守ったあいつとリスタート
プロローグ 強くなりたくて
面白くもない体育が終わり昼休みを知らせるチャイムが校内に鳴り響く。誰しもが楽しそうに過ごすこの時間、体育同様に僕は面白くない。
[・・・]また先輩に呼び出された。ここのところ毎日毎日連続、なんでだろうもう何も感じない。
[今日も豚が来た来た!]
下品な笑い声とガヤが頭に響く。まるで新発売のオモチャを待ちわびた子供のようにはしゃぐ2年の先輩達。高校2年生にもなって僕みたいな小太りで勉強しかできない1年生をいじるこいつらが正直気持ち悪かった。いや、こいつらも他の生徒同様に楽しんでいるだけなのだ。
[ほら、今日もしっかり耐えろよ。]スッ
[!?ウッっ]
衝撃が腹部に走るーーー気持ち悪いーーー
[うぇぇえ!]
さっき食べた昼食を色鮮やかに嘔吐した。気を失いかけながも昼休みが終わるまで佐藤先輩のサンドバッグになるしかなかった。
放課後か。あれから何分経ったのだろうか、ふらふらにくらくらになりながら教室に戻り授業を受けてもう帰る時間、[・・・]そろそろか。
[大和~いる~~?]
よく響く綺麗な声で女の子が元気よく扉を開けて入って来た。亜麻色の髪を後ろで結んで見せてる可愛い女子、彼女は一つ上の幼馴染で雪村楓という。お姉ちゃん的に思っていたが最近は女子として魅力を感じている。っていうか凄く好きだ。毎日先輩にいじめられても楓姉がそばにいてくれればそれで幸せだ。さて帰るか。
[ごめん大和今日は先に帰って!]
?珍しい用事でもあるのかな?そうでもないかここ最近は帰る時と帰らない時半々ってところか笑
[わかった、また後でね楓ねぇ]
そう言って僕は昨日買ったゲームを早くやりたくて早足で帰った。
今何時だっけ。時間を確認しようと携帯を見ようとしたが左ポケットにも右ポケットにもそれはなかった。
やばい教室に忘れた!!
僕は遅い足で10分もかけながら学校に戻った。夕方は冷えるな校舎裏は。先生に見つかりたくないので校舎の裏から入り込んだ、。
ガタッ 野球部室から音が聞こえた。
?おかしいな今日は野球部休みなのにちょっと覗いて見よ。
[ん、ーー]
!!!!そこでは楓姉と佐藤が唇を重ねていた。
無言で走った。え?嘘だよね、 え?何も分からなくなりひたすら家の方向に走った。
[楓ねぇ・・・]
家に帰ってすぐに布団に潜り目を晴らしながら深い眠りについた。
目がさめると8時半思ったよりも眠れなかったらしい
あれ?なんで寝てたんだっけ?確か・・・
ガチャ 家の扉が開く音が聞こえた楓姉かな?・・・
楓ねぇーー
[大和~いる~?]
僕は勢いよく階段を降りる。わざと音を立てて苛立ちを表して。
[大和、ただいまー]
[楓ねぇ、佐藤と付き合ってるの?]
[どうしたの急に!佐藤くんがどうしたの?]
[あいつはクソ野郎なんだ!!あいつと付き合ったら楓ねぇひどい目にあっちゃうよすぐに別れた方がいいよ、あいつクズなんだよ!!!]
一生懸命訴えた楓ねぇを守らないとあいつだけはねぇちゃんとはーーー
バチンッッッ 衝撃が右頬に走った。バランスを崩して倒れてしまった。
!?
[最低!なんでそんなこと佐藤くんに言うの!!]楓姉が叫んでいる泣いている。
何を言っているのか聞こえない。目が腫れて何も見えない。涙で視界がぼやける。!!!!
世界が灰色になった気がした。僕は部屋に全力で戻り世界を閉じた。
11時か、、、テレビの光が目に痛い。笑い声がうるさい。カップめんもまずい。母は飲食店で父は自衛官なので帰りが遅いそうして慣れた食事好きな食事がカップめんなのに。
またcmか、、、予備自衛官生徒?給料18万!?
調べて見よう
予備自衛官生徒、高校生の予備自衛官を育成するための制度、エンジニアとしての技能知識を養うため試験のレベルは高く倍率も高いが入れば天国か
エンジニアの自衛官は技術屋のため激しいトレーニングよりも座学に力を入れているらしい。・・・
正直もうここにいるのは嫌だ。
[もしもし、父さんーーー
あの電話から一年か・・・
俺も非力なガキだったな、懐かしい。思えば色々あったな、後で大輝にでも電話するか。
ガチャ
[ただいまー]
父さんも母さんも相変わらず元気そうだった。何より元気にしてる俺を見て嬉しそうだった。帰って来たぞ我が家に千葉に。
1再会
学校には休校届けを出して2年からの参加になっているらしい正直幹部としての将来が約束されている3曹の俺には学校に今さら行く意味なんか。
そんなことを考えながら校門についた。ここも1年ぶりだな。今日は新入生の入学式もあるのか職員も大変だな笑 昔のことは正直何も覚えていない、何してたっけ俺?まあいいや職員室に行こう。訓練でくたくたの足を職員室に運ぶ。?黒塗りの車?やけに多いなVIPでも来るのか?まさかな笑
ガラガラーー
[あの~すいません本日より登校の空見大和ですけど。][久しぶり~大和くんだね。ぜんぜん昔と違うねぇイケメンすぎない?えっ?なんでこんなに身体締まってるの?やばいやばい]呼吸を置く間もなく三十路くらいの綺麗な先生が絡んで来た。うざい。
[加藤先生!自重してください!]
他の先生に怒られた。本当に教師かよ品位を保て馬鹿者が!
[私のこと覚えてる?]凄く回答を楽しみにしてる顔だ、顔わかりやす!!ぽーかーふぇいす学んでこい!!
[すいませんミジンコほども覚えていないっす。]
いやマジで、1年生の頃のことなんて何も覚えてないから人の名前とか尚更だぞ?こんな先生いたっけ?
そもそも誰かいたっけ俺の知り合い!・・・いないな!
ヤベェ先生号泣しとるやん!!知らん体育館向かおう!っていうか遅れてるじゃねぇか!!
体育館独特なかおりするよな。分かる人には分かるはず。なんだか周りが騒いでるな目線がうぜえ。こっち見んなよコソコソ騒ぐな。
[やばい、あの先輩超かっこいいんだけど][身体つきやばくない~目とか鋭くてキュンとしちゃう。]
ザワザワこそこそ
顔に何か付いてんのかよ、何も無いな。
自分の席に着く。
バンー体育館の扉が勢いよく開かれる[咲夜さんが入られるぞー]黒服の奴らと女子が一人入って来た
白のアクセントが強いブランドヘアーで片目を隠したセミロング目も金色のようだ。どっかのお嬢さんか?
ロシアの血が混じってやがるな一応班長に連絡入れておくか。制服に隠した無線機で班長を呼び出そうとする。
[お久しぶりです大和!]
!?
まるで水晶のような目で俺を見つめる絶世の美
の少女との高校生活の始まりだった
高校生活始まり