーダーでとらえたり識別しているのか全く分からなかったが多分異世界の謎パワーが働いているんだろうと片づけた。
このレーダー画面は指令基地にリアルタイムで送られており向こうでも確認できるそうだ。
そのあとも食堂や居住区などを見て回り艦橋に戻ってきた。ちなみに艦橋とCICの違いは艦橋は操船に関することを取り扱っておりCICはミサイルの発射などの戦闘関連を取り扱っている。
三十分ほどすると指令基地から無線が入り「まもなく合流のため180度転回して停船せよ」とのことだった。船は大きく右に傾きながら左方向へ舵を切る。回避訓練として舵を切れるだけ切ったそうだ。
停船して5分ほどたつと後方から減速したミサイル艇が近づいてきた。
ミサイル艇の甲板には親衛隊長とポカンとしたカイラとムルさん。それから手を振ってはしゃいでいるシルの姿が見えた。
三人は縄はしごを使ってイージス護衛艦に乗り移ると親衛隊長に御礼を言っていた。
「いらっしゃい。いまから船を案内するから」
俺が言うとカイラが疲れた顔で言った。
「もう、何も突っ込まないけど何なのよこの船の大きさは」
カイラはいつもガレオン船と比べているようだがあんなものとは戦力も大きさも桁が違う。
まぁそりゃ300年から400年ほどの時代差があるので比べるのが間違いなのだが軍艦として大砲を50門も積んでいるガレオン船よりイージス護衛艦の方が10倍重いのである。材質なども考えるとサイズ差はそこまでないと思うのだがカイラの目には異常にデカく見えるらしい。
さすがにCICは見せられないので艦橋で艦長にあいさつした後早々にヘリコプターの方へ向かった。
「なにこれ」
カイラが聞く。
そりゃこんな形の乗り物など見たことがないだろう。
「これはヘリコプターといって空を飛ぶんだよ」
「空を飛べるの!?」
シルがキラキラした顔で割り込んでくる。
「まぁとりあえず乗ろうか」
俺はそういうとヘリコプターに乗り込んだ。
ヘリコプターが離艦していく。
「これ、途中で落ちたりしないでしょうね」
カイラは不安そうだったがシルは目を輝かせて窓ののぞき込んでいた。
「飛んでる!飛んでるよ!」
「このヘリコプターで15分くらいかな」
俺が言うとカイラは嫌そうな顔をしていた。
今回は兵器の名前が多く出てきました。
少々わかりにくい人もいたのではないでしょうか。申し訳ございません。
ただあまり現実に即すとわからない人が出てきますし逆に全く現実の性能をガン無視するわけにもいきません。なので兵器関連は一応現実に近いけどもフィクションもはいっています。
そこの部分はご理解の程よろしくおねがいします。
今回はあたご型イージス護衛艦と正式な名称で記入しましたが本文が読みにくくなる可能性を考え次話からは単にイージス護衛艦と表記する予定です。
引き続き近衛瑞をよろしくお願いいたします。




