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冥界の花嫁

作者: Spicy Mint

 わたくしはいつも孤独だった。

 わたくし自身を、そしてわたくしの境遇を恐れて誰も相手にしてくれない。


 『冥界の花嫁』・・・それがわたくし。


 いつ訪れるとも知れない、花婿をただひたすらに待ち続ける運命。



 わたくしがこの国の初姫として誕生したとき、国中を挙げて祝われたという。

 国王と王妃である両親は初めての子供にあらゆる幸せをと望み、デルポイへご神託を授かりに赴いた。


 アポロンの神殿で、赤ん坊のわたくしに授けられたご託宣は

 『この者は、冥界の王ハデスの妃となる運命にある』

というものだった。


 神々の寵愛を受ける人間は、珍しくはあるがたまに存在する。

 しかし冥府の王ハデスには、嫉妬深いとされる妻ペルセポネがいる。

 

 しかも冥界は…死者の国。

 その国は地下にあって、生きている人間は通常、行き来することはできない。


 つまり、人間であるわたくしがハデスの妻になるということは…死ぬということ。


 両親は嘆き悲しみ、国中は灯が消えたように沈んだという。

 わたくしは「顔を見るのがつらい」と言う理由で両親とあまり交流もなく、どうせ冥府の王に嫁ぐのだからと姫らしいことは何もしてもらえず、まるで城の中に幽閉されたようにして育てられた。


 わたくしを憐れんだ侍女が、父親の国王に申し出て、わたくし専用の小さなお庭と四阿あずまやをつくることを許してもらった。

 

 わたくしは毎日、その綺麗なお庭に行って花を見たりお茶を飲んだりして過ごす。

 他にすることもなく、退屈な退屈な毎日。


 そうして日を過ごすうち、いつしか18年の歳月が流れた。



 その日は、弟である第一王子の成人式だった。

 国中が祝ってお祭り騒ぎとなって、近隣遠方問わず、様々な国から国王・王子王女、お祝いの使者が駆けつけた。


 お祝いの行事は多岐に渡って一週間続く。

 王子の花嫁となる姫も決められるようだ。


 わたくしは例によって独りで、月の光に照らされた庭の四阿に座って、昼間とは違う風景を眺めていた。

 城の方からは、賑やかに楽しそうな明るい声や音楽が響いてくる。


 アルテミス…

 わたくしはゆっくりと中天に差し掛かる、美しい月の女神を見上げた。


 わたくしはどうなるのでしょう…

 このまま、一人寂しく年老いていくのかしら。


 ハデスは本当に、わたくしを迎えに来るの?

 それとも、わたくしが自ら命を絶って、ハデスの許へ行くの?


 ハデスには愛妻ペルセポネがいて、ペルセポネは地上に帰ってくる冬の間以外は常にハデスの側にいるという。

  

