69.デウグルーブと国際独立軍2
デウグルーブが転進しガジス王国の王都に向かっているときに後方から爆音が響いた。
後ろを振り向くと帝国の本陣があったあたりから煙と炎が上がっているのが見える。
「停止!一度状況の確認を行う!」
国王の命令が耳に入る。
その後にもたらされた「国際独立軍が攻撃を行った」という情報はデウグルーブにとって衛兵を失った喪失感を遥かに凌ぐ情報だった。
「こんなにすごい兵器があるのか。ぜひ我が陣に取り入れねば、、、」
デウグルーブはこの兵器を自分が所持した時の事を妄想し笑みが止まらない。
「この兵器さえあればこの国というちっぽけな存在ではなくこの世界を手に入れられる。フフ。フハハハハ!」
デウグルーブは周りに人がいることも忘れて言った。
しかし幸いにも「もう一回帝国を攻める」と言った国王の命令のせいで阿鼻叫喚となっていた本陣ではその言葉は誰にも聞かれるわけでもなく消えていった。
結果戦争は完敗でデウグルーブの衛兵も戦争に連れていったものは全滅してしまったがそんな些細な情報はデウグルーブの頭の中にはなかった。
「どうやってあの兵器を奪うか」
デウグルーブの頭の中はこの問題でいっぱいで食事も忘れ目は血走りまさに悪魔の形相で、時折笑みを浮かべながら兵器を奪う方法を考えていた。
そしてイコルセンテと七年ぶりに再会することを決めたのである。
「兄さん久しぶりだな。でも体調悪そうだぞ。最近飯食ってるのか?」
イコルセンテは七年ぶりに再会した兄に問う。
「イコルセンテ。そんなことはどうでもいい。サトウの情報を渡せ」
「あぁ。兄さんが言うから可能な限り集めたよ」
デウグルーブはイコルセンテと会うと決めるや否やイコルセンテ宛に「サトウの情報を集められるだけ集めて屋敷に来い」と手紙を出していた。
そしてその手紙を受け取ったイコルセンテは七年ぶりに帰郷したのである。
「サトウは前にも手紙で知らせた通り元ギルドメンバーだ。それで一緒に依頼を受けた奴らはこいつらだな」
イコルセンテはカイラ達の情報を兄に渡す。
「ほぉ。こいつらなら国際独立軍の情報を知っていそうか?」
「あぁ間違いなく知っているだろう。スピアフィッシュの討伐がサトウが受けた最初の依頼なんだがその報告書に謎の大砲を積んだ高速船を使用したと記載されていた。これは国際独立軍の艦船とみて間違いないだろう。つまりカイラ達三人はこの船に乗っているので何らかの情報を知っているだろう」
「その前にカイラ達が本当にサトウとつながっているのか調べねばなるまい?これで船の情報しか知らなかったら割に合わん」
デウグルーブは弟を見ながら言った。
「じゃあ調べるとするよ。その代わり何人か人が欲しいんだが」
「構わん。衛兵とうちの情報部を好きに使え」
「了解」
こうしてカイラ達に見張りがつくことになり奴隷商館でサトウとのつながりが確認されたのである。




