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約束 3

「時期に辰美さんも分かりますわ。怠惰に身を任せたように聞こえるでしょうけれども」

「うーん。難しくてねえ」

「どうせ理解する気なんてないだろ。コイツ」


 月世弥にバカにされ、ムカッとするが二人と仲良くなっている気がしている。月世弥は最初、邪悪な雰囲気があったが今はそれよりも口の悪さが目立っていた。

 人ならざる者となど本当にうち解けられはしないだろうが…。

 辰美はどこか、複雑な気持ちと罪悪感が生まれた。


「辰美さん、そんな顔をしないでください。わたくしはわたくしを受け入れてくれる方に尽くしているだけです。だから辰美さん、貴方が受け入れている限り、私は"いい子"でいます」

 おしとやかに言う彼だが、内容は少々気味の悪いものだった。




 偶然、コンビニエンスストアの駐車場で春木と鉢合わせした。白いレディーススーツが眩い。

「あら、辰美さん。こんばんは」

「こんばんは」

 あちらはビニール袋片手に車に乗り込む手前だった。缶ビールが入っているのが見えて、神も晩酌をするのだと感心した。


「あ…あの、エベルムの事なんですが…」

「ああ、彼ね」

「あのヒトを信用しない方が良いと思います」

 こちらの言葉に彼女はキョトンし、少し苦笑を浮かべた。


「彼は怪しいかしら?干渉者の際も助けてくれたし、これまでも…ああ、ごめんなさい」

「これまでも?」

「…彼との関係性を秘密にしてきたわ。けどこれまで不審な行動をした事を見ていないもの」


 エベルムは越久夜町で確かな立場を確率しており、その真実を伝えても春木に相手にされない。

 ならばどこへ行っても同じ反応が返ってくるだろう。

 山の女神と別れ、店内で菓子パンを選びながら落胆した。


『落ち込まないでください。わたくしらがいますわ』

(ありがとう…)

 店内に流れる陽気な音楽がやけに耳障りに聞こえた。

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