114.アウトバーナー男爵家領地到着
「国際独立軍の方ですね?」
アウトバーナー男爵家領地に着くと騎士風の男に話しかけられた。
あの後、CH-47にて国際独立軍本拠地を飛び立った俺たちは、数時間後にはアウトバーナー男爵家領地に着いていた。
町近くの森に空き地を見つけ着陸すると、その姿を見た騎士が駆け寄ってきたのである。
「そうだが」
スヴェートが答えた。
「国王陛下から書状で詳細は伝えられております。申し遅れました。私は王立第三騎士団、副団長マルクと申します。以後お見知りおきを」
「ここはすでに我々、国際独立軍がもらい受けた土地だが、なぜガジス王国の王立騎士団がいる?」
スヴェートが聞いた。
「はっ。我々はアウトバーナー男爵家の捕縛、処刑そしてしばらくの治安維持のために派遣された部隊であります。現在は書状の内容を受けて、撤退準備を進めております。しかし国王陛下からアウトバーナー男爵家領地の説明を行うようにと書状にて命を受けまして、現在皆様の前にいる次第です。この業務が終わり次第王立第三騎士団は王都への帰途につきますのでご安心を」
「じゃあ、早速説明を頼む」
俺はマルクに向かって言った。
「えぇ。しかし外ではなんです。建物のご案内しましょう」
マルクはにこやかに言って俺らに背を向けた。
案内されたのはアウトバーナー男爵家元邸宅である。
無駄に豪華ででかかった。
「一介の男爵家がこんなでかい屋敷に住めるなど聞いたこともないのですが、この家は不正をもうちょっと多くしていたのかもしれませんね」
俺の気持ちを察したのかマルクが言う。
「ではこちらが応接室のようですのでどうぞ」
マルクはそう言って部屋に入り座るように促してきた。
「では失礼して」
俺がそう言って座ると全員が座った。
「では、アウトバーナー男爵家領地について簡単にご説明させていただきます」
マルクはそう言うと語り出したのだった。