 わたくしの頬を、涙が伝う。

 夜空を壮大な馬車で駆け抜ける月の女神が、わたくしの方を見て、微笑んで頷いたような気がした。


 「これは…素敵なお庭だ。

 どなたのものですか?」


 聞き慣れない男の人の声がして、わたくしがはっと振り返ると。

 吟遊詩人アオイドスが弦楽器を手に立っていた。


 みどりの瞳に知的で優しい光をたたえ、茶色味を帯びた長い金髪をなびかせて、口ひげを蓄えた口元は茶目っ気を感じさせる笑いを浮かべている。


 「美しい姫君…あなたは?」

 若い吟遊詩人は深く響く美声で言いながら、わたくしに近づいてくる。


 わたくしは身を引いて、ただ目を見開いて彼を見つめる。

 お父様と弟王子以外の男性とは口をきいたこともないわたくしには、如何に優しそうな外見でも男の人というだけで恐ろしかった。


 「怖がらないで…何故、このような場所におひとりで…」

 「誰か…!」


 わたくしは怖さで詰まったようになった喉から、小さな声を絞り出す。

 吟遊詩人はわたくしに大股でぱっと近寄り、細く長い指をわたくしの唇に当てる。


 「しっ!…声を出さないで」

 「・・・・・!」


 わたくしは口を封じられ、恐怖におののいて見開いた眼から涙を零す。


 「すみません、驚かせるつもりはないのです。

 あなたは…この国の姫君であらせられますね?」


 吟遊詩人はわたくしの唇から指を離し、片膝をついて横に弦楽器を置く。

 片手を胸に当て、片手を広げて優雅にお辞儀をし、わたくしの手を取って指先にそっと口づける。


 「私は、西の国から旅をしながら参りました、アリストパネスと申します。

 ふらりと立ち寄ったこの国で、第一王子デメトリウス様の成人式に参加し、うたを歌っておりました。

 酔ってしまったので広大な宮殿の庭を散策して居りましたら…この小さな花園と麗しい姫君を見つけてつい、入ってきてしまいました」


 碧の瞳をきらめかせてわたくしの瞳を覗き込む。

 「無礼をお許しください。

 でも、どうしてもそのまま通り過ぎることができなかった。

 清楚で可憐な姫君…お名前を聴かせてくださいませんか」


 わたくしは、彼の透き通った碧の瞳、低く囁く甘い口説に吸い込まれるように名を口にする。

 「クリスティアネ…」


 おお、とアリストパネスと名乗る吟遊詩人は、驚いたように軽くのけぞった。

 「それではあなたが…かの有名な『ハデスの花嫁』であらせられるのですね」

 

 わたくしは、ぱっとうつむく。

 皆が知る、忌まわしいわたくしの名前。

 初めて会った人に何故、こんなに簡単に名乗ってしまったのか…


 「失礼なことを申し上げてしまいましたか。

 重ね重ね申し訳ありません、私としたことが…」

 わたくしの様子を見て、アリストパネスは少し慌てたように言い、横に置いていた弦楽器を手に取る。


 「お詫びに、私の拙い歌をお聴かせ申し上げましょう。

 私の旅してきたさまざまな国、出会った人々の歌を」


 弦楽器を構え、弦を一度かき鳴らし「月夜の花咲き乱れる庭で出会った、麗しくも儚く美しい姫君に」と言って、ウィンクする。


 金髪碧眼の若い吟遊詩人は、少し寂しい調べに乗せて、高音も低音もよく響く美しい声で歌う。

 魅惑的な歌声もさることながら、わたくしはその詩の内容に魅了された。


 絶海の孤島、広大な砂漠に住む人々、迷宮になった洞窟宮殿、空中の神殿…

 そして美しい姫君たちとのロマンスの数々…

 

 わたくしが今までに見たことも聞いたこともないような、心惹かれる風景が詩に織り込まれ、次々にわたくしの目の前に鮮やかに展開する。

 わたくしはうっとりと聴き惚れた。


 やがて、アルテミスが地平に近づき、太陽神アポロンが姿を現そうとする頃、ようやく吟遊詩人の長い長い歌は終わった。

 優雅にお辞儀をするアリストパネスに、わたくしは手を叩いて惜しみない賛辞を贈った。


 「いかがでしたか」吟遊詩人は微笑む。

 「素晴らしかった…」わたくしはまだ、夢の中にいるような心地で呟く。


 「あなたのその表情…

 女神もかくやと言うほどに、お綺麗だ…」

 アリストパネスはわたくしの耳元に口を近づけて甘く囁く。


 わたくしは驚いてアリストパネスの顔を見つめる。

 今まで、誰もわたくしの外見を賛美してくれたことはなかった。


 「綺麗…?

 わたくしが…?」

 考えたこともなかった。

 

 吟遊詩人は大袈裟な仕草でわたくしの手を取る。

 「あなたは、ご自身の輝くようなお美しさにお気づきではないのか。

 失礼だが、今までどなたも…?」


 わたくしは、彼の手から自分の手を外す。

 「わたくしはただ、この命果てて冥府の王に嫁ぐ日を待つだけの身ですから…」

 

 はっとしたように、アリストパネスは息を呑む。

 「さようでございましたか。

 それはあまりにもお寂しい…」

 

 それから居住まいを正して、深くお辞儀をした。

 「クリスティアネ様、今宵は楽しいひとときをありがとうございました。

 宜しければまた今夜も、この美しい庭に、貴女にお会いしに来てもよろしいでしょうか」


 え…

 わたくしも息を呑む。


 「わたくしは『ハデスの花嫁』でございますのよ…

 それをご存知で何故?」


 吟遊詩人は、その碧の双眸を悪戯っぽくきらめかせ、口ひげに覆われた唇に笑みを浮かべて自分の人差し指を当てる。

 「何故って、姫君のようなお美しい方に何度でもお目にかかりたいと思うのは、吟遊詩人アオイドスさがだからですよ。

 それでは、良い夢を。また今夜」


 そう言ってまた金髪をなびかせて優雅に頭を下げると、わたくしの小さな庭から出て行った。

 わたくしは夢のような出来事にぼうっとして、しばらくその場から動けなかった。


 「クリスティアネ様…もうそろそろお寝みあそばしませ…

 夜露でお風邪を召しますわ」

 そっと侍女が声をかけてくる。


 アポロンが地平から顔を出そうとしている。

 わたくしは、今からもう今夜を楽しみにしている、自分に気づいて驚く。


 また、あの方に会える…

 わたくしを美しいと賛辞し、遥か異国のお話を聞かせてくださる、綺麗な碧の瞳の吟遊詩人…


 それから一週間、弟王子の成人式の間中毎晩、わたくしは碧眼の吟遊詩人と共に小さな庭で過ごした。

 大抵は吟遊詩人が素敵な声で奏でる、珍しい国や心弾む風景、さまざまな人々の歌を聞いた。


 吟遊詩人は歌だけではなく、いろいろな国、そこに住む人々、それから神々の話をしてくれた。

 オリュンポスに住む神々、その周りにいる数多の神々の繰り広げる、恋の話、戦の話、などなど。


 わたくしは初めて聞く話に、目を丸くして聞き入った。

 吟遊詩人の話術は素晴らしく、臨場感があって、まるでその場にわたくしはいるような錯覚を覚えるほどだった。


 そうして一週間は、瞬く間に過ぎて行った。

 

 最後の夜が白々と明けるころ、吟遊詩人はわたくしに深々と頭を下げて言った。

 「一週間の長きに渡り、私の拙い歌と話をお聴きくださいまして、まことにありがとうございました。

 クリスティアネ姫様ほど、熱心に聞いてくださった方はこれまでに居りません」


 顔を上げて、わたくしに近づき、その碧の双眸を甘やかにきらめかせる。

 「目を丸くなさって聞き入ってくださるその愛らしい表情は、私の一生の宝物でございます。

 もう、お会いすることもないでしょうが…

 どうぞ、いつまでもお元気で」


 わたくしは、淋しさのあまりうつむいてしまう。

 「わたくしの方こそ…こんなに楽しい時間は生まれてから一度もありませんでしたわ。

 あなたは吟遊詩人で諸国を巡って詩を歌う方ですものね。

 お引き留めしてはいけないのね…」


 堪えても零れ落ちてしまう涙を、慌てて拭う。

 アリストパネスはわたくしの手を取り「そのお言葉だけで、私のようなものには身に過ぎた光栄でございますよ」と優雅に手の甲にキスをした。


 そうして一礼すると、弦楽器を抱え、小さな庭から出て行った。


 わたくしは顔を覆って泣き出す。

 寂しい…

 わたくしはなんて、孤独なのだろう。


 楽しい時間の後には、ますます淋しさが募る。

 でもそれだけではない。

 

 ぱちぱちっと陽気に瞬く碧の瞳。

 高く低く響く美しい歌声、楽器をかき鳴らすしなやかな体躯、風になびく緩やかにウェーブした長い髪。

 

 わたくしは、あの方を…



 翌日、アポロンが中天に輝くころ、わたくしは父王に呼び出された。

 侍女たちが、何故かわたくしを煌びやかに装わせ、長い髪を結って宝石で飾り、化粧を施した。


 父王はわたくしをご覧になると「よし。それでは行こう」と母后に言い、泣き出す母后の肩を抱いて、わたくしに小さな馬車に乗るよう命じた。


 かなり長い時間、馬車はガタゴトと走り続け、アルテミスが姿を見せるころ、ようやくどこかへ着いた。

 わたくしは御者に手を取られて馬車を降りる。


 ここは…


 大きな洞窟の前だった。

 ヒマティオンを着ていても肌寒い風が吹きつけてくる、ぽっかりと口を開けたうろは、まるで地の底へ続いているようで、わたくしは身体が竦んでしまった。


 「クリスティアネ…」

 父王がわたくしの名を呼ぶ。


 「そなたが、ハデスに嫁ぐ日が来た」


 えっ…

 わたくしは目を瞠って、父王を見つめる。


 「デルポイの神託には続きがあった。

 『この娘が恋を知ったら地底世界に繋がる洞窟へ行かせるように』と」


 父王はぎゅっと目を瞑って、天を仰いだ。

 「わしと妃は…そなたが恋を知らぬままにずっと我らの傍に居てくれることを願って…

 可哀相だと思いながらも、誰とも交流させなかった。

 しかしまさか…デメトリウスの成人式に、ふらりと現れた吟遊詩人などに、そなたが恋をしてしまうとは…」


 そんな…

 わたくしは顔を覆って泣き出す。

 お父様とお母様が、そんなふうにわたくしのことを思ってくれていたなんて…


 父王は、いつも付き従っている兵士から宝剣を受け取ると、わたくしに差し出した。

 「こんなものしか渡してやれない、無力なわしを許しておくれ…

 ハデスと幸せに」


 わたくしは剣を受け取ろうと震える脚を踏み出す。

 

 その時「お待ちください、カリラオス王!」と、わたくしの背後で声がした。


 この…声…


 わたくしは振り向く。

 そこにいたのは、アリストパネス!


 アリストパネスは息を切らせたまま、片膝をつく。

 「クリスティアネ姫を…本当にこんな洞窟におひとりで往かせるおつもりですか?」


 父王は憤怒に顔を赤くし、声に怒気を含ませて、アリストパネスを糾弾する。

 「そなたが…わしと妃の大事なクリスティアネをハデスの花嫁にさせてしまったのだ!

 よりにもよって、吟遊詩人などに恋をするとは…」


 「わしと妃の恨みを思い知るがよい!」

 と言うなり、兵士に「討ち果たせ!」と命ずる。


 太刀を振りかぶり、兵士がアリストパネスに向かって突進していく。

 わたくしは思わず「やめて!!」と叫ぶ。


 アリストパネスは立ち上がり、兵士の振り下ろした太刀を易々と素手で受け止める。

 「人間如きが…このハデスにキズをつけられると思うてか!」


 地の底から響くような大声で一喝すると、その姿が徐々に変化していく。


 茶色がかった金髪は、漆のような黒髪に。

 口元を覆っていた短い口ひげは、胸まで届く長い顎ひげに。

 透き通る白い肌は、赤銅のような艶やかな褐色に。

 しなやかな細い体躯は、堂々とした偉丈夫に。


 変わらないのは、美しい碧の双眸と、良く響く声だけ。


 その場にいる皆が息を呑んで恐ろしさに身を竦めていると、ハデスは何処からか駆け寄ってきた漆黒の馬にわたくしの腰を抱いて飛び乗り、地面に膝をついた父王を見下ろした。


 「この洞窟は確かに地底世界に繋がってはいるが、途中には恐ろしい地下の生物がゴロゴロしている。

 とてもそんな宝剣一振りで、クリスティアネひとりでたどり着けるような場所ではない。

 まったく信じられない。娘を殺す気なのか」


 「そなたたちの望み通り、クリスティアネは私の花嫁としてもらって行く。

 ただ、そなたたちのクリスティアネに対する深い愛情に免じて、1年のうち冬だけはそなたたちの許へ帰そう」


 わたくしは、大きな声で父王に話すハデスが恐ろしくて、またその話があまりにも衝撃で、気を失ってしまった。


 

 わたくしは割とすぐに気づいたらしい。

 ハデスはわたくしを抱いたまま馬を駆って洞窟の奥底へと向かっているらしい。

 

 何かぶつぶつと不平そうに呟いている。

 「まったく…アポロンの神託には参ってしまうな…」

 

 わたくしが身じろぎしたのに気づいて、ハデスはわたくしを抱え直し、優しく顔を覗き込む。

 「クリスティアネ、驚かしてしまってすまない。

 一週間前、私はアルテミスからあなたのことを知らされ、吟遊詩人アリストパネスに化けて、あなたの庭に行ったのだ」


 わたくしはハデスの姿が、やはり怖くて、身を縮める。

 ハデスは苦笑して「怖いか。仕方ないな」と呟き、アリストパネスに姿を変えた。


 わたくしの身体から力が抜けて、アリストパネスはわたくしを抱きしめて額に口づけた。

 「アルテミスからあなたが私の花嫁になるとの神託を受けて、一人寂しく待っていると聞くまで、私はそんな神託があったことも知らなかったのだ」


 「アポロンの託宣に合わせて、私たちが動くこともよくあるのだよ…

 予言が先か、運命が先なのか、よく判らない時もある」

 ぼやくように言うアリストパネスに、わたくしはつい、笑ってしまった。


 アリストパネスのハデスは、わたくしを愛しそうに見つめる。

 「あの小さな庭で、ひとり四阿に座るあなたを初めて見た時、私は恋に落ちた。

 私の歌を、目を輝かせて聴くあなたのその可愛らしい表情…

 私のものにしたいと、託宣などなくても思った」


 わたくしは、アリストパネスから目を逸らす。

 「でも…ハデス様には、ペルセポネ様が…」


 アリストパネスは少し気まずそうに咳払いする。

 「うん。まあ…私もメンテーの時のようなことはしない。

 今回はきちんとペルセポネにも話してあるよ。

 今は、ペルセポネもアドニスという人間の少年に夢中だから、何も言っていなかった」


 メンテーはニュムペーで、ペルセポネの嫉妬によって、のちにミントと呼ばれる雑草に変えられてしまった。

 わたくしも、いつかそうなってしまうのかしら。


 でも今は、とても幸せ…

 わたくしはアリストパネスの胸に身を寄せて目を閉じる。


 「クリスティアネ、愛しているよ…」

 アリストパネスは手綱を持った手でわたくしのおとがいを持ち上げ、唇を合わせる。


 

 こうしてわたくしは、ハデスの妃になった。

 ペルセポネがオリュンポスに帰る、春夏秋は地下の冥界で過ごし、ペルセポネが冥界にいる冬はわたくしは国に帰り、両親や弟妹たちと過ごす。


 ハデスは、わたくしをさまざまな場所へ連れて行ってくれる。

 アリストパネスに化けて話してくれた、いろいろな場所や国を実際に見せてあげようと言って。


 人々に畏怖され忌まれていた『ハデスの花嫁』は、冥界と人間界を行き来しながらいつまでもハデスの傍で幸せに暮らしている。

 






 

 

 

 

 

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